元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回はもはや説明する必要も無いと思えるほどの圧倒的な実釣性能と知名度を誇るバイブレーションプラグ、ダイワのT.D.バイブレーションを実釣で使い込んできました。このハードベイトが持つその特徴と本当の実力を解説していきます。
Contents
T.D.バイブレーションのスペック
Length : 63S‐63㎜ 74S‐74㎜
Weight : 63S‐10g 74S‐18g
Hook : #6×2 (63Sはリアのみ#8)
カラー :10色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
T.D.バイブレーションの構造と外見の特徴
現行モデルのT.D.バイブレーション(上)とTEAMDAIWA時代のT.D.バイブレーション(下)
20年以上経過しても大きく形を変化させないその姿は、リリース当初からいかに高い完成度を誇っていたのか?を雄弁に物語っています。
ここでは T.D.バイブレーションの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
ヘッド形状
T.D.バイブレーションのヘッド形状は、しっかりとした平面を確保した直線的な形状となっています。スイム姿勢を決定付けると共にアクションの起点となるアイの位置をボディのほぼ頂点にセットし、ヘッドの中心に水流をつかみやすくするための「くぼみ」を設けたヘッドデザインは、他のバイブレーションプラグと比べて動き出しが早く、スローリトリーブでもしっかりと水をつかんでアクションを発生させます。
ヘッドの角度
T.D.バイブレーションのヘッド角度は他のバイブレーションと比べてしっかりとした角度がついており、水をつかみやすいセッティングが特徴的。非常に幅広いリトリーブスピードに対応し、確実に水を押してアピールするアクション特性は、フィールドやシチュエーション、レンジを選ばず広範囲からバスを引き寄せる事が出来ます。また、スナッグレス性能も高く、クラストップとも言える快適な使い心地は、長期間の使用でもほとんどストレスを感じない優秀な設計で、パイロットルアーとしてこれ以上にない性能を発揮します。
ボディ形状
ボディレングスに対して、ボディウエイトがやや軽めのセッティングになっているのがT.D.バイブレーション最大の特徴と言えます。オーソドックスなラトルを適量仕込んだだけのシンプルな内部構造はリトリーブに対するレスポンスも高く、よりシャローなレンジをゆっくりとスローにリトリーブする事が可能。他のバイブレーションプラグが攻めあぐねるようなシャローレンジをスローにじっくりと攻め込める特性は、低水温期やタフタイムにめっぽう強く、シャローを主戦場とするオカッパリゲームではその強さが一層際立ちます。
T.D.バイブレーションの特徴と長所
気が付くと大量増殖しているのもT.D.バイブレーションの特徴(笑)。価格が高騰し続ける現代のハードベイト市場において高い実釣性能を備えながらも、非常にリーズナブルな価格設定となっている部分は、多くの愛用者を魅了する要素となっています。
ここでは T.D.バイブレーションが持つ大きな特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
バイブレーションプラグとしての高い完成度!
バイブレーションプラグには様々な性能が求められます。抜群のキャスタビリティー性能やスナッグレス性能はもちろんのこと、狙ったレンジを長くキープするためのレンジキープ能力やスローからハイテンポなリーリングスピードに対応する巻きスピードへの柔軟性、そしてパイロットルアーとして欠かせないアピール力やスイム姿勢などなど・・・例を上げればキリがないほどその項目は多岐にわたりますが、T.D.バイブレーションはほとんどの性能をバランス良くあわせもった優等生的存在。どの要素を切り取ってもトップクラスを維持する完成度の高さは、他のバイブレーションプラグには無いT.D.バイブレーションだけのものと言えます。
スローリトリーブでもしっかりアクションするレスポンスの高さとレンジキープ能力!
T.D.バイブレーション最大の特徴と言えば、やはり軽量なボディウエイトによる高いアクションレスポンスとレンジキープ能力。そしてスローリトリーブへの優秀な順応能力と言えるでしょう。一般的なバイブレーションプラグ、特に昨今リリースされたようなバイブレーションプラグはボディに対して多くのウエイトを詰め込む事でキャスタビリティー性能に特化していますが、レンジキープ能力が低くスローリトリーブでは十分な性能を発揮出来ない場合がほとんど。T.D.バイブレーションはその軽量ボディのおかげで様々なレンジをより長く、よりゆっくりとリトリーブする事が出来るため、スロースピードにしか反応しないタフでセレクティブなバスを射程圏内にとらえる事が出来ます。
クラストップのスナッグレス性能!!
フラットなヘッド形状とやや立ち気味のスイム姿勢で障害物にヘッドからコンタクトしやすいT.D.バイブレーションは、数あるバイブレーションプラグの中でもトップクラスのスナッグレス性能を有しています。ゴロタやリップラップなどの地形変化はもちろん、オダやレイダウン、ウィードなどストラクチャーやカバーの種類に関わらず優秀なスナッグレス性能を安定して発揮する特性は、様々な場面で効果的。根掛かりを心配せずにストラクチャーやカバーに対して大胆にアプローチ出来る特性は、釣果にも直結しやすく、釣れるハードベイトに無くてはならない性能と言えます。
T.D.バイブレーションの感想と使い方 まとめ
リリース以降バイブレーションカテゴリーの基準を大きく塗り替え、後発のバイブレーションプラグに多大な影響を与えてきたT.D.バイブレーション。現行の最新型バイブレーションと比べれば、ロングキャスト性能こそやや劣りますが、クラストップのスナッグレス性能をバックボーンに一定のレンジをゆっくりとリトリーブ出来る特性は、国産バイブレーションの中で唯一無二と言えます。他のバイブレーションプラグではボトムにコンタクトしてしまうようなシチュエーションをじっくりと攻められるメリットは秋口~早春の低水温期や濁り、急激な水質変化によるタフタイムで特に有効であり、この様な状況でハードベイトにバイトしてくるバスは非常にセレクティブな反面、グッドコンディションの個体であることが大多数。T.D.バイブレーションがサンデーアングラーのみならずトップトーナメンターにも愛用者される最大の理由はタフな状況下でこそ威力を発揮する稀有なハードベイトであるからに他なりません。国内外問わず名作と呼ばれる実力派でありながらコストパフォーマンスに優れ、この上ないパイロットルアーであるT.D.バイブレーションをもう一度使い込んでみれば、きっとハードベイトの有効な使い方とは何たるか?を再確認する事が出来ることでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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