元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回は超一級の実釣性能でバイブレーションプラグの新時代を築いた名作、YO-ZURI【DUEL】のラトリンバイブを実釣で使い込んできました。このハードベイトが持つその特徴と本当の実力を解説していきます。
Contents
YO-ZURI【ヨーヅリ】 ラトリンバイブのスペック
※今回の被写体は私の手持ちの関係上、使い込んだボロボロのものしかありませんでした。ご了承ください。
Length : 65㎜
Weight : 17.0g
Hook : #6×2
カラー :12色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
YO-ZURI【ヨーヅリ】 ラトリンバイブの特徴
リフト&フォールによるシミーフォールアクションで一世を風靡したラトリンバイブにはオリジナルモデルとなる65㎜サイズの他、ひと回りコンパクトなボディが魅力の55㎜サイズもラインナップ。フィールドやシチュエーションに応じて使い分けることで、死角の無いゲーム展開が可能となっています。
ここではラトリンバイブの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
ヘッド形状
少ない移動距離のリフト&フォールでもレスポンス良くアクションを発生させ、効率的なアピールを可能としているラトリンバイブのヘッド形状は、ラインアイを起点に大胆に面取りされた平面部が最大の特徴。非常に水をつかみやすいヘッドセッティングをベースに、リフト&フォール時の姿勢にもこだわったトータルバランスはナチュラルさとアピール力を兼ね備えた優秀なモノに仕上がっています。
ヘッドの角度
ラトリンバイブのヘッド角度は数あるシミーフォール特化型バイブレーションと同じく、しっかりとした角度を持ち、最大効率で水を受けるセッティングとなっています。他のモデルと同様に狙ったレンジを大きく外す事なく小刻みなリフト&フォールでも十分なアピールを可能としたセッティングは実釣性能も極めて高く、条件次第では他のモデルを全く寄せ付けないような圧倒的実力を垣間見せてくれる事が多々あります。
ボディ形状
内部に10個のラトルを内蔵し、浮き上がりを抑えたボディ構造を持つラトリンバイブは全体に重量配分を分散させたボディセッティングが特徴的。あえてボディの一ヶ所に重量を集中させず、ボディ全体でバランスを取るダイナミックな設定は、結果としてフォールスピードを遅くしてよりナチュラルなフォールスピードと自然な沈下姿勢を実現。独特なシミーフォールアクションはただ巻きやワームに反応しないバスをバイトに持ち込めるだけでなく、他に類を見ないこだわりのラトルサウンドは、このバイブレーションでしか釣れない魚がイメージしている以上に多い事を使い手に教えてくれます。
YO-ZURI【ヨーヅリ】 ラトリンバイブの特徴と長所
シミーフォールに重点を置いた国産バイブレーションの代表格と言えばこちらのダイワT.D.バイブレーションスティーズカスタムと言えるでしょう。今回の主役であるラトリンバイブとはほとんど同様のスペックながらその性格は大きく異なっています。ビッグレイクのウィード攻略や気難しいサスペンドバスを攻略するには両者の特性を理解して上手に使い分ける事が近道となります。
ここではラトリンバイブが持つ大きな特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
他のモデルとは一味違う元祖シミーフォール!!
ラトリンバイブ最大の特徴と言えば、抜群のアピール力とナチュラルアクションを兼ね備えたシミーフォールでしょう。使い勝手に重点を置いた他のモデルには見られない重量分散型のバランスセッティングは、フォール時にボディ全体で水を受けやすく、同じウエイトでもよりスローで、ナチュラルなアクションを発生させる事が可能。通常のシミーフォールでは反応しきれないようなシチュエーションでもバイトを誘発する事の出来る唯一のハードベイトとなっており、本場アメリカのトーナメンターをはじめ、多くのエキスパートから絶大な信頼を勝ち取っています。
独特なアピール力を持つ特殊なラトルサウンド!!
他のバイブレーションプラグには無いラトリンバイブ特有の特徴と言えば、内蔵する数量やサイズ、素材までにこだわったラトルサウンドもその1つと言えるでしょう。ワンノッカーやサイレントモデルが主流となっている昨今、複合的なラトルサウンドはバイブレーションプラグの基本ともなっていますが、ボディバランスやフォール時の姿勢とスピード、そしてアクションを最大限に活かすラトルシステムは、その実釣性能を何倍にも跳ね上げています。また、音量や音質をも考え抜いたサウンドはウィードなどカバー内でのアピール力は十分に確保しながらも、オープンウォーターでもバスを驚かせない絶妙なサウンドとなっているのでフィールドやシチュエーションに関わらず活躍してくれます。
シャローレンジ攻略も可能とするレンジキープ能力!
独自のボディセッティングで他のバイブレーションプラグとほとんど変わらないウエイトとスペックを有しながらも、ワンランク上のスローフォールを手に入れたラトリンバイブは、卓越したレンジキープ能力が特徴的。スローなフォールスピードと強力なレンジキープ能力は、移動距離の限られる状況でも少ない移動で効率良くアピール出来るので、ディープレンジの攻略もちろん、シャローレンジでは特にその威力を発揮します。他のバイブレーションプラグではしっかりアピールしきれないようなシチュエーションでも、レンジをキープしつつ有効にアピール出来る特性は想像以上に使い勝手が高く、シャローレンジが主戦場となるオカッパリゲームでは非常に重宝します。
YO-ZURI【ヨーヅリ】 ラトリンバイブの感想と使い方 まとめ
例えばウィードに入り込んだバスを攻略したい時、プレッシャーや天候、急激な水質変化など何らかの理由でバスがルアーに反応する距離が極端に短い場合が多々あります。特にアフタースポーンや季節の変わり目では他のバイブレーションプラグやハードベイトではバイトまで持ち込めないけどワームなどでスローダウンするとそもそも反応すらしないシチュエーションに良く出会いますが、ラトリンバイブはそんな状況を打開出来る数少ないハードベイト。ほどよいアピールを兼ね備えたアクションと独特なラトルサウンドをベースに、ナチュラル感の強いスローなフォールスピードを活かした唯一無二のシミーフォールは非常に優れた実釣性能を発揮します。個性が強く、その特性をしっかり理解して使い込まないと十分にその実力を引き出し切れないクセの強さはありますが、アメリカのトーナメントシーンで長年にわたってシークレットウエポンとして活躍し続け、今なお国内のエキスパートがこぞって愛用する実力は紛れもなく本物です。特にシミーフォールアクションに関しては後続のバイブレーションプラグが次々とリリースされる現在でも間違いなくトップクラスに入る性能に仕上がっており、確実にバスはいるはずなのになぜか反応しない。活性が下がる理由も無く釣れない理由が見つからないのになぜか釣れない・・・そんな状況に最も効果的なルアーと言えるでしょう。国内外のトーナメントシーンを第一線で支え続けてきた実力派ハードベイトの底力をその目で確かめて見て下さい。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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