そのルアーを実際に使ってみて、ボディの構造や特徴などの観点からちかみやが超個人的な解釈と偏った見かたでルアーのインプレッションをお送りするコーナー。
本日は永遠のロングセラー、メガバス社のジャイアントドッグXをひも解いて見ようと思います。
ジャイアントドッグXが登場したのは今から20年ほど前になりますが、依然として初心者からエキスパートの方まで、高い人気を誇ってます。20年前の当時と比べ、今は製造技術や工程も進化し、正直なところジャイアントドッグXよりも優秀なペンシルベイトはたくさんありますが、今もなおこのルアーの人気を支える秘密はいったいどこにあるのでしょうか?
今日はジャイアントドッグXというペンシルベイトを、今も支持され続ける理由と共に掘り下げてみたいと思います。皆さんがジャイアントドッグXをタックルボックスの一員として迎え入れる際の参考にしていただければと思います。
Contents
ジャイアントドッグXのスペック

ちかみやはメガバスのオイカワカラーが大好きです。
・スペック
Length 98.0mm
Weight 1/2oz.
以下はメーカーホームページより製品紹介文を引用します。
ビッグサイズDOG-Xというよりも、スレたジャイアントバスにスイッチを入れてしまうことから名付けられたネーム。メガバスTOPのモダンテクノロジーを象徴するプラグです。そんなGIANT・DOG-Xも、密かにブラッシュアップが施され、進化してきました。慣性バランサーはタングステン化され、ドッグウォーク時にボディ内壁とヒットした時に発生する衝撃波をアップ。スプーキーなデカバスをストライクさせる、独特な低周波サウンドを発生するメカニズムに磨きをかけました。GIANT・DOG-Xならではの、あの独特なヒラウチドッグウォークは、より水面に切れ込み食らいつく鋭いクイックターンへとファインチューニング。今年も数々のビッグゲームが繰り広げられることでしょう。
ハイドロギル(PAT.P)
GIANT DOG-Xの特徴的なアクションのひとつである、ボディ側面のグアニウム反射面を水面下の魚に見せ付けながらのヒラウチドッグウォーク。このアクションを実現するために慣性バランサーシステム(PAT.)、シーソーバランサーシステム(PAT.)、と共に導入されたデザインが、このハイドロギル(PAT.P)です。ハイドロギルの導入により、左右のドッグウォーク時に水面をえぐるような食いつきを実現。ヒラ打ちドッグウォーク時にエラ(ギル)のレーンからバブルとスプラッシュを同時発生させ、ヒラ打ちとの相乗効果で釣果をアップさせます。出典メガバス株式会社様
ジャイアントドッグXの特徴
出典株式会社メガバス様
名作のドッグXシリーズですが、その原型となったルアーはこの「ぺん太」というウッドペンシルなんですって!
ここではジャイアントドッグXの持つボディ形状や仕様から、導き出したルアー的特徴、実際に使用してみて他のペンシルベイトよりも優れていると思えるファクターをピックアップしてご紹介していきます。
ジャイアントドッグXの構造的特徴
ラインアイはアゴについていて、アゴの形状も水を逃がしやすい形なのでスライド幅の大きいペンシルベイトと思われがちですが、ボディサイズに対してやや重量が重すぎるのと、浮き姿勢がやや垂直(約60度)のため、水を押すようなアピール力が強いドックウォークではなく、水の上を滑るようなドックウォークをします。それでもアングラーのロッドアクションには従順でスライディング幅の調整や強弱はとてもつけやすいペンシルベイトなので、どんなレベルのアングラーでも操作しやすいと言えます。
また、ジャイアントドッグXはボディレングス(全長)に対して体高が高いため、ドックウォーク中に横に倒れ込む(ロールする)ようなヒラ打ちを見せる事が多く、水押しよりも視覚的アピールに特化したペンシルベイトと言えます。
誰でも緩急のあるドックウォークアクションが出来る
改めてジャイアントドッグXを使って感じた一番の特徴は「非常にドックウォークアクションをつけやすい」という部分です。ロッドワークに対してのレスポンスが良く、アングラーが意図するスライディング幅やターンスピードを再現しやすい特徴を持っています。使っていてとても操作感があり、楽しいと思えるペンシルベイトですね。
メガバスならではのリアルフィニッシュ
メガバスと言えば、やはり見た目のカッコ良さ、キレイさを語らない訳にはいきません。
このクオリティーの高さは所有しているだけで充足感をもたらしてくれる程で、ルアー大好きちかみやはメガバスのルアーを肴にお酒が飲めます。(笑)
メガバスのみならず、好感の持てるフィニッシュと言うのはそれだけで集中力が続きやすくなりますし、ルアーとしての出番も増えます。登場機会の多いルアーなら、それだけで結果を残しやすくなり、結果を残せれば釣れるルアーとして認識されて、アングラーとの信頼関係を築く事が出来ます。
アングラーをいかにその気にさせられるか?これもルアーにとって大切な性能の一つなんですね。
遠投の効くキャスタビリティーの高さ
ペンシルベイトにとって、キャスタビリティーという性能はとても大切な性能であると、今までたくさんお話してきましたが、ジャイアントドッグXも負けてはいません。
20年前に設計されたペンシルベイトにも関わらず、キャスタビリティーの面では現行のペンシルベイト達に引けを取らずに同等の飛距離を実現しています。
ただ、ウエイト兼ラトルがしっかりと固定されないからか、空中でフラフラと飛行姿勢が安定しない場合があります。
ファーストキャストが大切なハードベイトではキャストミスに繋がりかねない要素なので注意が必要です。
ジャイアントドッグXの性能を引き出す釣れる使い方

ジャイアントドッグXはとても扱いやすく、ごく標準的な性能を高い次元で実現しているペンシルベイトなので、基本的にはどんなシチュエーションでも効果的です。
強いて言うならば水押しが強くなく、ドックウォークを主体としてアピールするペンシルベイトなので水面が波立っているラフウォーターのような状況ではアピール力不足になりがちです。水面が騒がしくなくてどちらかというと透明度の高いクリアウォーターという条件に近ければ近いほど、ジャイアントドッグXが個性を発揮して活躍しやすいシチュエーションと言えるでしょう。
また、他のペンシルベイトと比べ、ややラインスラッグを多めに出してアクションをつけてあげる事がジャイアントドッグXを操作する上で大切なコツになります。
そうすると、ジャイアントドッグXはライン抵抗の影響を受けずに生き生きとしたスライディング幅の大きく、スピーディーなドックウォークを見せてくれるようになるでしょう。
まとめ
今回はメガバスのジャイアントドッグXにフォーカスして、ちかみや的視点でインプレッションしてみましたがいかがだったでしょうか?
超個人的な見解に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ジャイアントドッグXに限らず、メガバスの凄い所は目を引く様なギミックやフィニッシュを多用しながらも、ルアーにしっかりとした性能を詰め込んである部分にあります。
見た目だけに力を注ぎ、ルアーにとって一番大切な実釣性能が伴わない「アングラーを釣るためのルアー」はどこのメーカーでも作れますが、釣れないニセモノのルアーはすぐに誰も使わなくなってしまいます。
ジャイアントドッグXが20年以上の長い年月、高い人気を維持出来ているのは、確固たる性能をしっかりと持っていていつの時代でも安定した釣果をもたらしているからではないかと思います。
「名作は決して色あせない」
モノが溢れ気味の今だからこそ、新旧問わず良いモノを選べる目を養いましょう。