ビッグベイトはアピール力の高い大型ルアーで広範囲をスピーディーにサーチする事ができ、サイズの大きなバスに非常に効果的なメゾットとして広く知られています。シーズンを通して有効なビッグベイトの釣りは時として凄まじいほどの実釣性能を発揮し、非常に魅力的なゲームですが、他のルアーとは比べ物にならないルアーウエイトやヘビーなタックル等とても専門性の高いゲームでもあります。当然、ビッグベイトで結果を残すには専用のタックルが必要となりますし、しっかりとしたタックルを選ばなければせっかく用意したビッグベイトの性能を引き出す事が出来ず台無しになってしまいます。
今回はそんなビッグベイトの性能を上手に引き出し、ストレスフリーで使えて結果の残せるロッドのスペックと選び方を解説していきます。

元祖ビッグベイトといえばこちらのA.Cプラグ。(A.Cミノー)日本では7インチモデルが主流でしたが、当時はビッグベイトという概念が無く、専用のロッドはありませんでした。当たりハズレの大きいルアーとしても有名で、ちかみやの持っている初期型の当たり個体は私自身のビッグバスレコードを何度も塗り替えてくれた立役者でした。
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良いビッグベイトロッドに必要な性能
ビッグベイトロッドに必要な要素というのはいくつかありますが、釣果を伸ばすためにはどうしても外せない必須とされる要素が4つあります。今ではたくさんの専用ロッドがリリースされ、使い方やシチュエーションによって様々なビッグベイトロッドを選ぶ事が出来ますが、皆さんの狙っているロッドは以下の特性をしっかり満たしているか確認しましょう。
ビッグベイトのウエイトに負けないパワー
少なくとも2oz以上のウエイトを持つビッグベイトを快適に扱い、操作するには、ビッグベイトの重量に負けないパワーを持ったロッドが必要です。当たり前の様に思うかもしれませんが意外と重量オーバーのルアーをキャストしている事も少なくなく、どの位の重さのビッグベイトを使う予定か?を事前に考え、しっかりとフルキャストできるスペックを持ったロッドを選びましょう。
遠投性能
ビッグベイトにフォーカスしたロッドはロングレングスのモノが主流となっていますが、これにはちゃんとした理由があります。一度ビッグベイトをキャストしたり使った経験がある方ならご存知とは思いますが、ビッグベイトはその大きさとインパクトの為とてもアピール力が高く、バスを引き付ける力は強いですが、スレてしまうのも非常に早いルアーです。1.2キャスト目ではワラワラとたくさんのバスがついてきても、数投すると全く反応しなくなり、特に大型のバスというのはプレッシャーにとても敏感でアングラーとの間に距離が無いとバイトに持ち込めない場合が多々あります。ビッグベイトでビッグサイズのバスを狙うにはそれなりの“距離”が必要となり、ロングキャストが必須条件となります。
キャストアキュラシーの高さ
アピール力が非常に高く、スレやすいビッグベイトにミスキャストは厳禁。中途半端なキャストはバスにルアーを不必要に追わせてしまい、貴重なバイトチャンスを失ってしまう可能性があります。ビッグベイト専用ロッドにはファーストキャストで狙った通りのポイントにしっかり着水させ、正確にイメージ通りのトレースコースを泳がせる事の出来るキャスト精度が必要となり、それがビッグベイトで結果を残す一番の近道になります。そのためにビッグベイトロッドには、重くコントロールしにくい大型のルアーでも正確にキャストできるアキュラシーが求められます。
使いやすさ
ビッグベイトは強力なアピール力を持つサーチベイトなので1日中キャストし続けるルアーではありませんが、ポイント移動した先や大型のバスが期待できる一等地では真っ先にキャストしたいルアーです。どんなルアーでもキャストしなければ釣果を伸ばす事は出来ませんが、ビッグベイトロッドはキャストやファイト時に必要なパワーを持たせるために、通常のタックルよりも太いラインが必要になるため、ラインキャパシティーの大きなリールが必要になり、ロッドも太くパワフルになるため重量が増加します。
重いロッドは当然ながら疲れやすくなりますが、使いやすいロッドはそのデメリットを解消し集中力を長続きさせてくれます。
ショートレングスモデルのビッグベイトロッド
最近ではアキュラシーの向上やアングラーの負担減をコンセプトにしたショートレングスのビッグベイトロッドが注目されています。非常に取り回しやすく軽量なショートレングスはアキュラシー精度がとても高く、リザーバーに多いレイダウンやピンスポット攻略に有効です。レングスが短いとキャスタビリティーが低下してロングキャストしにくくなりますが、ボートゲーム前提であればそのデメリットはほとんど解消されます。使用するラインを入れ替えればフロッグゲームなどにも流用でき、シチュエーション次第では通常のロッドよりも使い勝手が良いロッドになり、おすすめです。
アブガルシアの用途特化型モデルであるホーネットスティンガー プラスから販売されるHSPC-672X-BBは6フィート7インチのショートレングスで、ボートからのビッグベイトによるカバーへの近距離アプローチを前提とした接近戦仕様のビッグベイトロッド。ナノカーボン素材を採用したブランクス設計とオールダブルフットガイドを採用し、ビッグバスとのラフファイトに動じないトルクを実現し、打ち物系によるカバーへの攻略でも活躍できるロッドです。コストパフォーマンスが非常に高い部分もとても魅力的で、ビッグベイト初心者の方の最初の一本や、エキスパートアングラーのサブロッドとしても期待されます。
ビッグベイト用のロッドは、スイムベイトとの相性もバッチリ!しっかりとしたロッドを選べば様々なハードベイトを扱えます。
ビッグベイトの釣果を倍増させるロッドスペック
ではビッグベイトの性能を100%引き出せるロッドスペックとはどの様なものか?
様々なビッグベイト専用ロッドを使ってきた中でたどり着いた具体的な理想スペックとしては7.0~8.0ft前後のXHクラス、レギュラーからファーストテーパーのロッド。
このスペックのロッドであれば基本的にどの様なシチュエーションでも対応出来ると思います。大切なのはガチガチのロッドではなく、ハードベイトの一種であるビッグベイトをフックアップさせる為にティップが入りやすく、ベリーからバット部分にかけてしっかりとルアーを背負えてフルキャストできるロッドテーパーがビッグベイトにはジャストフィットします。ビッグベイトはその重量ゆえ通常のルアーのようにスイングスピードに任せたキャストは出来ません。低~中弾性カーボンをメインマテリアルとしてブランクを厚く巻き、ロッドをテイクバックしただけでもルアーの自重で十分に曲がり込み、ロッドの反発と同時にゆったりとしたスイングスピードでも十分にルアーを前に飛ばせる性格のロッドが理想的です。
ビッグベイトロッドの上手な選び方と使い方
幅広い用途に使えるマルチな性格のロッドであれば、最近注目の”ハネモノ”にも対応出来ます。
ビッグベイトにこれから挑戦しようと思っている方は、max3ozくらいまでのスペックのものを最初の一本に選びましょう。
初めから8ozや10ozのジャイアントベイトにも対応出来る本気モードのフルスペックロッドの購入を検討する方もいますが、非常に危険です。
ビッグベイトは他のルアーと比べてスペックが大幅に違うため、専用のロッドやタックルを用意する必要がありますが、“明確な出しどころ”が存在するために意外と出番が少ないタックルでもあります。特に5oz以上のウエイトに対応可能な特化ロッドはほとんどビッグベイト以外は使う事が出来ず当然ながら出番が少なくなり、レングスの長いロッドはボートゲームならまだしもオカッパリでは持て余してしまう事があるばかりか、2ozクラスのビッグベイトも使いにくく感じることが多々あり、琵琶湖や池原ダムのようなフィールドでなければ釣れる魚のサイズに対し、オーバースペックになってしまう事がほとんどになります。
しかしながら、max3ozくらいまでのモデルであればそれほどとがったスペックのロッドにはならないので、ビッグベイト以外にもヘビーカバー攻略のテキサスパンチングやヘビキャロ、今流行りのマグナムクランクやビッグスプーン、ビッグスピナーベイトなんかにも流用出来ます。
必要のないロッドや使う頻度の少ないロッドは出来るだけ作りたく無いもの。
ガチガチのビックベイトロッドは実際にビッグベイトを使い込み、ビッグベイトゲームが本当に自分のスタイルにマッチするか確かめた後でもう一度考えるとして、最初の一本は様々なルアーを使う事が出来るストライクゾーンの広いロッドを選びましょう。
ビッグベイトロッド選ぶ前に教えたい。必要な性能と釣果が倍増するロッドスペック 最後に・・・

今回はビッグベイトの性能を引き出し、釣果を伸ばす上でロッドにはどの様な性能、スペックが求められるのか解説してみました。ビッグベイトは非常に奥が深く、意外なほどアングラーやタックルへの要求度が高いルアーと言えます。特にロッドに求められる性能はそのまま使いやすさや釣果に直結する要素なのでビッグベイトをこれからやり込んでみたいと思っている方はこの記事を一読して頂いてからしっかりと特性を理解してロッドを選んでみてください。ビッグベイトは非常にロマンがあり、魅力的なゲームです。皆さんがビッグベイトに適したロッドにめぐり逢い、得意な釣りとなる事をちかみやは楽しみにしています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。