コストパフォーマンスが高く基本性能も申し分ないシマノのゾディアスシリーズは初心者向けのエントリーモデルと位置づけされる事の多いロッドですが、その本質は一つ一つのモデルにある程度のバーサタイル性を持たせつつも、同時に専門性も持たせたロッドラインナップとなっています。
決してエントリーユーザーのためだけでなく、初心者からエキスパートまで様々なアングラーの要望に幅広く、深く答えられる絶対性能がゾディアスの強みとなっていますが、その中でも20ゾディアスにラインナップされた167M-Sは、専門性の高い過激なスペックで気になっている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなゾディアス167M-Sを実釣で使い込んできました。その際に感じた個人的な使用感や感想、抱いたイメージを交えてその特徴を皆さんにお伝えしてみたいと思います。
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2020 ゾディア167M-Sのスペック
長さ:2.01cm(6.7ft)
継数:2本
仕舞寸法:172.2cm
重さ:97g
適合ルアーウエイト:4~15g
適合ライン(フロロ・ナイロン):6~12ポンド
グリップ長:235㎜
テーパー:FF(エクストラファーストテーパー)
2020ゾディアス167M-Sの外観とデザインの特徴
全体的なデザイン
ブラックをメインに、アクセントのレッドカラーが入った外観はとてもカッコ良くスパルタンなイメージを受けます。
コストパフォーマンスを重視したロッドとして初めて採用されたカーボンモノコックグリップは、ロッド全体を軽量化して高いバランスと感度で、低価格ロッドとは思えないほどの性能を発揮します。
グリップの長さ
出典:シマノ様
扱いやすさや使用感、取り回しに影響するグリップ長は235㎜。キャストしやすく取り回しも良好なグリップの長さはキャストからファイトまでやりやすく、キャストアキュラシーも大幅に引き上げてくれます。
ブランク
ロッドの性能を大きく左右するロッドブランクは中弾性カーボンをメインマテリアルにハイパワーXで補強したブランクを採用しています。
上から4番のガイドでこのロッド最大の特徴であるソリッドに切り替わりますが、このロッドだけが採用するハイパワーXソリッド(ソリッドの部分までハイパワーXが入るソリッド)は、本来ならばダルになりがちなソリッドとは思えないシャープさと操作性を併せ持っています。
リールシート
出典:シマノ様
コストパフォーマンスを優先しながらもリールシートはシマノの最新型リールシートであるパーフェクションシートXTを採用。独自のカーボン強化素材CI4+を使用しコンパクトで手の小さい方でも握りやすく、ロッドの軽量化にも一役買っています。使いやすいリールシートは感度と操作性が高いのはもちろん、長時間の使用でも疲れにくく、集中力の途切れやすい初心者には強い味方となってくれます。
ガイド
ステンレスフレーム+アルコナイトリングのガイドは必要にして十分な性能を持っています。計10個のガイドはマイクロガイドセッティングと搭載されトップガイドはSicを採用。必要な部分にはしっかりコストをかけて高い実釣性能とコストパフォーマンスを両立させている部分は旧モデルと同様でゾディアスが高く評価されている理由となっています。

2020 ゾディアス167M-Sの特徴
ここではゾディアス167M-S実際に使用して感じた、優れた特徴を3つご紹介します。
このロッドが持つ特性が理解出来ればゾディアス167M-Sがどのようなロッドなのかイメージしやすくなります。
テストしたルアーの一部。ここに写っているモノ以外にも様々なウエイトと大きさのネコリグやスモラバ、ダウンショットリグやライトテキサス、ノーシンカーなどをテストしています。
ソフトなソリッドティップで軽量ルアーに完全対応!
このロッド最大の特徴でもあるソリッドティップはとてもしなやかで、3g程度のスモラバであればかんたんにキャストできます。(もちろん、ベイトフィネスリールのスペック次第ですが)イメージでいうなら同社のベイトフィネスロッド、164L-BFSと同等かそれ以上のティップの柔らかさです。
さすがに巻き抵抗の強いクランクやスピナーベイトなどはティップが入りすぎてしまって使いにくく、ものすごく繊細なロッドワークはチューブラーの方が上手ですがバイトの小さくなるハイプレッシャー時やタフコンデションの時はソリッドのしなやかさが有効になります。
必要にして十分なパワーを持つバットセクション
繊細なソリッドティップで、スピニングタックルで扱うようなライトリグにも高い対応出来るゾディアス167M-Sですが、パワー表記はミディアムパワーなのでしっかりとしたバットパワーを持っています。
パワーのあるロッドは、このロッド本来の使い方であるパワーベイトフィネスの主戦場であるカバー周りでその力を遺憾なく発揮しますが、足場の制限が大きいオカッパリゲームでも非常に使い勝手が良く、特に足場が高いフィールドやシチュエーションではとても助かります。
長めのレングスでロングキャストも楽々!!
6.7フィートのロッドレングスは、非常に取り回しも楽で操作性も抜群ですが、同時に高いロングキャスト性能も実現しています。
ゾディアス167M-Sは正確に言うと純粋なベイトフィネスモデルではありません。
そのためガイドセッティングがセミマイクロガイド仕様となっているので軽いルアーでもしっかりキャスト出来ます。
優秀なキャスタビリティーは探れる範囲が広がるためそのままメリットになります。特にオカッパリでは大きなアドバンテージとなるでしょう。
ゾディアス167M-Sの使用感とインプレッションまとめ
ゾディアスシリーズの中でも一番個性的でとがったスペックの167M-Sは初心者の方よりもエキスパートが好むセッティングでシマノの意欲作となっています。このロッドが持つ特性はゾディアスシリーズがただのエントリーモデルとは違うというメーカーからのメッセージのような気がします。
ゾディアス167M-Sと相性抜群のリグ&ルアー
・3~6インチ程度のネコリグ
・総重量3~7gのスモラバ(軽めのラバージグ)
・2.5~7gシンカーを使ったダウンショットリグ
・3~6インチまでのノーシンカー
・3~7g程度のテキサスリグ
・5g前後のスプリットショットリグ
・キャロライナリグ
・シャッド
以上がゾディアス167M-Sと相性抜群のリグとルアーになります。
Mパワー以上のベイトロッド+高弾性ソリッドの組み合わせは今まで一部の高級ハイエンドモデルに採用されるブルジョワセッティングでした。
正直、ラインナップリストを見た際にこのロッドのスペックを見て「・・・まさかね。」と思っていましたが、今回実物を触って感想が「マジかよ!?シマノさん・・・」に変わりました。まさかこの設定価格でここまでのロッドを作り上げてくるとは思ってもみませんでした。
肝心のロッド特性をかんたんに表現すると、スピニングタックルで扱うようなライトリグを扱えるミディアムパワーのワーミングロッド。という表現がしっくりきますし、おそらくはそのためのソリッドティップの採用となっています。
もちろん、通常のパワーベイトフィネスとしての運用は抜群ですが、このロッドの特性はオカッパリゲームでとても重宝します。
現在のオカッパリシーンではプレッシャーが掛かっていることがほとんどで、バスに出会うにはスピニングタックルで扱うようなライトリグは必須と言えるでしょう。
極めて幅広いルアーウエイトが扱える上にスモラバのようなライトリグまでこれ一本で対応出来るゾディアス167M-Sは、まさに次世代の“オカッパリスーパーバーサタイルロッド”と呼ぶに相応しいロッドに仕上がっています。
持ち歩くロッドの本数に制限があるオカッパリだからこそゾディアス167M-Sのような懐の深く、即戦力となるロッドが必要なのではないでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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