長い歴史を持つバスフィッシングの中でも比較的新しいメゾットである虫系パターン。
時期やフィールドによってはバスのメインベイトとなり、他のルアーを寄せ付けない力を発揮しますが、最近ではシンキングタイプの虫系ワーム(沈む虫系ワーム)が注目されています。
小さなシルエットに手足のようなパーツが生えた独特なフォルムは非常に実釣性能が高く、数はもちろん大きなバスにも効果的なので使いこなせればとても強力なメゾットとなりますが問題なのはその使い方。今までのワームとは似つかないディテールは本質的な使い方をイメージするのも難しい部分があります。
そこで今回は、今まで様々な沈むの虫系ワームを使い、釣れるワームや使い方を研究した私が自信を持ってオススメ出来る本当に釣れる沈む虫系ワーム5つと、基本となるアクション・動かし方をお伝えします。
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沈む虫系ワームの使い方。その正体とイメージするベイトとは?
虫系ワームといえば水面付近でバスを誘うのが通常。セミやカメムシなどを模したディテールは水面でベストなパフォーマンスを発揮出来るように作られているのでアンダーウォーターではその力も半減していますが、実は沈む虫系ワームはそもそもコンセプト自体が違い、使い方も全く違います。
私がこのジャンルのワームを使い込んで見て最初に感じたインプレッションは「イモラバ」に似ているということ。
今では一般的になりましたが、登場当時はトーナメントシーンのシークレットリグとして高い実釣性能を発揮していました。
比較的コンパクトなボディと使いやすいウエイトを持ったイモラバは大きくアクションするパーツが少ないのでタフな状況やプレッシャーが掛かる場面に非常に強く、特にエビや小さなザリガニがメインベイトとなっている時にはとても有効。普段から捕食されやすい小型のエビ類はバスにとって最も身近で違和感の無いベイトと言えます。
つまり沈む虫系ワームは虫をイメージして使う物ではなく、エビや小型の甲殻類、ヤゴなどの水生昆虫をイメージして使うモノなんです。
エビをエサにしたムーチング(エサ釣り)を体験した事がある方ならわかるでしょう。
沈む虫系ワームのピリピリとパーツをアクションさせながらスローにフォールする姿はオープンウォーターに投げ出され、ストラクチャーから離れた無防備な甲殻類そのもの。
エビをイミテートして使う事が沈む虫系ワームの実力を引き出す最大の秘訣と言えます。
沈む虫系ワームおすすめ5選
それではここで様々な沈む虫系ワームを使い込んできた私が、「このワームの実力は別格」と感じる優秀なワームを5つご紹介します。これから沈む虫系ワームに挑戦したい方、どのワームを使えば良いか悩んでいる方、ワーム選びで失敗したくない方は先ずこちらで紹介したワームを試してみると良いでしょう。
おすすめワームその1 O.S.P HPバグ
小さなボディにこだわり満載!徹底した作り込みが魅力の高性能ワーム!
HP Bug1.5”はトーナメントやメジャー岸釣りスポットなど、プレッシャーがかかった状態でも「バスのいそうなところにキャストすればバスがバイトしてしまう」をコンセプトに、幅広いライトリグにマッチするよう設計されたフィネスワーム。喰わせる力のみに特化させたデザインではなく、キャスティングやフッキング性能、多様なリグへの順応性、抜群のボディバランスなど実釣で求められるスペックを高次元でクリアした作りは小型ワームにありがちな使いにくさを感じさせません。
おすすめワームその2 DSTYLE SVSB
トーナメントで活躍したプライベートリグを製品した実力派ワーム!
フッキング性能とスナッグレス性を高める為、スリットを配置したコンパクトボディにコアショット製法を採用することでボディの耐久性とウエイトを確保したSVSB(スーパーバイブシンキングバグ)は中心は高比重、脚はラバーではなくボディと一体成型する事により、脚の微振動が実現。脚の部分は低比重にする事でフォールだけでもしっかりとアクションし、効率良くバスを誘います。フックのセットする方向によりアクションを変える事も可能。頭側は水平フォール、触覚側はバックスライドフォールします。
おすすめワームその3 レイドジャパン アヴィ
使いやすさはトップクラス!高い完成度が自慢のフォールベイト!
もはや三葉虫にしか見えないレイドジャパンのアヴィは気難しい魚でもバイトに持ち込める事を目的としたシンキングタイプの虫系ワーム。他のワームと比べるとやや繊細でナチュラルなアクションのボディは十分な重量を持ち、バックスライドワームとして使えばカバー奥の魚へ繊細なフォールを仕掛けることができます。着底後はゆっくりとズル引くことで、ボディサイドのレッグがアクションし、着底直後から回収完了までバスを誘い続ける事が出来ます。
おすすめワームその4 一誠 沈み蟲
圧倒的なキャスタビリティーと絶妙なアピール力で高い実釣性能を発揮!
細かいパーツの多い虫系ワームとしてはとてもシンプルなルックスながら非常に強力な実釣性能を持つ一誠の沈む蟲は、高比重マテリアルをベースとした流線型ボディに必要最低限のパーツを組み合わせることで驚異的な飛距離を誇るます。ボディの細い方からフックをセットすれば抜群のボディバランスで水平気味にフォールし、ボディの太い方にネイルシンカーを装着するとバックスライドセッティングとなる作りは様々なシチュエーションで活躍します。
おすすめワームその5 ジャッカル RVバグ
アングラーの理想を具現化出来る深い懐が特徴的なシンキングバグ!
沈む虫系ワームとしては最も細部まで作り込まれ、たくさんのパーツを持つRVバグは足やヒゲをカットして、ボリュームを調整するなどアングラーの意図するチューンナップが出来る使い勝手の良さが最大の魅力。フィールドの状況やバスのコンディションに合わせた変幻自在の誘いが可能です。ノーマルの状態ではパーツも多いのでキャスタビリティーも高くありませんが、アングラーのチューニングによってボリュームやアピール力を調整する事で真価を発揮する中・上級者向けのワームと言えるでしょう。
沈む虫系ワームの動かし方・アクションの基本
沈む虫系ワームはノーシンカーリグを基本として様々なアクションに対応出来ますが、一般的に相性が良いとされるアクションがあります。フォールを主体としたアクションがメインとなりますが、セットするワームの種類や特性によってブレンドして使うとさらに効果的。状況やシチュエーションでバスに有効なアクションは変わりますが、先ずはこれから紹介する3つの基本アクションを試し、バスがどのアクションに好反応を示すのか確かめてみましょう。
フォーリング(リフト&フォール)
沈む虫系ワームにとって最も基本的かつ、王道のアクションといえばフォーリングを主体としたアクション。釣れるバスのほとんどがフォールでバイトしてくれる事を考えれば、上手に持ち上げて落とすだけでも強力なアクションとなります。気を付けなければならないポイントとしては、リフト時にワームが回らないようにゆっくり持ち上げることと、フォール時は余計なアクションをしないようにしっかりとラインテンションを抜く事。パーツの多い虫系ワームは水の抵抗を受けやすく、直ぐに回転してしまいますし、一度回転してしまうとラインがよれてしまい、フォール時にナチュラルなアクションが出なくなってしまいます。
トゥイッチ&フォール
個人的に一番おすすめな使い方がこのトゥイッチ&フォール。
ボディの小さな虫系ワームはナチュラルなアクションと高いバイト誘発力を持つ代わりにアピール力が弱いのが唯一のデメリット。どんなに高い食わせ能力を持っていてもバスに気付いてもらわなければ意味がありませんが、このメゾットは素早く派手な動きでバスにアピールし、バイトを引き出すメゾットなので虫系ワームのデメリットをカバーする優秀なアクションと言えます。イメージ的にはエビが何かに驚いて逃げるイメージで、ジャークベイトをジャークするように1~2回トゥイッチ。フォールでバイトを待つだけです。ラインがよれてしまいますが、緩急のついたアクションでバスを誘うテクニックなのでワームが不自然な動きをする前にバイトに持ち込めます。
ズル引き&ステイ
沈む虫系ワームの最終奥義とも言えるアクションがこのズル引き&ステイ。
アピール力を極力抑え、バイトを引き出す事に徹底してフォーカスしたアクションは「バスは必ずここにいるけどどうしてもバイトに持ち込めない。」と言ったタフな状況で非常に効果的。コツとしてはバスに気付かせないつもりでゆっくりとアクションさせることでトゥイッチ&フォールとは対極に位置するアクションと言えます。
沈む虫系ワームのタックル
沈む虫系ワームの釣りは最近頭角を現した新しいメゾットのため人によって使うタックルは様々。どのセッティングがベストマッチなのかフィールドの状況やシチュエーションで大きく変化しますが、ここではひと通りこのメゾットを使い込んできた私がベストと思われるタックルのセッティングをご紹介します。
沈む虫系ワームの性能を引き出す理想のロッドスペック
私が沈む虫系ワームを使用する場合は現在、6ft前半のスピニングロッドでUL~L程度のロッドパワーを持ったタックルを多用しています。この手のワームは全体的にウエイトが軽く、パワーのあるロッドでは思うようにキャストが出来ません。それほど繊細なロッドワークは必要としませんが、小型ボディのワームをイメージ通り操るにはスピニングタックルの方が一枚上手。はじめはキャスタビリティー的な面で優位なロングレングのスピニングロッドを使っていましたが長すぎるレングスは操作性がいまいちなので最終的にはこのスペックで落ち着いています。
ベイトフィネスとの相性を良く聞かれますが、近距離でカバーを攻略するなど明確なコンセプトや目的がないのであれば特にメリットは感じられません。
沈む虫系ワームは軽いウエイトの割にパーツが多く、キャスタビリティーは高くありません。また、センシティブに小さなワームを操るのであればどうしてもスピニングタックルの方が都合が良く、スピニングタックルと比べればロッドも硬く、少し太めのフロロライン使用を前提としたベイトフィネスを使う理由は見当たらないと言えるでしょう。
ダイワのリリースするハイスペック&ローコストモデルでありながら特化性能を持ったリベリオンシリーズ。その中でも軽量ワームの扱いやすさにフォーカスしたLパワーのメガトップソリッドに、MLパワーのチューブラーをドッキングさせた641L/MLXS-STは一見すると過激なスペックに見えますが実際には幅広いライトリグに対応できるスーパーバーサタイルロッド。沈む虫系ワームに適したソフトなティップと強靭なバットセクションは相性が良いロッドの1つと言えます。
沈む虫系ワームマッチするリールスペック
沈む虫系ワーム使うリールはギア比の高いハイスピードのスピニングリールが理想的です。
特にレスポンスの高い軽量なボディを搭載した中~上級者向けのリールがベスト。
巻き心地が軽くアングラーにリグの状態をダイレクトに伝える特性は、軽く小さなワームの操作も思い通りになります。
シマノの手掛けるバスフィッシング専用スピニングリールのコンプレックスCI4はNEWマグナムライトローターやシマノ独自素材「 CI4+」の採用で、大幅な軽量化を実現したクイックなレスポンスが最大の特徴。軽量・コンパクトな低慣性ローターが生み出す巻出しの軽さ・優れたリーリング感度は繊細なワーミングゲームで真価を発揮します。
沈む虫系ワームの性能を引き出す理想のライン
私が良く使うラインシステムはPEライン0.8号+フロロリーダー7lbが一般的です。
PE、フロロ、ナイロン共に様々なシチュエーションで使い込んでみましたが、キャスタビリティー、操作性、感度、使いやすさなど、全てをバランス良く兼ね備えていたのがPEラインでした。
特に沈む虫系ワームのウィークポイントでもあるキャスタビリティーにおいては群を抜いており、フロロ、ナイロンラインではラインに巻きグセが付くと使いにくくなりました。
感度と操作性についてもPEライン特有のダイレクト感が心地よく、総合的な観点からPEラインがベストなセッティングでしょう。
コストパフォーマンスに優れながらPEラインとして必要なスペックを高次元で満たしたダイワのUVF タトゥーラ センサー×8+Siは数あるPEラインの中でも自信を持っておすすめ出来るイチオシのPEライン。「どのPEラインを使おうか迷っている。」「愛用しているPEラインは特に決まっていない。」そんな方にはぜひとも試して頂きたい逸品となっています。
沈む虫系ワームの使い方とおすすめ5選 まとめ
虫系ワームであるけれども虫にあらず・・・エビを意識して使うことこそが沈む虫系ワームの実力を引き出す最大の秘訣となっています。
他のワームには見られないコンパクトなボディと複雑なパーツを持った沈む虫系ワームはイミテートするベイトをイメージしながら使うことが何よりも大切です。
一般的にはエビを模している事が多く、無防備な甲殻類を意識しながら使用すればその高い実釣性能を存分に発揮してくれるでしょう。
釣れるともっぱらのウワサで注目される沈む虫系ワーム、注目されるのにはそれなりの理由があります。
本気を出した沈む虫系ワームの圧倒的な実力を皆さんもぜひ体感してみて下さい!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


