釣行記&雑記 PR

魔法のスピナーベイト

皆さんには思い出深いルアーはありますか?

長期間ボックスの片隅に陣取っていて、今では使う機会もほとんど無いけれど、たくさんの思い入れや実績があって何となく取ってあるボックス内のお守り的存在。

私にはあります。

今日はそんな不思議なルアー。魔法のスピナーベイトのお話を1つ。

当時のスピナーベイト御三家といえばスタンレーのバイブラシャフト(画像のスピナーベイト)とブルドックのスピナーベイト、ボッシュのスローローラーなどが有名ですね。

同時に当時のお気に入りスピナーベイトはドラゴンルアーズのスピナーベイトやメガバスのV-3ミッジなどリアル系ヘッドのスピナーベイトでした。ロストが怖くてなかなか使えませんでしたが(笑)

そのスピナーベイトと出会ったのはかれこれ20年近く前。私がまだトーナメントの世界にどっぷりハマり込む前になります。

当時は霞ヶ浦水系に毎週欠かさず通っていました。

その頃の私は「スピナーベイトに重要なのはトレースコース!!」ルアー自体の性能は関係無い!という危険な思想と根拠のない考えのもと、コストパフォーマンスの高いスピナーベイトを愛用していまいた。今思い返せはかなりサイコパスな持論ですが、20年前の霞ヶ浦水系はそれでも時々遊んでくれるバスがいるほど豊かなフィールドでした。

コストパフォーマンスが高いスピナーベイトといえばボーマーのブッシュワーカーが有名ですね。安くてもしっかりと基本を詰め込んだ作りは当時大変お世話になりました。

そんな「質よりも数」の考え方で良く狙っていたのはワゴンセールで見切り品となったノーブランド品のスピナーベイト。(1個300~400円位だったと思います。)上州屋のような大型の釣り具量販店や土浦のポパイなどでは時おりそのような叩き売りを開催していて、当時独身だった私は一回の買い物で20個ほどまとめ買いをしていました。

もちろん、お値段もそれなりなので品質も高いとは言えず、個体差も大きかったのですが、逆にまたそれが魅力的な部分でもあり、面白い事に50個に1個位の割合で「なぜか異様に釣れる」スピナーベイトがあったりします。

そのようなルアーは俗に”当たりルアー”と呼ばれ、時々出会ったりしていましたが、今回の主役はそんな当たりルアーの中でも圧倒的な実釣性能を持つまさに魔法のスピナーベイトでした。

今回の主役はおそらくは名作ブルドックをベースにしたコピー品と思われるコンパクトなスピナーベイト。あまりにも釣れすぎてワイヤーはヘロヘロでヘッドカラーやスカートは何度も交換しました。すでにメインフックのフックポイントはつぶれてしまっているのでアシストフックを付けないとバスを掛けることも出来ません。

このスピナーベイトの「異常さ」に気が付いたのは手に入れてから半年くらい経った時のこと。大量購入、大量消費時代を具現化したような私のスピナーベイトゲームは手に入れたスピナーベイトを片っ端から実戦投入し、短期間の間で結果を出せた優秀なモノだけが生き残れる過酷な現場でした。時には無謀とも思えるような実験の被検体となったり、思い付きのカスタムによって復元不可能になってしまうモノも多く、ほとんどのスピナーベイトが短命で、2ヶ月を過ぎても生き残るモノは数える程度、それこそ長期間ボックスに残るのは厳選された当たりルアーだけでしたが、このスピナーベイトは半年間以上もエースの座を守り、使えば必ず結果を残してくれました。

それから程なくして私はトーナメントの世界に足を踏み入れる訳ですが、このスピナーベイトに何度助けられたか正直わかりません。

「スピナーベイトはトレースコース」という乱暴な持論は、トーナメントの厳しい現実に直ぐに改められ、その頃には実績も基本性能も抜群な有名どころのスピナーベイトを使うようになっていましたが、タフタイムに試合を決めるような価値ある一匹をもたらしてくれたり、勝ちを大きく引き寄せるキッカーとめぐり合わせてくれる事が多かったのもこのスピナーベイトでした。

また、当時の私はスピナーベイトにアシストフックを付けない派でしたが、コンパクトスピナーベイトに限りアシストフックを付けるようになったのもこのスピナーベイトが原因。コンパクトがゆえに大きなバスには丸飲みにされる事が多く、何度も悔しい思いをしました。回収間際、ボートの縁で急に下から食い上げてきてフックアップ出来ず・・・なんて経験もたくさんしました。

スピナーベイトはその構造上、丸飲みにされるとアッパーアームが押しつぶされてフックポイントの上に乗っかってしまうのでまずフックアップ出来ません。

それからというもの「ルアーの力」で釣っているというような現状が嫌になった私は徐々にこのスピナーベイトを封印するようになっていきました。最近は暖かい日も続くようになり、本格的なシーズンインを前にボックス内を整理していたところ、このスピナーベイトが目に止まり少し泳がせてあげましたが結果はご覧の通り・・・

新しいロッドのテストに乗じて数キャストしただけですが、いまだその「魔力」は衰える事を知りません。

バス釣り歴だけは一人前に長く、中途半端な収集癖がある私。今まで当たりルアーと呼べるような個体には何度か出会って来ました。中にはいくらトゥルーチューンしても真っ直ぐ泳がないのに無駄に釣れるクランクベイトに出会ったりして困った事もありましたが、今回紹介したこのスピナーベイトの実釣性能はすでに当たりハズレの領域を超えてしまっています。

今後はこのスピナーベイトが釣れる理由を解明してみるのも面白いのかな?と思っています。すでに詳細なデータは図面に起こしてありますし、ヘッドデザインはもちろんのこと全体のディテールもシリコンで型を取ってあります。このスピナーベイトが持つ常軌を逸した実釣性能を再現出来るかはわかりませんが、自分の手でコピー、もしくは復元してみるのも楽しいかもしれませんね。

くだらないよもやま話に付き合って頂きました皆さんに有益な情報を1つ。

春先に強いルアーの代表格でもあるコンパクト・スピナーベイトですが、私のおすすめはノリーズのディーパーレンジ1/4oz


このスピナーベイトは毎年、3~4月頃になると高確率で50UPが釣れる実績の高いスピナーベイト。使い方のコツはバスが差してきそうなシャローフラットのエリアでロッドを立てて表層から60㎝位のレンジを出来るだけスローリトリーブするだけです。個人的にはワカサギカラーがイチオシですが、カラーは水の色を見て調整してください。だいたい丸飲みにされるのでアシストフックは必須です。


また、私が良く使うコンパクト・スピナーベイトの中でも年間を通して活躍するおすすめはプロズファクトリーの「プロズミニスピン」です。根掛かり知らずで巻くだけで釣れる高い完成度を持つ本気のミニスピンは、エリア一帯のバスを全て反応させてしまうような根こそぎ系スピナーベイト。私が誰かに「釣らせたい!」と思った時におすすめするこのスピナーベイトは、エキスパートの切り札としても有名な存在です。

スピナーベイトはヘッドとワイヤー、そしてブレードの組み合わせで性格の変わる奥の深いルアー。タフタイムでも実績を積み上げることの出来るコンパクトスピナーベイトを皆さんも爆釣祈願のお守りとしてボックス内に忍ばせてみてはいかがですか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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