元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回は日本国内のみならず本場アメリカでもその実力を認められた最強のトーナメントウエポンであるダイワのT.D.バイブレーションスティーズカスタムを実釣で使い込んできました。このハードベイトが持つその特徴と本当の実力を解説していきます。
Contents
T.D.バイブレーションスティーズカスタム(65S-W)のスペック
Length : 65㎜
Weight : 16.5g
Hook : サクサストレブル#6×2
カラー :5色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
T.D.バイブレーションスティーズカスタムの構造と外見の特徴
今回の主役であるT.D.バイブレーションスティーズカスタム(上)とオリジナルモデル(下)の比較。派生モデルと言う立ち位置ではありますが、ボディラインをはじめリアフック位置の変更など多岐にわたる変更は、もはや別物と言えるハードベイトに仕上がっています。
ここではT.D.バイブレーションスティーズカスタムの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
ヘッド形状
T.D.バイブレーションスティーズカスタムのヘッド形状は、しっかりとした平面を確保した直線的な形状となっています。最も効率良く水を受ける事ができる上にスイム姿勢を崩さない絶妙な位置にラインアイをセットし、オリジナルモデルよりもさらに直線的に、大胆な面取りを施されたヘッドデザインは、非常に水をつかみやすく少しの移動距離でもしっかりとアクションします。ボディウエイトやレングスに対し十分に水を受けるセッティングは、リフト&フォール時のアクションレスポンスを大幅に向上させおり、その動力性能は目を見あものになっています。
ヘッドの角度
T.D.バイブレーションスティーズカスタムのヘッド角度はオリジナルモデルと同じく他のバイブレーションと比べてしっかりとした角度がついており、確実に水をつかむセッティングが特徴的。レンジをキープしたままの小刻みなリフト&フォールでも確実に水を押してアピールするアクション特性は、少ない移動距離でも必要十分なアピール力を発揮。低水温期のタフタイムや縦ストラクチャーへタイトにサスペンドする端境期のセレクティブなビッグバスに対し、半ば反則級の効き目を持っています。
ボディ形状
オリジナルモデルと比較し、最も大きくリファインされた部分がこのボディ形状。リフト&フォールアクションに特化し、ボディバランスをリセットした上で大幅に変更したセッティングは、ラインテンションを完全に抜いたフリーフォール時でもトラブルを極限まで抑えて抜群のアクションとスイム姿勢を安定して引き出す事が可能となっています。また、T.D.バイブレーションスティーズカスタムはハイアピールな重低音のワンノッカーサウンドモデルとナチュラルで繊細なサイレントモデルをリリース。時期や状況によって使い分ければ、その戦闘力は何倍にも膨れ上がります。
T.D.バイブレーションスティーズカスタムの特徴と長所
現行のT.D.バイブレーションスティーズカスタム(上)と、その原型ともなったT.D.バイブレーションTYPE-R(下)。基本的な作りはほとんど一緒ですが、細かいディテールの見直しで、T.D.バイブレーションスティーズカスタムの方は劇的に使いやすくなっています。
ここではT.D.バイブレーションスティーズカスタムが持つ大きな特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
絶妙なアピール力を兼ね備えたシミーフォール!!
T.D.バイブレーションスティーズカスタム最大の特徴と言えば、抜群の使いやすさと安定感を兼ね備えたカテゴリートップクラスのシミーフォールでしょう。絶妙なトータルバランスとセッティングが生み出すキレのあるシミーフォールは、アピール力とフォールスピードのバランスに優れており、バスがリフト&フォールのような垂直移動に反応する状況下では年間を通して非常に効果的。シミーフォール特有の移動距離を抑えたハイアピールなアクションは低水温期や急激な水質変化によるタフコンデションにもめっぽう強く、水温の大幅な上昇、降下で発生しやすいオープンウォーターで中層サスペンドするセレクティブなバスを攻略する状況では、手返しの良さとアピール力と両立させた唯一無二のルアーとなります。
出典:グローブライド様
シミーフォールとはなんなのか?をわかりやすく解説した図。ハードベイトの存在感とアピール力を持ちつつ、木の葉のようにゆっくりユラユラとフォールする様は、セレクティブな多くのサスペンドバスをバイトに持ち込む事が出来ます。
リフト&フォール時の状況をつかみやすい使用感!!
T.D.バイブレーションスティーズカスタムが他のバイブレーションプラグと違い優れているもう一つの点と言えば、優れたインフォメーション能力と言えるでしょう。リフト時に見せるルアーの挙動はもちろん、ラインテンションをギリギリまで抜いたシミーフォール時でもルアーの姿勢や状態をイメージしやすく、ストラクチャーの大小や形状、位置、ボトムの質までも明確に伝える能力は他のバイブレーションプラグを大きく引き離しています。特にシミーフォールが活躍するような時はタフな状況にある事が多く、ストラクチャー周りをタイトに攻め込まなくてはならない状況やリフト&フォールの幅を意識し、積極的にルアーをコントロールしていかなくてはならない状況がほとんど。水中の状況をアングラーに伝える事の出来るこのルアーの特性は、さらに一歩踏み込んだゲーム展開を可能としています。
シリーズ共通の高い完成度!
リフト&フォールとシミーフォールでのアクションに特化した性能を持つT.D.バイブレーションスティーズカスタムですが、ベースとなるオリジナルモデルが、非常に優れたバイブレーションプラグであるため、通常のバイブレーションプラグとしても高い実釣性能と完成度を有しています。幅広いリトリーブスピードへの対応力と優れた直進性能、ウィードへのタッチ感と抜け感、ストレスを感じないスナッグレス性能や飛距離など様々な性能をバランス良くあわせもった作りはまさに圧巻のひと言。どの要素を切り取ってもトップクラスを維持する完成度の高さは、他のバイブレーションプラグには無いものと言えます。
T.D.バイブレーションスティーズカスタムの感想と使い方 まとめ
本文でも触れましたがリフト&フォールを織り交ぜ、シミーフォールでバスを狙うなら数あるバイブレーションプラグの中でも個人的このバイブレーションが一番優れていると感じています。シミーフォール自体が比較的新しいテクニックと言えるので、対応するバイブレーションプラグもそれほど無く、実戦で投入するアングラーさんは必ずしも多いわけではありませんが、T.D.バイブレーションスティーズカスタムが持つシミーフォールの完成度とアクションは他と比べて圧倒的。わざわざ他のモデルを使ってみようとすら思い浮かびません。活躍する場面はビッグレイクでのウィード攻略はもちろんのこと、低水温や何らかの要因でバスがスローでルアーを追えない時、初夏や晩秋などの端境期でバス自体にはやる気があるけど縦の動きにしか反応せず、広範囲に散ってサスペンドしてしまっている状況など、手返しの速さとハードベイトらしいボリュームとアピール力が必要な時にはこのハードベイトの出番。テンションの緩んだラインから伝わるワームの釣りさながらの”コツッ”としたバイトをとらえた瞬間、あなたはT.D.バイブレーションスティーズカスタムの並外れた実釣性能に気付く事が出来るでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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