元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回はTNシリーズの代名詞とも言える独自のO.M.S(アウトメタルシステム)を進化させ、傑作バイブレーションプラグのメリットをさらに引き出したメーカー渾身のカスタマイズモデル。ジャッカルのTN60TRIGON【トリゴン】を実釣で使い込んできました。このハードベイトが持つその特徴と本当の実力を解説していきます。
Contents
ジャッカル TN60 TRIGON【トリゴン】のスペック
Length : 60㎜
Weight : 18.5g
Hook : ST36MF フロント#6/リア#8
カラー :14色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
ジャッカル TN60 TRIGON【トリゴン】の構造と外見の特徴
オリジナルであるTNシリーズのファクトリーチューンドモデルと位置付けされるTORIGONの基本的なボディスペックとデザインは、オリジナルとほぼ同様。すでに高い総合性能を誇るオリジナルをベースとしたボディメイクはバイブレーションプラグに求められる性能を高次元で有しています。
ここではTN60TRIGONの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
ヘッド形状
TN60TORIGONのヘッド形状は、オリジナルと同じく大きな平面を確保した大胆な形状となっています。ボディバランスを考えたうえで絶妙な位置にセットされたラインアイを起点とし、スイム時に最大効率で水を受けやすくデザインされたフラットなヘッド形状は、超ハイスピードからデッドスローまで、幅広いリトリーブスピードでしっかりとアクションします。また、他のバイブレーションプラグと比べ、ややワイドな横幅を持つビジュアルは、物理的なスナッグレス性能が高く、複雑な地形変化や障害物周りを積極的に攻め込む事が出来ます。
ヘッドの角度
TN60TORIGONのヘッド角度は、大きく水を受けやすいややナローな角度が特徴的。外部ウエイトであるO.M.S(アウトメタルシステム)の恩恵である低重心化を最大限活かすスイム姿勢に対し、最も水を受けやすくパフォーマンスを発揮しやすいヘッド角度は、効率良く水をつかんで抜群のアクションとレスポンスを実現しています。
ボディ形状
最大の特徴でもあるO.M.S(アウトメタルシステム)をさらに進化させ、圧倒的な低重心化を果たしたTN60TORIGONのボディ形状は、オリジナルをベースとした形状となっています。バイブレーションプラグとしてほぼ完璧と言えるボディ形状は、やや幅広なワイドボディ形状と相まって水流を受け止めやすく、高いレスポンスを発揮すると同時に優秀なスナッグレス性能を両立しており、バイブレーションプラグとしての基本性能を大きく引き上げています。
ジャッカル TN60 TRIGON【トリゴン】の特徴と長所
TNシリーズ1番の特徴と言えば、高比重タングステン素材を使用した外部ウエイト、O.M.S(アウトメタルシステム)ですが、そのメリットを最大限に引き伸ばし、オリジナルとはまた違った特性を持たせたのがTORIGONシリーズと言えるでしょう。すでに完成度の高かったオリジナルと一線を画す性能は、様々なシチュエーションで威力を発揮します。
ここではTN60TRIGONが持つ大きな特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
離れたスポットを直撃出来る驚異の遠投性能!!
もともと高かったオリジナルのロングキャスト性能をそのままに、さらにウエイトをプラスして優れたボディバランスと低重心化を果たしたTN60TORIGONは、間違いなく同カテゴリーの中でNo.1のトップクラスのロングキャスト性能を持っています。誰もが手を出せない沖合いのピンスポットを正確無比に打ち抜ける圧倒的な遠投性能はまさに唯一無二と言える性能で、通常のバイブレーションプラグではエントリーしにくい立ち位置から距離のあるスポットや、ディープレンジをたやすく攻略しやすいところがTORIGON最大の特徴。この様なスポットに潜むバスは相対的にロープレッシャーである事が多く、スポットを十分にサーチする事さえ出来れば、たやすくバイトに持ち込む事が出来ます。
狙ったレンジを効率良くサーチ出来る優秀なレンジキープ能力!
ボディ底面にウエイトを一極集中し、クラストップの低重心化と安定性を手に入れたTN60TORIGONは非常にボディバランスが優秀ためレンジが安定しやすく、高いレンジキープ能力が特徴的。特にハイスピードリトリーブでの高いレンジキープ能力には目を見張るものがあります。また、ボディサイズに対して密度の高いウエイトを搭載したボディは、通常のバイブレーションプラグでは浮き上がりやすくなってしまうシチュエーションでもレンジキープしやすく、より深いディープレンジを効率良くサーチする事が可能となっています。
オリジナルを超える高いスナッグレス性能!!
ワイドなボディデザインとやや立ち気味のスイム姿勢、ボディ先端にウエイトを集中させた事によってヘッドからストラクチャーにコンタクトしやすいオリジナルモデルをベースに、改良したO.M.S(アウトメタルシステム)で幅広いボトム接地性能と安定性を確保したTORIGONはもはや最強と言えるほどの優秀なスナッグレス性能を持っています。進化したO.M.Sはボディを支える事が可能なため、操作次第ではボトムでの倒れ込みを制御出来るので、そのスナッグレス性能はオリジナルを凌駕するレベル。バスをストックしやすいゴロタやリップラップなどの地形変化をさらに大胆に、強気で攻め込める特性は、必然的に釣果を底上げしてくれます。
ジャッカル TN60 TRIGON【トリゴン】の感想と使い方 まとめ
オリジナルと同様の豊富なサイズラインナップもTORIGONの魅力。対峙するフィールドの状況やコンディションによってサイズを使い分けられるメリットはイメージ以上の効果があります。
「こんな乱暴にウエイト詰め込んだら、しっかり泳がないでしょ!?」
私がはじめてこのバイブレーションを目にした時のイメージはその様なものでした。決して前向きでは無いイメージが先行してしまったためか、リリースしてからもしばらくは手に取る事は無かったのですが、オカッパリゲームでは時として圧倒的なロングディスタンス性能が強力な武器となることが多々あります。TORIGONシリーズはその様な状況で他に替えの効かない唯一無二の存在であり、消極的だった私もこのバイブレーションを手に取るにはそれほど時間を要しませんでした。
実際に使い込んでみれば、当初イメージしていたネガティブな印象は直ぐに消え去り、その実釣性能と高い効果にオカッパリゲームでは欠かせない存在となりました。オリジナルと同じくしっかりとキレのあるアクションをベースに、狙ったスポットからディスタンスを取り、じっくりとゲームを展開する手法はアングラーの多いメジャーフィールドほどその威力を発揮します。ルックスに好き嫌いが別れやすいTORIGONですが、この機会にぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか?きっと戦略の幅が何倍にも、何十倍にも広がるハズです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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