当ブログを立ち上げた当時から読んで頂いている方は良くご存知だとは思いますが、私は基本的に何でも釣る「ジャンクフィッシャーマン」です。もちろん、本職はバス釣りですが、ソルトウォーターでのキャスティングやジギング、シーバス、ワイルドトラウト類やヘラブナ、ワカサギ、果てはトノサマバッタまで面白ければ何でも釣るのが私のモットー。ここ数年は秋から春に掛け、小さな淡水魚をターゲットとした【小物釣り】をする機会が増えており、個人的にひっそりと楽しんでいました。以前まではバス釣り以外の釣行記を出来るだけ見送って来ましたが、「バス釣り以外の釣りも記事にしなさい。」というありがたい要望を数多く頂くようになったので、今回は今秋初の小物釣りの内容をお伝えしようと思います。皆さんのお暇潰しになれば幸いです。
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2021/09/24 小物釣りのフィールドデータ
当日の空模様。9月後半になっても気温は30℃近くありますが、空は秋らしくずいぶん高くなって来ました。今日は少しづつ天気も下り坂との予報なので期待が持てます。
当日のフィールドデータ
2021/09/24 11:00~13:00
天候:晴れのち曇り 前日は晴天
気温:29℃ 前日より1℃低下
水温:25℃ 前日と同じくらい?
水質:平常
水量:ピーク時より70㎝程減水
風 :ほぼ無風
私の住んでいる地域では非常に稲作が盛んです。至る所に水路が張り巡らされ、必要な水量を潤沢に供給する背景には様々な生態系が築き上げられますが、9月を過ぎて稲の生育も1段落すると本湖からの水の供給はストップし状況は一変します。末端の水路は水が枯れ、そこで暮らしていた魚達は少しずつ住む場所を求めて移動を繰り返すので結果的に魚の集中する場所が限られやすく、小物釣りに絶好の時期を迎えます。
今回使用したタックルの紹介
ここでは今回使用したタックル類を紹介します。どちらかというとちょっとした息抜きで楽しんでいる部類の釣りになりますが、こだわっている部分も少なからずあります。
竿(ロッド)
今回使用した竿は友人が店長を務める釣り具量販店で駄々をこね、ほとんどタダ同然の格安価格でゲットした5尺(1.5m)の振り出し竿。この手の釣りでは使う道具のディテールにこだわり、機能と同時に所有感を満たすアイテムが一流とされていますが、私の様な邪道釣り師には、この位で十分です。
仕掛け(リグ)
仕掛けも一般的に売られているタナゴ仕掛けを少しアレンジして使っています。昔はこだわって手作りしていた時期もありましたが、手間やコストを考えると買った方が早いです。小さな魚達のアタリは小さく、とても繊細なので仕掛けにも繊細さが求められます。メインのウキ下に連なる「目印」も小さな変化を感じ取るための必須アイテムと言えるでしょう。
針(フック)
エサ釣りではルアー以上にハリも重要となるアイテム。ハリの形状や大きさ、ハリス(リーダー)の長さ、太さでも大きく釣果が異なります。特にこの釣りは1匹のサイズよりも「数」を優先する釣りなので私は手返しの良さと刺さりやすさを優先してスレ針(バーブレスフック)を愛用しています。小さな口にもフックアップしやすくハリを外しやすい形状は魚へのダメージも最小限で済みます。
エサ
エサはヘラブナ釣りで多用されるグルテン系のエサか、市販されているタナゴ用のエサをメインで使用します。一時期は自分で作ったり、ミックスしたりして使ったりしていましたが、この釣りではエサそのものの違いが直接釣果を左右する事が少ない様な気がしているので、意外と適当に使っています。画像に写っている3種類のエサが、私が良く小物釣りで使うエサですが、優先しているのは何よりも使いやすさ。3種類ともニオイや粘り方、バラケ方が少しずつ違うので、魚の濃さや水の色、魚からの反応を見て多少使い分けしたりしますが、深く考えたり理論的に突き詰めたりはしていません。
小物釣りで釣果を伸ばすコツ
どんな釣りにも、釣果を伸ばすにはちょっとしたコツがありますが、ここでは釣行を通してでしか獲得出来ないような釣るための「コツ」をちょっとだけ紹介します。
今回使用した仕掛け。小さな魚からの繊細な反応をとらえるため、仕掛けはやや専門性の高いモノになっていますが、しっかりとバランスの取れた仕掛けを使うことも釣果を伸ばすために重要な要素の1つです。
釣果を伸ばすコツ① タナ取り
先ずは狙うタナ(レンジ)に仕掛けを合わせる事が釣果を伸ばすための第一歩となります。
この釣りは基本的にボトムを狙う釣りですが、ラインのたるみが多すぎると小さい魚からの繊細な反応を取り逃がしやすくなるのでウキから下をレスポンス良く反応し、バイトが分かりやすくなる長さに調整します。また、状況によってはボトムにエサをつけない方が反応しやすくなったり、フォールするエサにバイトが多発する事も良くあります。そのような時はいつもよりウキ下を短くしてみたり、ハリス(リーダー)を長くしてみたり、バイトの出方や回数を見て仕掛け全体を微調整していきます。
釣果を伸ばすコツ② エサの作り方
エサは少しずつ作るのがコツ。出来上がったエサは時間が経つにつれてどんどん水分が蒸発し固くなっていきます。また、バラケを抑えるために練り込んだエサをもとに戻すのは不可能なため、1時間程度で使い切る量を作ってその時その時の魚の反応に合わせて手直しする方が結果的に釣果が伸びてきます。
釣果を伸ばすコツ③ エサの付け方
また、この釣りで一番釣果が変わるのは「エサの付け方」だと感じています。同じように練りエサを使うヘラブナ釣りでもエサの大きさや付け方で釣果が大きく変わりますが、基本的には下記の2通りをメインに、状況に応じて微調整します。
釣り開始時はエサを大きめに、ラフに付けてバラケやすくします。エサを落ちやすくする事で手返し良く狙ったポイントにエサをまいて、魚を集めます。ルアーで言えばアピール力を上げて周囲に散らばる魚にエサの存在を気付かせる段階です。
魚からの反応が出てくるようになったらエサを小さく、しっかり付けてエサを落ちにくくすると同時に食わせやすくします。魚が集まってくると水中ではエサの取り合いが発生し、エサへの体当たりやミスバイトが発生しやすくなります。そうなってくると食わせる前にエサをハリから落とされたり、エサだけ取られたりしやすくなるので小さくしっかり付ける事で食わせやすくし、明確な喰いアタリ(バイト)を出しやすくします。
実釣開始
今回釣りをした水路。壁に着いた水位跡を見れば稲作終了後の劇的な減水が良くわかるでしょう。水深はMAXでも40㎝程度しかありませんが、たくさんの生き物がここで冬を越します。ここ以外にもこの近辺には同じ様なポイントをいくつか知っていますが、面白いのはこれらの水域にはバスやブルーギルが全くいません。(ライギョやナマズはいます。)もちろん、接続している本湖にはバスもブルーギルもいますが、水のつながり自体はあってもここまでプロテクトされている水域は珍しいと言えるでしょう。
今回は集魚効果とエサ持ちに優れ、小物釣り愛好家の間でも使用率の高い野釣りグルテンを使用。オーソドックスでバランスの取れた特性は釣り場や魚種を選ばず、安定した釣果を約束してくれます。
さてさて、前置きが長くなりましたが実釣開始。エサを打ち始めて10分ほどは反応が無く、「もしかしたら釣れないかも・・・」と一瞬不安になりましたが群れが入ってきたのか魚が集まってきたのかポツポツと反応が出始めます。
待望の一発目は立派なホンモロコ。琵琶湖特産のこの魚は日本産コイ科の魚の中では最も美味と言われており、関西では高級魚として料理店で使われるほど。ちなみに琵琶湖産の天然物は1㎏4000円が相場になっており、塩焼きや甘露煮、天ぷら、寿司だねに利用されています。
しかしながら、今回のメインはわが家のナマズ様に献上する「生け贄」狙い。最も生け贄に適しているのは7~8㎝程度のコブナなのでさらなる釣果を目指して釣りを続けます。
とにかく今日はホンモロコの反応が良く、状況によっては1キャスト1フィッシュ状態が続きますが、10匹に1匹の割合で本命のフナが掛かります。非常にアグレッシブで明確なバイトがウキ下の目印に伝わるホンモロコに対し、フナのバイトは少し目印を動かす程度の控え目なモノで、集中していないとバイトを取り逃がしてしまいすが、バイトを見てフッキング前に魚種を判断出来るので、出来るだけホンモロコのバイトを見送ってフナのバイトを集中して取りに行きます。
しかしながら、ボトムを取って長時間放置しすぎると、もの凄い勢いでお呼びでないゲストが登場します。ズルズルと仕掛けを横に引っ張っていく独特のバイトは、出来れば竿を上げたく無いくらいですが放っておくと仕掛けをグシャグシャにしてしまうので早急に回収し、お帰り頂きます。
今回の釣行では、はぐれメタル並みの討伐率ですが鯉っ子も何匹か遊んでくれました。ナマズのエサにするには大きすぎるので直ぐにリリースしましたが、メインのウキを消し込むほどの強烈なバイトと、フナとはまた違うトルクフルな引きは釣り物として最上級に楽しい相手です。
今回1番の大物であるマブナ(たぶんキンブナ)。水温がまだ高いからか、思っていた以上にサイズが大きめな個体が多かったのですが、このサイズですでにしっかりとした体高を持つ美しい魚体は将来が非常に楽しみな1匹と言えるでしょう。
釣りを続けて非常に興味深かったのは水深が浅いためか、魚達が人の気配に対してとても敏感だった部分。周囲では農作業をしている方や冬に向けて街路樹の手入れをしている方がたくさんおり、釣りをしている私に話しかけようと水辺に立つと、今まで入れ食い状態だった魚達からの反応がピタリと止まります。再びバイトが出始めるのにも時間が掛かりるところを見ると上空から迫りくる鳥を警戒しているのかもしれませんね。また、風や光量、濁りによっても明らかにバイトのアグレッシブさが変わる部分を見ると、水深が無いクローズドエリアだからこそ外的要因に大きく左右されるのではないかと感じました。実際に今日は晴れたり曇ったり、風が吹いたり止んだりのコンデションでしたが、晴天無風の状態ではバイトの頻度や強さが目に見えて変わりました。この様な状況や条件をいち早く察知し、対応する事が出来ればもっと釣果も伸びたと思いますが、今回の反省と復習はまた次回にとって置こうかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今日の釣果はホンモロコ33匹、フナ6匹でした。鯉全部とオーバーサイズのフナ、小型のホンモロコやクチボソ、タナゴは全てリリースしてきましたが、ちょうど2時間のご近所釣行は個人的に非常に満足の行く結果となりました。
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