皆さんが現在使用しているロッドはマイクロガイドを搭載していますか?
最近マーケットに出回っているロッドのほとんどがマイクロガイドを搭載しています。
マイクロガイドを初めて搭載したのは、アメリカのキスラーというロッドメーカーで、当時ロッドの製作に何かしらの形で携わっていた人間達の間でとても話題になりました。
しかしながら、キスラーの製作したマイクロガイドはまだまだ未完成の部分も多く、そのままではデメリットも多いガイドセッティングだったと記憶しています。
その頃はちょうどベイトフィネスという新しいスタイルが確立したばかりの時期で、各メーカーはマイクロガイドのデメリット打ち消すため、様々な工夫と試行錯誤をしながらこぞってマイクロガイドを搭載したベイトフィネスロッドをリリースしました。
ベイトフィネスの登場という後押しもあって、マイクロガイドという新しいガイドセッティングは一気に私たちの身近な存在になりましたが、あまりにも急激に浸透してしまった為かマイクロガイドのメリット、デメリットを知らないままに使用している方も多いようです。
そこで今回は、今では私たちのバス釣りシーンに無くてはならない存在となったマイクロガイドのメリットとデメリットを解説してみたいと思います。
Contents
マイクロガイドのメリット
では、マイクロガイドの具体的なメリットとはどんなものがあるのでしょうか?ここではマイクロガイドのメリットをご紹介します。
マイクロガイドにはたくさんのメリットが存在します。
ロッドが軽くなって感度が上がる
マイクロガイドは通常のガイドと比べて、とても小さいのでロッド全体の軽量化につながります。ロッドは軽くなれば軽くなるほど感度が上がります。
その上、マイクロガイドは一つ一つがとても軽いので通常のガイドと比べて多く搭載する事が出来ます。
通常よりもガイドの数が多いという事は、その分ラインとガイドが接する面積も増えるため感度の向上にも貢献します。
ロッドのパワーを引き出せる
先ほども解説しましたが、マイクロガイドは通常より多くのガイドを載せる事が出来ます。
ガイドを多く載せられるという事は、よりラインとブランクを追従させる事が出来ます。
そうすることで本来曲がるべきブランクが、よどみなく曲がるようになって、しっかりとロッドのパワーを伝えることが出来るようになります。ロッドブランクのパワーロスを最小限に出来るという事は大きな反発力が生まれるので、結果的にそれがルアーを遠くに飛ばすことにもなります。
操作性が上がる
マイクロガイドの採用でロッド全体が軽くなると、感度の他にもロッドの操作性も上がります。
今までボヤッとした操作感だったものがシャキッとシャープな印象になる事が多く、繊細な操作が必要なスピニングタックルやベイトフィネス、ヘビキャロやヘビダンなどのワーミングの釣りで使用すると、今までとは別次元の操作性と感度を手に入れる事が出来ます。
バットガイドは大切。バットガイドが極端に小径のモノの時は気を付けましょう。
マイクロガイドは飛距離が落ちる・・・という話を聞く機会が多いと思いますが、実際には旧ガイドシステムとほとんど変わらないか、今では以前よりもむしろ飛ぶようになっています。
ガイドの小径化は一見すると、キャスト時にライン抵抗が増えて飛距離が落ちそうなイメージがありますが、今はマイクロガイドの登場で昔のガイドセッティングの理論と根本的な部分が変わってしまった為、現在ではマイクロガイドのセッティングの方が有利な状況が多くなりました。
ただし、マイクロガイドが登場したばかりの時に作られたロッドの中には、ガイドセッティングがおかしなものも存在します。
バットガイド(リールに一番近いところのガイド)が極端に小径なものは、何かしらの性能に特化している可能性があるのでしっかり見極めましょう。
バットガイドはある程度の大きさがあるものを選びましょう。
このRVガイドはベイトフィネスのバットガイドとして作られた経緯のあるガイドです。
マイクロガイドのデメリット
メリットがあれば当然デメリットも存在します。ここではマイクロガイドを採用する際に知っておきたいデメリットを紹介します。
キャスティングが少し難しくなる
マイクロガイドは軽量な為、ウエイトの軽いルアーなどをキャストする時に十分のロッドが曲がり切らない事があります。
特にクランクベイトなどの空気抵抗が大きい割にウエイトが軽いルアーの場合は大きく振りかぶってロッドを曲げても、復元も早くなってしまうのでラインのリリースポイントがシビアになりがちです。キャストに少しコツが必要になってしまう為、ガイドを変更する時は一度ガイドを仮止めしてから相性を確認するようにしましょう。
ブランクとラインのクリアランスが狭くなる
マイクロガイドはガイドの足が低い為、通常のガイドよりもブランクにラインが接触する可能性が高くなります。
ブランクとラインが触れてしまう状況はロッドがかなり捻じられている状態なので、ロッドの性能が著しく低下する他に、破損にもつながりかねないのでしっかりとしたガイドセッティングをするようにしましょう。
中にはメーカーがリリースしているロッドであっても、絞り込まれた時にブランクとラインが接触するようなセッティングの物があります。
極端にコストパフォーマンスが高いのに、マイクロガイドや新型のリールシートなど、高級な装備のロッドは注意して下さい。見た目だけで性能が伴ってない場合があります。
こんな時はマイクロガイド
マイクロガイドの特性とメリットを考えると、スピニングタックルやベイトフィネスなどの繊細な釣りで真価を発揮しやすいですね。その他にもテキサスリグやラバージグなど、ロッドでルアーを操作する釣りではシャープな操作感や感度といったメリットを最大限に活かせると思います。
マイクロガイドのメリットとデメリットまとめ
ノリーズの名竿ロードランナーは、敢えてステンレスガイドを採用しています。
こうして実釣性能第一主義で作り込まれたロッドはとても素晴らしい性能を発揮してくれます。
マイクロガイドのメリットとデメリット、今回は代表的なものを簡単に解説しました。
マイクロガイドは守備範囲がとても広く、万能ですが、完璧ではありません。
日本で作られているロッドやルアーはまず”モノありき”なものつくりが多いので、新しい技術や手法が出回ってしまうと性能は二の次でこぞって採用する傾向にあります。
今ではほとんどのロッドで採用される程のシェアを誇るマイクロガイドですが、
釣り方や使うルアー、組み合わせるブランクによっては昔ながらのステンレスガイドの方が結果的に高性能になる場合も多々あります。
ロッドを選ぶ時はしっかりと使い道を決めてから選ぶと、良いロッドと出会える確率も上がります。自分の中で情報を整理してからロッドを探してみましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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