シンキングチューンでオッカパリに必要なキャスタビリティーを強化!
独特なフラッタリングとレンジキープ能力が武器の異質なクランク!
ちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回はオッカパリアングラーから絶大な支持を受けるレイドジャパンリリースのシンキング・クランク、レベルクランクの特徴と性能について解説していきます。
Contents
レベルクランクのスペック
Length : 50.8㎜
Weight : 3/8oz
スローシンキング
Hook : フロント#10 リア#8
カラー :13色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
レベルクランクの構造と外見の特徴
ここではレベルクランクの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
レベルクランクのリップは、ボディサイズと比較してやや小さめなラウンドリップとなっています。
特徴的なのはかなり攻めたセッティングで薄く作られており、強度的な面でギリギリの構造。これは水を受ける面の小さいリップでシンキングの重いボディをしっかりアクションさせるためのセッティングですが、肝心の障害物回避性能はそれほど高くありません。
レベルクランクのような浮力の弱い&水平なスイム姿勢のクランク場合、障害物回避性能を上げるにはリップをもっと大きくして物理的にスナッグレス性能を上げるしかありませんが、トータルバランスを考えれば、この辺りがセッティングの限界でしょう。
リップの角度
レベルクランクのリップ角は、通常のシャロークランクとほぼ同じような角度となっています。小さめなリップながらもしっかりと水を掴む角度のリップはイメージ以上にウォブリングメインのアクションでクランクらしい水押しとアピール力があります。
ラインアイはリップから少し離れていますが、ノーズアイのセッティング。リップで受けた水の抵抗をアクションに変換しやすい設定は、通常のクランクよりも重いボディをしっかりとアクションさせる事が出来ます。
潜行レンジは約60~80cm。早く巻いてもスローに巻いても同じレンジをキープしやすく、少しの時間ならステイも可能な特性は、このクランクきっての個性と言えるでしょう。
ボディ形状
通常のクランクと同じく、ファットなボディデザインを持つレベルクランクは、ボディのたくさんのギミックを持っています。
通常のクランクが丸みを持ったデザインなのは浮力を稼ぐ目的があるからですが、シンキング設定のレベルクランクはあえて通常のクランクと同じボディ形状とする事でクランクらしい水押しとアピール力を手に入れています。
丸いボディは当然空気抵抗も大きく、キャスタビリティーに影響が出ますがレベルクランクはリップを小さくする事でこのクランク最大の特徴であるキャスタビリティーを確保。リップを小さくした事で下がった障害物回避性能はフロントフックを小さくする事でバランスを取っています。
キャスタビリティーを優先したシンキング設定ながらもファットなラウンドボディを採用した理由には、このクランクならではの個性をしっかりと発揮させるためです。浮力を切り捨てたからといってキャスタビリティーを優先するあまりボディを小さくしたり、フラットサイドにしてはシャッドやバイブレーションと変わりません。あくまでも「クランク」であるという主張がこのボディには詰まっています。不自然に小さいフロントフックにも最大限の工夫の結果なんですね。
レベルクランクの特徴と長所
ここではレベルクランクが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
シンキングチューンによるクラストップのキャスタビリティー!
まるでバイブレーションのような圧倒的なキャスタビリティー性能!レベルクランク最大の特徴はなんといってもこれでしょう。
イメージしているナナメ上を行くロングキャスト能力は、はじめてレベルクランクをキャストすると本当におどろきます。ファーストムービングのハードベイトにとって非常に優秀なロングキャスト性能は距離の遠いスポットを攻められる部分や、ワンキャストで広範囲をサーチ出来る部分でメリットも大きく、キャストする姿勢やポジションに制限があるオッカパリゲームでは圧倒的なアドバンテージとなるでしょう。
水中で止められるスローシンキング設定!
レベルクランクと通常のクランクで大きく違う特徴のもう一つはクランクなのにシンキング設定という部分。公式ではスーパースローシンキングとなっていますが、だいたい1秒間で10㎝位潜り、思っている以上に早い沈下速度です。
「フックの重さで沈む」という表現が本当にピッタリで、フロントフックがボトムにタッチすると止まります。という事は、このクランクはフックを交換するとかなり特性が変化し、セッティング次第では一定のレンジをクランクのアピール力を持ったままスローに誘うことも可能。シチュエーション次第では爆発的な威力を発揮出来る実力を秘めています。
リトリーブを止めた時に見せる独特なフラッタリングアクション!
レベルクランクはリトリーブを止めるとボディをよじらせ「ブルンッ」とロールアクションを発生させます。このフラッタリングアクションは通常のクランクでも発生しますが、レベルクランクの持つ「リトリーブを止めてもレンジをキープ出来る特性」と非常に相性が良く、バスがスローな状態や早い横の動きに反応しきれないタフな状況でバイトに持ち込める強力なメゾットとなります。
特に晩秋や初冬など朝夕で水温の変化が大きく、バスの活性がいちじるしく低下しやすい時期にこの手のアクションはとても効果的。タフな状況になればなるほどレベルクランクの持つ独特な特性は有効となるでしょう。
レベルクランクの感想とまとめ、使い方
クランクなのに沈むレベルクランクはメリットデメリットが非常にハッキリとしたクランク。バイブレーションやシャッドには無いアピール力を有効に使いながら、様々なスピードでシャローレンジを攻略する事がレベルクランクが最も実力を発揮するシチュエーションとなります。
高い浮力とリップによる物理的な力で根掛かりを回避し、カバー周りを攻略シャロークランクの定説を根底からひっくり返したレベルクランク。あえてのシンキング設定はこだわりのキャスタビリティー性能と水平でナチュラルなスイム姿勢、クランクらしいアピール力特化しながらも、様々な性能を切り捨てた非常に個性的なクランクベイトです。
実際に使う前までは「シンキングのクランクなんて使い物になるワケが無い」と思っていましたが、ある一定の条件下では非常に有用性を感じています。
例えば春先のプリスポーン攻略。
個人的には春先のコールドウォーターや初冬のシャロー攻略など、サスペンドするクランクの有用性を強く感じるシーンが多々あります。
この時期は広大なシャローフラットをアピール力の強いハードベイトで攻略する事が定番で通常であればウィグルワートなどのスローに引けてアピール力が強いクランクがメインとなりますが、春先という時期は水温も不安定で状況によってはバスがルアーを追いきれない事もあります。
この様な状況では水中で止められるジャークベイトやシャッドなどにローテーションするのが一般的ですが、ジャークベイトやシャッドではアピール力も弱く、エリア一帯をサーチするのに時間がかかることもしばしば。こんな時にレベルクランクの持つアピール力とスローなバスに対応できる止められる特性は非常に強力でしょう。
春先以外にも同じ様な状況は年間を通してたくさんあります。
イメージしている以上にスナッグレス性能が低いので、正確なレンジコントロールが必要な部分があるクランクですが、使い手や出しどころ、シチュエーションによって実力がガラリと変わる特性は非常にハイリスク、ハイリターン。状況把握やルアーコントロールのスキルが求められますが、このクランクが活躍するシーンを思い浮かべる事が出来ればその実力を存分に引き出すことが出来るでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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