固定重心による高いレスポンスと浅い潜行角、控え目なアクション・・・
しっかりとした作りは使い方が重要なシャッド系クランク!
レイドジャパンのルアーは外見が上品なのでつい買ってみたくなるミーハーなちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回はシンキングチューンで世間を騒がせたレベルクランクの第二弾!年間を通して活躍するミッドランナー仕様のレベルクランクMIDにフォーカスし、このクランクが持つ特徴と性能について解説していきます。
Contents
レベルクランクMIDのスペック
Length : 59.5㎜
Weight : 3/8oz
フローティング
Hook : #6×2
カラー :12色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
レベルクランクMIDの構造と外見の特徴
ここではレベルクランクMIDの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
レベルクランクMIDのリップはラウンドリップを基本としながらも、カタパルトリップという特殊な構造を持ち、潜行角を浅くして必要以上に潜らせない作りになっています。独特な形状のカタパルト部が、リップに受ける水流を的確に捉え、ボディが立とうとする力を抑え込むため潜行角を浅く保つことができます。
リップ自体の特徴としてはワイドで広めな先端で水を掴み、根元部分は細くする事で水抜けを良くしてあるので、アクションはクランクベイトらしいウォブル主体ではあるものの、非常にタイトでピッチも早め。クランクベイトというよりはシャッドに近い特性を持つアクションと言えるでしょう。
リップの角度
出典:レイドジャパン様
レベルクランクMIDのリップ角は水平に近く、最近主流となっているナチュラルアクションでハイピッチなミッドランナーらしい角度となっています。
ラインアイはリップのほぼ中央となっていますが、特徴的なカタパルトシステムのおかげでしっかりと水を掴みつつも潜りにくい設定で、水平姿勢をキープしたままアクションする事が可能です。
潜行レンジはフロロ12LBラインで約1.5~1.8m前後。オッカパリゲームでも年間を通してキーとなる2m前後のレンジを巻き切れるスペックは非常に強力ですが、水平に近いスイム姿勢はクランクとしてのスナッグレス性能は低く、思い切りストラクチャーを攻め込めないデメリットも存在します。
ボディ形状
出典:レイドジャパン様
通常のクランクと比べ、ややスキニーでシャッドライクなシルエットをを持つレベルクランクMIDは、ボディのたくさんのギミックを持っています。
特に特徴的なのは内部構造に取り入れた竜骨リブと呼ばれる構造。
オリジナルのレベルクランクやレベルシャッドで実績のある竜骨リブは、ボディ強度を確保しながらもボディ内壁厚を極限まで薄くシェイプすることで、ハードベイトに必要な浮力と強度を両立。浮力の増大によってメインウェイトの重量も大型化し、固定重心ながらもオッカパリに大切なキャスタビリティーを確保してルアー自体のレスポンスアップに貢献しています。
レベルクランクMIDの特徴と長所
ここではレベルクランクMIDが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
バイトを誘発する水平なスイム姿勢!
スナッグレス性能や力強いウォブリングなど、クランクベイトとしての基本とも呼べる性能を大胆に切り捨てて得た水平なスイム姿勢は、レベルクランクMIDの一番の特徴でもあり、武器と言えます。
特に通常のクランクが苦手とする水がクリア気味な状況や、バスをバイトに持ち込むきっかけの少ないオープンウォーターではとても効果的。レベルクランクMIDの持つややタイトなナチュラルアクションとシャッドライクなシルエット、そして水平な姿勢はただ投げて巻くだけで難易度の高めなクルーズ系のバスをもバイトさせる事が出来ます。
リトリーブスピードに対する幅広い適応能力!
基本アクションはクランクベイトらしいウォブリングとしながらも、ややタイトでハイピッチなアクションを持つレベルクランクMIDはレスポンスとボディバランスが高く、スロー~ハイスピードリトリーブまで幅広い巻きスピードに対応します。
フィールド状況やコンディション、魚の状態によって反応しやすいリトリーブスピードが変わるバス釣りとって、幅広い巻きスピードに柔軟に対応できる能力というのは優秀なクランクベイトにとって無くてはならない必須の性能。時として釣果を大きく左右するリトリーブスピードですが、レベルクランクMIDは独特な内部構造によって十分な浮力を確保した上に固定重心を採用しているのでどのような巻きスピードでもしっかり泳ぎ、どんな状況下でも安定した実力を発揮します。
思っている以上に飛ぶ!
レベルクランクMIDを使って一番最初に感じたのは「思っている以上に飛ぶ。」という事でした。当然、圧倒的なキャスタビリティー性能を武器とするハードベイトと比べれば飛距離は落ちますが、イメージしている以上に飛距離が稼ぎやすい特性は非常に好印象と言え、クランクのようなファーストムービングルアーにとって、サーチ能力に影響を与えるキャスタビリティーは最も大切なファクターの一つ。特に足場が制限されたり、プレッシャーの影響を受けやすいオッカパリゲームでは非常に大きなアドバンテージとなります。1回のキャストで広範囲をサーチ出来る特性は中途半端なキャストや捨てキャストも減るのでバスのバイト率にも大きく貢献し、ファーストインプレッションが重要なハードベイトにとっては欠かすことの出来ない性能。遠投によって今まで攻めきれなかったスポットを攻め込めるメリットや、ロングキャスト性能を活かし、ディスタンスを取ったアプローチは今まで獲れなかった一匹を引き寄せてくれます。
こちらはスミスのリリースする往年の名作クランク「ディプシードゥー」。はじめてレベルクランクMIDを見た時、どことなく似ている感じがしました。特性的な部分も近く、プレッシャーが高めだけどシャッドやタイニークランクではアピール不足な状況では今でも無敵状態となる名品ですね。
レベルクランクMIDの感想とまとめ、使い方
このクランクが持つカタパルトリップは水平なスイム姿勢をキープ出来ますが、飛距離を優先するために小型化したリップは水平姿勢はスナッグレス性能が落ちるデメリットもあります。個人的にはカタパルトの部分をヤスリで削り、あえて角度のついたスイム姿勢にしています。
最近ではシャッドとクランクベイトの中間的な存在のシャッディングクランクがたくさんリリースされていますが、今回紹介したレベルクランクMIDもそんなシャッディングクランクの1つと言えます。
非常に特徴的なのはそのスイム姿勢で、このクランクが持つアクションやシルエットを活かせるセッティングとなっていますが、スナッグレス性能がとても低く、個人的にはこの部分が最大の弱点になっています。
似たようなセッティングのクランクにワイルドハンチがありますが、このクランクも潜行角度が浅く、アクションはタイト。攻めるレンジも近いですが、レベルクランクMIDと違うのはリップが大きく物理的なスナッグレス性能が高い部分で、レベルクランクMIDも水平なスイム姿勢にこだわり過ぎずにリップに仕事をさせればベストセラークランクに肉薄するハードベイトになっていたかもしれません。
でも、それではレベルクランクMIDが「レベルクランクMID」であるという個性が無くなってしまうかもしれませんね。あえて水平姿勢にこだわったところがレベルクランクMIDが他のクランクと差別化出来る個性ともいえますし、そのこだわりこそがレイドジャパンの男気という事でしょう。
スナッグレス性能が低いと言ってもちょっとしたゴロタやリップラップなどは攻略出来ます。集中してリトリーブすればけっこうな沈みモノもスタッグする直前に回避出来ますが、そんな気の張ったキャストは出来ても1,2投ほど。リトリーブスピードにこだわり、素直にオープンウォーターや根掛かりの少ないハードボトムを狙った方が確実にスコアアップできるでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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