一定のレンジてステイさせる事が出来るジャークベイトは低水温期やタフタイムにクオリティーの高いバスをバイトまで持ち込める方法として有名です。特に晩秋や早春はバスがワカサギなどのベイトフィッシュを偏食している事が多く、ジャーキングの釣りを上手く当てはめることができればコンディションの良いバスを立て続けにキャッチする事も可能です。
ジャークベイトの釣りはアングラーのロッドワークによるアクションがとても重要な釣りなので、質の良いジャークを続けられるかどうかが直接釣果に結びつくファクターとなります。いかにストレスなくこの釣りを継続出来るかが成功させるカギとなり、バランスのとれた使いやすいタックル選びが非常に重要となっています。しかしながら、ジャークベイトは強力なメゾットにも関わらず専用のロッドがほとんど無いので、今回はそんなジャークベイトの性能を上手く引き出すためのロッド選びを解説してみようかと思います。
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良いジャークベイトロッドを選ぶ上での必須要素
まず最初に知って頂きたい事。ジャークベイトと相性が良いロッドにはどうしても外せない必須要素が3つあります。専用ロッドのリリースが少ないジャークベイトはバーサタイル性の高いロッドで扱われる事が多いですが、以下の特性をしっかり満たしているか確認しましょう。
ロッドレングス
ジャークベイトロッドに求められる性能はいくつかありますが、最も大事なのがジャークのしやすさで、そこに直結するのはロッドの長さ(レングス)です。
レンタルボートで扱うなら長くても6.4ftまでが望ましく、オカッパリでも同程度の長さが快適に扱える限界に感じます。体格や足場の高さにもよりますが色々試した結果、これ以上長いロッドではジャーク時のロッド角度に気を使わなくてはならず、シチュエーションによっては水面を叩いてしまったり、足元までアクションさせられずにジャークベイト本来の性能を上手く引き出せなくなってしまいます。
思い通りにアクションの強弱をつけられる操作性
ジャークベイトはアングラーのジャークした力が水中のジャークベイトに伝わって単純にダートすればOKというわけではありません。ロッドワークで作り出すジャークの強弱からダートの幅までもコントロールしやすいロッドで、なおかつ適度なラインスラックを出しながらも水中でジャークベイトを意のままに操れる操作性が必要不可欠となります。
キレのあるダートを生み出すロッドのテーパーとパワーのバランス
ジャークベイトに命を吹込み、生命感溢れる魅力的なダートをさせるにはロッドのテーパーとパワーのバランスが大切です。一番気を付けたいのはロッドのパワー不足。ロッドが柔らか過ぎるとジャークした時の力がロッドに吸収されてしまい、ジャークベイトに必要な力が伝わらなかったり、ロッドを煽ってもルアーがしっかりダートしてくれなかったりします。
逆に硬いロッドではルアーの移動距離が大きくなりすぎてバスに気づかせることができなかったり、水の抵抗が大きすぎてキレイにアクションしなくなったりします。
また、ロングキャストでルアーとアングラーの距離が離れた状態ではいかにロッドアクションをルアーに伝え、遠く離れたジャークベイトを思い通りダートさせられるか重要となり、
クランキン用のロッドやトップウォーター用のロッドのような柔らかい竿では、なかなか上手くアクションさせられないことが多々あります。
ジャークベイトとグラスロッド
ノースフォークコンポジットのリリースするACRシリーズは中弾性カーボンとS2グラスと呼ばれる硬めのグラスのコンポジット。しなやかなながらもハリのある特性はジャークベイトとの相性も良好です。
ジャークベイトは3フックを搭載したファーストムービングルアーなのでグラスロッドとの相性が気になるとは思いますが、基本的にはグラスロッドを使うメリットはほとんどありません。グラスロッドとはそもそも反発の弱い素材を使ってバイトを拾う事に焦点を当てたロッドになるため、反発の弱いグラスロッドではジャークベイト本来のアクションを引き出す事が難しくなりますし、操作性を重視してロッドワークを多用するこの釣りにおいてはグラスロッドのデメリットである”重量”は許容し難いファクターとなってしまいます。
ジャークベイトの性能を引き出すロッドの選び方
ジャークベイトはロッドの性能や特性によってアクションが左右されやすいハードベイトと言えます。ジャークのしやすさにもつながるロッドのスペックは非常に重要なファクター。しっかりとしたロッドを選ぶことが上達への近道となります。
ではジャークベイトの性能を100%引き出せるロッドスペックとはどの様なものか?
現在主流になっているジャークベイトのサイズ別に2つ具体例を挙げてみます。
110㎜クラス10~16g前後のフルサイズジャークベイトに対応するジャークベイトロッド(ルドラやワンテンなど)
5.5~6.4ft前後のML~Mクラス、レギュラーからファーストテーパーのロッド
このスペックのロッドであれば基本的にどの様なシチュエーションでも対応出来ると思います。ティップがやや柔らかく、ベリーにハリがあるロッドテーパーがジャークベイトにはジャストフィットし、この釣りではアクションのつけやすさが釣果に直結します。何よりもジャークのしやすさを優先し、ロッドの長さはイメージよりも短めを選ぶようにしてください。最近のフルサイズジャークベイトはキャスタビリティーも高いので、多少レングスが短くてもほとんどデメリットは無くおすすめ出来ます。
90㎜クラス7~10g前後のジャークベイトに対応するジャークベイトロッド(固定重心型やラトリンログなど)
5.5~6.4ft前後のL~MLクラス、レギュラーからファーストテーパーのロッド
フルサイズのジャークベイトを扱うスペックとほとんど変わりませんが、ロッドのパワーを少し落としたロッドが使いやすく、集中力が続きます。また、アクションレスポンスを優先させた固定重心タイプ(阿修羅のスペック2やスカッドミノーなど)やラトリンログなどは極端にキャスタビリティー性能が低いので、こちらのロッドの方がストレスなくキャストする事が出来ます。どのロッドにおいても一定のリズムでストレスなくキャストでき、ジャークを続けられるロッドを選びましょう。
ジャークベイトに最適なリール
ジャークベイトはロッドでラインスラッグ作り出し、リールでラインスラッグを回収します。基本的にはラインスラッグを回収するだけなのでハイギヤが望ましく、使うジャークベイトによってはキャスタビリティー性能が低いルアーもあるので、ベイトフィネス用のチューニングや専用機も選択肢に入れましょう。
ジャークベイトに最適なライン
ジャークベイトにとって、ラインはとても重要な役割を持っています。使い分ける事によってジャークベイトに様々な特性を付与させることが可能でジャークベイト上級者はフロロとナイロンを状況やシチュエーションによって使い分けます。
フロロラインのメリットと有効なシチュエーション
ジャークベイトと一番相性が良いラインはフロロカーボンラインになります。伸びが少なくロッドアクションをダイレクトにルアーへ伝える性能はジャークベイトにとってなくてはならない存在と言えます。晩秋~春にかけ、サスペンドモデルのジャークベイトが一番活躍する季節にはシチュエーションに応じて10~16℔のラインを使います。太いラインの方が潜り難くなるのでルアーをステイさせたいレンジに合わせて使い分けると効果的です。
ナイロンラインのメリットと有効なシチュエーション
最近主流のジャークベイトはサスペンドモデルが多く、繊細なセッティングで作られているため、ルアーによってはナイロンラインと組み合わせることでスローフローティングにする事も出来ます。
エバーグリーンの名作”フェイス”やキングオブジャークベイトとして名高い”ワンテン”などがこれにあたり、アフター以降のバスが浮いている状況ではフローティングのジャークベイトやナイロンラインと組み合わせたスローフロート仕様のジャークベイトによる“ライズアップアクション”が非常に有効になります。
一つナイロンラインを使う上で注意しなければならない事は、太めのラインを使う事です。ナイロンラインは伸縮性があるのである程度太い物を使わないと、せっかくのジャークアクションがラインによって吸収されてしまい、肝心のルアーがしっかりアクションしなくなってしまいます。最低でも16℔以上の太さがあった方がラインの伸びも少なくできてルアーがアクションしやすくなるほか、浮力を稼ぐ事が出来るようになります。フロロと同様に太いラインは潜行深度にも影響します。上手に使い分けましょう。
釣れるジャークベイトロッドの選び方とおすすめのタックルセッティング まとめ
今回はジャークベイトの性能を引き出す上でロッドにはどの様な性能、スペックが求められるのか解説してみました。ちかみや自身もジャークベイトは大好きなルアーで、今までたくさん良い思いをさせて貰いました。得意なルアーだからこそ、今まで様々なロッドを試し、ここに至るまで様々なトライ&エラーを繰り返してきましたが、ジャークベイトはこの記事内でも紹介した通り、意外なほどアングラーやタックルへの要求度が高いルアーと言えます。ジャークベイトをこれからやり込んでみたいと思っている方はこの記事を一読して頂いてからしっかりと特性を理解してロッドを選んでみてください。ジャークベイトの釣りは厳しいシチュエーションでこそ期待に応えてくれる釣りです。皆さんがジャークベイトの性能を100%引き出せる様なロッドにめぐり逢える事をちかみやは楽しみにしています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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