圧倒的な遠投性能とトルクフルなパワーがオッカパリの大きなアドバンテージ!
マイルドなティップが幅広いウエイトに対応する秀逸ロングシャフト!
「おすすめのロッドは何ですか?」
私がよく聞かれる質問ベスト3の中に必ずこの質問が入ってきます。
その時に真っ先に思い浮かべるロッドの一つがシマノのエクスプライドシリーズ。
落ち着いたコスメティックとハイエンドモデルに迫る性能でエキスパートはもちろん、初心者の方にも絶大な指示を受けるエクスプライドは、必要な部分にはしっかりとコストと手間を掛け、削れる部分は思いきって削る事で高い性能とコストパフォーマンスを両立させています。その「絶対性能主義」な作りは様々な面で後発ロッドにたくさんの影響を与え、その後リリースされるロッド達の一種の「基準」とされるほどのシリーズとなりました。
今回はそんなエクスプライドシリーズの中でも長めのレングスとパワフルなブランクが特徴的なエクスプライド2610MLを実釣で使い込んできました。610のスピニングロッドといえば、オッカパリゲームでも新基準とされるレングスで、MLのパワークラスはPEラインと組み合わせることでパワーフィネスとしても使える実用的なモデル。使い方によっては強力な武器となる新基準スピニングの実力とその特徴を皆さんにお伝えします。
Contents
エクスプライド 2610MLのスペック
長さ:2.08cm(6.10ft)
継数:1本
仕舞寸法:2.08cm
重さ:95g
適合ルアーウエイト:4~12g
適合ライン(フロロ・ナイロン):4~8ポンド
グリップ長:215㎜
テーパー:F(ファーストテーパー)
エクスプライド2610MLの外観とデザインの特徴
ここではエクスプライド2610MLが持つコスメティックや、外見の特徴を紹介します。
全体的なデザイン
無用なコスメティックを減らし、ブラックをメインにとした落ち着きのある外見は使い手や組み合わせるリールを選ばないシックなデザインとなっています。
全身をハイパワーXで強化したブランクスは非常にストイックなイメージで、強度を保持したまま全モデルよりも約10%もの軽量化を達成。直接触れる機会の多いグリップはハイグレードのコルクを使用して、シルキーなタッチ感とダイレクトな操作性を確保しつつも、置きキズなどが付きやすいエンド部分には耐久性のあるEVAを採用し、ハイブリッドグリップとする事で必要性能とコストパフォーマンスを両立させつつも高級感のある仕上がりになっています。
グリップの長さ
扱いやすさや使用感に影響するグリップ長は215㎜。レングスの割に短いグリップは、ダブルハンドでのオーバーヘッドキャストがストレス無く振り切れるギリギリの長さでバランスが取られ、取り回しの良さと高い操作性が特徴的な設定となっています。短めのグリップはピッチングやサイドキャストなどで正確なキャストを決めやすく、アキュラシー精度が重要となるパワーフィネスや虫系ルアーでのカバー攻略を簡単なものにしてくれます。
ブランク
ロッドの性能を大きく左右するロッドブランクは高弾性カーボンをメインマテリアルにハイパワーXで補強したファーストテーパーのブランクを採用しています。
全体的にハリを感じるブランクは適度にしなやかさをあわせ持ち、非常に高い操作性と使いやすさを両立させています。実際に使用する状況をイメージして考えられたロッドバランスは、長時間の使用でも疲れにくく、ハイエンドモデルに迫るシャープさや感度、レスポンスを発揮しています。
リールシート
リールシートは軽量で高強度のカーボン強化素材 CI4+を用いた軽さ重視のコンパクトデザイン。手の小さい方でも握りやすく、ロッド自体の軽量化にも一役買っています。使いやすいリールシートは軽く握ってもグリップ力が高く、感度と操作性が優秀なのはもちろん、マットラバーコーティングにより見た目にも高級感が漂います。
ガイド
ロッド自体の性格や性能に大きく関わるガイドはステンレスフレームにSiCガイドの組み合わせでミドルクラスの定番と言えるセッティング。軽量でキャストフィールに優れ、トラブルの少ないセミマイクロガイドを用途やテクニックに合わせてロッドごとに専用セッティングとする事でブランクスの性能を引き出しています。コストパフォーマンスを優先しながらも必要な部分にはしっかりとコストを掛ける所はエクスプライドシリーズがハイエンドモデルに匹敵する最大の要因となっています。
エクスプライド2610ML 実釣インプレッション
ここではエクスプライド2610MLを実際に使い込んで感じたイメージや使い心地をお伝えします。
テストしたルアーの一部。ダウンショットやネコリグはもちろん、ロングレングスを活かしたキャロやスプリットなども試しています。
エクスプライド2610ML & ファーストムービング
長めのレングスと、MLクラスのロッドながらイメージ以上にしなやかなティップを持つエクスプライド2610MLは小型ハードベイトとの相性も良く、予想以上に幅広いウエイトに対応する事が出来ます。表記上のMAXウエイトは4~12ℊとなっていますが、良く曲がるティップセクションとパワフルなブランクはスペック通り、12g程度のウエイトまでならば様々な大きさのハードベイトを遠投する事がキャスト出来ます。
その中でも5g前後のシャッドやメタルバイブレーション、スピンテールジグなどは非常に使いやすく、高い感度を持つブランクはルアーの状態をインフォメーションしてくれます。6.10ftのロッドレングスは非常にロングキャストが効きやすく、オッカパリゲームやディスタンスが必要な状況下ではとても有効ですが、小型のペンシルベイトやポッパー、ジャークベイトなど、ロッドワークでアクションをつけるタイプの繊細なハードベイトは長いレングスが邪魔になり操作性はイマイチ。正確なキャストと操作が要求されるトップウォーターゲーム系よりは、広大なエリアをただ巻きやリフト&フォールで誘うハードベイトにマッチしたロッドと言えます。
エクスプライド2610ML & ワーミング
非常に優秀な感度と操作性を持つエクスプライド2610MLは、ややソフトながらもしっかりとしたハリを持たせたティップで、様々なウエイトのリグを扱う事が出来ますが、ULクラスのロッドやソリッドティップで扱う様な超軽量ダウンショットや小型のネコリグなどはちょっと苦手。長いレングスは繊細な操作をやりにくく、ズル引きやリフト&フォールを主体のアクションとする様な少しウエイトのあるダウンショットやキャロで高い適応能力を発揮します。オープンウォーターを遠投してストレス無く使いたい場合は最低でも3g以上のシンカーと組み合わせるのが理想的と言えるでしょう。
一方、PEラインと組み合わせて使うパワーフィネスでは長いレングスを利用して精度の高いアプローチが可能。本格的なパワーフィネスロッドほどのロッドパワーはありませんが、かんたんなカバーやストラクチャー周りの攻略なら十分対応出来ます。パワーフィネスだけでなく様々な用途でロッドを活用したい方や、通常の釣りからパワーフィネスまで一本でカバーしたい方にとってはうってつけのスペックとなっています。
エクスプライド2610MLの特徴
ここではエクスプライド2610MLが持つ優れた特徴を3つご紹介します。
このロッドが持つ特性が理解出来れば、エクスプライド2610MLがどのようなロッドなのかイメージしやすくなります。
ロングレングス自慢の圧倒的キャスタビリティー性能
エクスプライド2610MLが持つ、大きな特徴の一つとしてロングレングスでキャスタビリティー性能が非常に高い特性があります。
6.10ftのレングスはどんなフィールドやシチュエーションでも使いやすいギリギリのレングスで、初心者からエキスパートまでストレスなく扱うことが出来ます。長めのロッドというのは取り回しが悪くなりがちですが、エクスプライド2610MLはグリップ長を短めに設定しているのでストレスも感じにくくなっています。ウエイトを乗せればしっかりと曲がる特性のブランクは特に最近主流のライトなPEラインとのマッチングで圧倒的な遠投性能とセンシティブな感度を発揮。遠く離れたライトリグの状態を、しっかりとイメージ出来る特性はオカッパリゲームはもとより、ディスタンスが必要な状況やロングキャストを生かせるビッグフィールドで他のロッドにはない大きなアドバンテージをもたらしてくれます。
パワーフィネスにも使えるトルクフルなロッドパワー!
ロングレングス+強めのブランク設定を持つエクスプライド2610ML。気になっている方の中には、パワーフィネスとしての使い方を考えている方も多いのではないでしょうか?
本格的なパワーフィネスロッドは非常にとがった特性を持ち、正直なところ「パワーフィネス以外の使い方」がなかなか見つからない事もありますが、エクスプライド2610MLはちょっとしたストラクチャーや、ライトなカバー周りっであればパワーフィネスロッドとして使えるパワーを持っています。
また、トルクフルなブランクは足場の制限されるオッカパリゲームでも非常に便利。
特に足場が高かったり、バスを取り込むスペースがない場合は非常に無理が効き、タックルのセッティング次第では1㎏程度のバスでも抜き上げる事が出来ます。
イメージ以上にしなやかなソフトティップ
MLクラスのスピニングロッド。と聞くと、少し硬めなイメージがありますが、エクスプライド2610MLは思っている以上にソフトなティップを持っています。
MLというよりはLクラスのロッドに近い特性を持つティップセクションは、ルアーウエイトに対する適応能力が非常に高く、軽いウエイトのリグでもストレス無くキャストが可能。
特にガチガチのパワーフィネスロッドではストレスを感じやすい「軽いウエイトのリグを使ったカバー攻略」ではマイルドなティップがしっかりと曲がり込みリグを運んでくれます。
もちろん、通常のスピニングタックルでは少し扱いにくい「ウエイトのあるライトリグ」にもバッチリ対応。幅広いウエイトに対応するロッド特性は、一本あれば何かと重宝するでしょう。
オッカパリゲームにおすすめ!エクスプライド2610ML 実釣インプレッションまとめ
幅広いウエイトのリグに対応出来てロングキャストも出来るエクスプライド2610MLは特にオッカパリゲームで非常に強力な武器となります。誰も手を出せない沖目のスポットにライトリグを投入出来るアドバンテージは他のロッドには無い圧倒的なアドバンテージとなります。
エクスプライド2610MLと相性も抜群のリグ&ルアー
・シャッド全般
・タイニークランク
・7gクラスのⅠ字系、プロップベイト
・10g程度のスピンテールジグ
・10g程度のメタルバイブレーション、ジギングスプーン
・ライトテキサス
・小型のバックスライド系ワーム
・1.8g以上のスモラバ
・ヘビーダウンショット
・キャロライナなど、ロッドワークを多用しないワームの釣り
以上がエクスプライド2610MLと相性抜群のリグとルアーになります。
ソフトなティップとパワフルなブランクのマッチングで、ルアーウエイトへの適応力が高い分、ロングレングスゆえに繊細なリグの操作はやや苦手な面があるので、ただ巻きメインのシャッドやズル引きを多用するキャロなど、ロッドワークにそれほど頼らないリグやルアーがベストと言えるでしょう。
特にPEラインとの組み合わせは抜群で、低水温期に活躍するメタル系の釣りやキャロ、ヘビーダウンショットの釣りにはこれ以上無いマッチングを見せます。
ひと昔前の610MLと言えば、とがったスペックを持つスピニングタックルの代表格でしたがエクスプライド2610MLは非常にマイルドな性格で想像以上に扱いやすく仕上がっていました。長いレングスは取り回しに気を使いそうですが、実際にはそんな事は全く無く、終始7フィート近いロッドを振っていると感じないほどの作りはさすがの一言。通常のスピニングタックルよりも適応範囲が広く、遠投が効いてパワーのあるロッドをイメージすればほぼ間違いは無いでしょう。
「パワーフィネスに挑戦したいけど用途の広いロッドが欲しい。」
「オッカパリゲームで圧倒的なアドバンテージとなるキャスタビリティー性能が欲しい!」
そんなロッドをお探しの方は、ぜひ一度エクスプライド2610MLを手に取って見て下さい。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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