近年急速に進むフィールドのハイプレッシャー化。
フィールドの減少とアングラーの増加、バスの個体減によって現在のバスフィッシングは年を追うごとに難しくなっています。
特に最近ではかんたんに情報やテクニックをネットから拾える事もあり、アングラー個々のスキルが高くなっています。タックルの進化も著しくフィールドでは他のアングラーが攻め切れない部分をいかに攻め落とすか?か非常に重要なカギとなります。
そこで注目されるのがパワーフィネス。
シルエットの小さなライトリグで難攻不落のカバーを攻略出来るメリットはイメージしているよりもずっと効果的で、その高い実釣性能はトップトーナメントでもなくてはならない存在。今では各社から専用のロッドも多数リリースされ1つのカテゴリーとして完全に定着しました。
もちろん、私達のようなサンデーアングラーにもその効果は絶大。常にプレッシャーのかかる休日のフィールドでは切り札となることも多く、気になっている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は私の周りのエキスパートアングラーや現役のトーナメンターが実際に使用しているおすすめのパワーフィネスロッドを5つに絞りご紹介します。実際に私個人としても実釣で使用し、胸を張っておすすめ出来る逸品を揃えました。皆さんのロッド選びの参考になれば幸いです。

Contents
パワーフィネスロッドに必要なロッドスペックとは?
おすすめのロッドを紹介する前に、「パワーフィネスロッドに求められる性能とは何か?」皆さんはご存知ですか?数々のロッドを試していると「このロッドは良いロッドだな!」と感じるロッドには以下の3点に共通点があり、そのどれもがパワーフィネスロッドにとって必要不可欠な性能。これからパワーフィネスをしっかりやり込むためにロッドを選ぼうと考えている方は、候補のロッドにこれから紹介する性能がちゃんと備わっているいるかどうかチェックしてみて下さい。
バスをカバーから引き出せるしっかりとしたパワー
パワーフィネスが、カバー攻略を基本戦略としているメゾットである以上、カバー内のバスに負けないロッドパワーというのは必要不可欠な性能と言えます。
カバー攻略ではいかにバスに主導権を与えず、短時間で勝負を決めるか?が非常に重要で、バスの取り込みに時間が掛かれば掛かるほどキャッチ率は極端に低下していきます。また、込み合ったカバー内へのアプローチはアングラーのイメージ通りに行かない事も多く、無理がある姿勢からのフッキングや、不利な状況からでしかバイトに持ち込めない事も少なくありません。このような状況では経験上、力で強引に主導権を握り短期決戦で勝負を決めるのが最も効率的でキャッチ率も高くなります。
具体的なロッドパワーで言えばミディアムパワー以上が好ましく、様々なロッドを試した私の個人的なイメージではM~MHクラスがベストと言えるでしょう。
ライトリグやラインスラッグをイメージ通り操作できる高い操作性
パワーフィネスの一番の強みは繊細でフィネスなライトリグで大胆にカバー攻略出来る部分です。ベイトフィネスタックルでも扱えないほどの軽くてコンパクトなライトリグをとてもナチュラルにカバーへ送り込めるアドバンテージは非常に大きなものですが、そのようなライトリグは一般的に繊細な操作を要し、アングラーのイメージ通りアクションさせられるかどうか?で大きく釣果が変わります。
特に昨今のフィールドではカバーにライトリグを落とすだけではバイトに持ち込めない事も多く、繊細なライトリグをイメージ通りアクションさせられる高い操作性は必須の性能。操作性に優れたファーストテーパーと使用するリグや、ラインスラッグの重さを感じやすく、イメージ通り操れるセンシティブでややソフトなティップを持つロッドが、パワーフィネスの理想と言えるでしょう。
2g程度のスモラバやネコリグ、ノーシンカーなど様々なライトリグでカバーを攻略するパワーフィネスだからこそ、アングラーのイメージ通り操作性出来るシャープでソフトなティップが釣果を左右します。
カバー際でも取り回しに優れるロッドレングスと優秀なバランス
ロッドは長ければ長いほどカバーの真上からルアーをアプローチしやすくなるのでカバー突破力が上がり、フッキング時のパワーも伝わりやすくなりますが、レングスの短いロッドや逆に長すぎるロッドは扱いに苦労します。特にパワーフィネスゲームでは込み入ったオーバーハングの中やレイダウンの中を攻略する事が多く、ロッドの長さは6フィート後半~7フィート以内のレングスが操作性や取り回し、アプローチしやすさなどでバランスが良くおすすめです。
最近では7フィートを超えるようなロングロッドも多くリリースされていますが、7フィート以上のロッドは取り回しが悪く、ライトリグを活かす繊細な操作も難しくなってしまいます。6フィート後半のレングスであれば高い操作性をキープした上でせまいスペースの中でもサイドハンドやバックハンドなどのテクニカルなキャストもやりやすく、頭上ギリギリを木々が覆うようなシチュエーションでも遠く離れたカバーのピンポイントを狙い撃つことが出来るでしょう。
パワーフィネスロッドおすすめ5選
上記したようにパワーフィネスが求めるロッドスペックは非常に明確。ここではそんなパワーフィネスに特化した専用のロッドを5つ紹介します。
カバー攻略ロッドとして過不足なく必要不可欠な性能を搭載した理想的なスペックは非常に扱いやすく、ライトリグの高い実釣性能を存分に引き出して、たくさんのバスを連れてきてくれるでしょう。
アブガルシア ホーネットスティンガープラス HSPS-641MH
スペック
長さ:1.93m(6.4ft)
重さ:107g
パワークラス:MH(ミディアムヘビー)
適合ルアーウエイト:1.8g(1/16oz)~14g(1/2oz)
適合ライン:フロロ4~20ポンド PE0.8~1.5号
テーパー:F(ファーストテーパー)
非常にバランスが良いロッドセッティングとクラストップの軽さで操作性も高く、リザーバーのカバーなどで、「小さいルアーをカバーの奥へ入れる」事に焦点を当てて作られたロッドがアブガルシアの用途特化型ロッド、ホーネットスティンガープラスHSPS-641MH。6.4フィートのレングスはカバー攻略において少し短く感じるものの、その分取り回しが良好でソフトなティップと強靭なバットセクションの組み合わせは総合的に見てもとても高い完成度を持っています。また、コストパフォーマンスも群を抜いて優秀なので、本格的なパワーフィネスロッドに挑戦したいアングラーさんにも非常におすすめな一本となっています。
DSTYLE BLUE TREK DBTS-66M
スペック
長さ:1.98m(6.6ft)
重さ:91g
パワークラス:M(ミディアム)
適合ルアーウエイト:1.8g(1/16oz)~10.5g(3/8oz)
適合ライン:フロロ4~8ポンド PE0.6~1.5号
テーパー:F(ファーストテーパー)
PEを用いたパワーフィネスを前提とし、ロッドのレングスをバランスのとれた6.6フィートにする事でキャスタビリティー性能と取り回しの軽快さを両立させたDスタイルのブルートレックDBTS-66Mは、食わせの間を与える硬すぎないティップアクションとパワフルな特性のバットセクションでバスをカバーから引きはがすことの出来るシリーズきってのパワースピン。ガード付きのスモラバやカバーネコ、濃いめのカバーを虫系で攻める場合にアドバンテージを与えてくれる仕様は、琵琶湖等のビックレイクでのライトリグにも高い適応能力を持っています。
シマノ ポイズンアドレナ 2611MH Mighty power finesse
スペック
長さ:2.11m(6.11ft)
重さ:105g
パワークラス:MH(ミディアムヘビー)
適合ルアーウエイト:7g(1/4oz)~21g(3/4oz)
適合ライン:フロロ6~12ポンド PE MAX2号
テーパー:RF(レギュラーファーストテーパー)
本来はロングワームを使用したメゾットや、スピニングタックルで扱うような小型フロッグなど、パワーや遠投性能以外に操作性が求められる状況にフォーカスして開発されたマイティ-パワーフィネスは、長いレングスとマイルドなレギュラーファーストテーパーでパワーフィネスゲームでも活躍する一本。パワーロッドとは思えないほどの繊細な取り回しと操作性をあわせ持ち、ロングロッド特有の射程距離の長さは通常のロッドでは届かないようなカバーでも攻略が可能です。PEラインでも放出抵抗が小さいKガイド仕様と、ややマイルドなテーパーは、ストレスの無い使い心地と近距離でのフルフッキングに弱いPEラインをブレイクからしっかり守ってくれます。
エバーグリーン セルペンティ TKSS-66MHST ブッシュサーペント
スペック
長さ:1.98m(6.6ft)
重さ:111g
パワークラス:MH(ミディアムヘビー)
適合ルアーウエイト:1.8g(1/16oz)~21g(3/4oz)
適合ライン:フロロ4~12ポンド PE0.6~1.5号
テーパー:FF(エクストラファーストテーパー)
スピニングタックルとPEラインを組み合わせたパワーフィネスに古くから取り組んできたエバーグリーン。そのエバーグリーンがリリースする最新鋭パワーフィネスロッドであるブッシュサーペントは、トルザイトリングガイドやソリッドティップを搭載した最先端の装備で圧倒的な操作性と使いやすさを持っています。特に軽い負荷でも素直に反応するソリッドティップとしっかりとしたロッドパワーはパワーフィネスに求められる要素を完全に内包し、数あるパワーフィネスロッドの中でもトップクラスの高い完成度を誇ります。コスト面ではやや高価ではありますが、専用設計のスペックを持つロッドとしては幅広いルアーや使い方に対応するマルチな性格もこのロッドの魅力の1つとなっています。
ノリーズ ロードランナーヴォイス ジャングルスピン 680JMHS
スペック
長さ:2.04m(6.8ft)
重さ:113g
パワークラス:MH(ミディアムヘビー)
適合ルアーウエイト:1.8g(1/16oz)~14g(1/2oz)
適合ライン:フロロMAX14ポンド PE0.8~2号
テーパー:F(ファーストテーパー)
難攻不落のカバーを攻略する事を目指して作られたジャングルスピンは、たくさんのトーナメンターから絶対的な信頼を勝ち取るパワーフィネスロッド。フッキングや掛けた後のファイトにフォーカスしたロッド特性はピッチングやフィリッピングなど近距離の釣りで威力を発揮します。カバー攻略を前提としたスピニングロッドとしてはほぼ完璧なスペックを持ち、ややショートなセッティングのセパレートハンドルは取り回しも抜群。他のパワーフィネスロッドと比べてもパワフルな特性は安心感も高く、通常では攻めあぐねてしまうようなヘビーカバーでも大胆に攻め込む事が出来ます。
パワーフィネスロッドおすすめ5選 最後に・・・
「抜群の食わせ能力を持つライトリグで難攻不落のカバーを攻略出来たら・・・」
私のように長年バス釣りを楽しんできたアングラーにとって、そのようなスタイルは理論上無限の可能性を秘めた理想の釣りの1つでした。
当時はカバーを攻略出来る専用のロッドはおろか、パワーフィネスのメインタックルとも言えるPEラインも登場していなかった時代でしたが、今ではすっかり定番のスタイルとして定着しています。
最近ではベイトフィネスの台頭でやや鳴りを潜めているパワーフィネスですが、単純にバスをバイトに持ち込む実力だけならばベイトフィネスよりも強力。パワーフィネスでしか獲れないバスは必ずいます。この機会にぜひ皆さんも「パワーフィネスだけが持つ強さ」を体感してみて下さい。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
パワーフィネスに関する記事はこちら!!



