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ソリッドティップのメリットとデメリット、有効な使い方

ソリッドティップは一般的に「食い込みが良い」「小さいバイトを取り易い」「細かい操作がし易い」と言われる事が多いですが、なぜか分かりますか?意外とその理由をハッキリと説明出来る方は少なかったりしますが実際にはどうでしょうか?今回は現役ロッドビルダーでもあるちかみやが本当のソリッドティップのメリットとデメリット、どの様なシチュエーションでソリッドティップが生きるのか?を徹底解説いたします。

画像提供:ジャストエース様

ソリッドティップを使いこなしているとエキスパートアングラーに見えますね!
先生
先生
ソリッドティップの利点は何なのか?今回はそこのところをしっかり説明していきます。

Contents

ソリッドティップとは?

ソリッド(ティップ)というのは、簡単に説明すると中身が詰まったブランクのことを指します。一般的なロッドはチューブラー(中空)なので、構造から一般的なロッドとは違います。

出典:グローブライド様 ソリッドとチューブラーの違い

ソリッドとチューブラーはそもそも製造の過程から違います。

一般的なチューブラーブランクはマンドレル(芯金)にカーボンシートを巻き付けて生成しますが、ソリッドはカーボンの塊から削り出すのが一般的です。

チューブラーブランクがMAX50t(t=トン)以上もの高圧縮成型(俗に言う40tブランクなどのt数はこの成型時のプレス圧の事です。)が可能なのに対し、ソリッドブランクは現状30tまでが実用範囲になってます。

ソリッドはそもそもチューブラーとは作り方から違うんだね。

ソリッドティップのメリットとデメリット

ソリッドティップの最大の特徴は何と言ってもチューブラーに比べて圧倒的に破断強度が高いという部分です。中身の詰まっている棒(ソリッド)と中空の棒(チューブラー)折れづらいのはソリッドの方です。また、削り出し成型のためティップのテーパー(曲がり方)にチューブラーよりも自由度があります。ソリッドティップはその高い破断強度を活かし、チューブラーでは到底まねの出来ないティップの細径化を可能にします。極限まで細くなったティップはその低いトン数と相まってバスの小さなバイトにもティップが追従してくれるようになります。つまり、皆さんがご存知の通り食い込みが良くなります。オートマチックにバイトを取ってくれる。と表現すれば分かりやすいでしょうか?その上チューブラーよりも柔らかくて細いということはその分曲がり易いということです。チューブラーではキャストしづらい極小リグや軽量ウエイトのリグをキャストしやすいという点もソリッドのメリットになります。

ソリッドティップのメリット

・破断強度が高い
・食い込みが良い
・軽量リグをキャストしやすい
・テーパーデザインの自由度が高い

一方で中身が詰まっている分、チューブラーと比べて重量が増加します。重量が重いうえに中身の詰まったソリッドはどうしても感度が落ちますし、操作時のダルさも残ってしまいます。また、ソリッドはキャストアキュラシーと飛距離も低下しやすい傾向にあり、このあたりがソリッドのデメリットと言えるでしょう。

ソリッドティップのデメリット

・重い
・感度が悪い
・操作性が悪い
・キャストにコツがいる

出典:シマノ様

シマノが誇る先進技術”タフテックインフィニティ”は圧倒的な破断強度を誇ります。

仮に同じトン数で同じ先径であれば、圧倒的にチューブラーの方が食い込みが良くて感度も高く、細かい操作性も優れているロッドを作れます。良く考えたら分かりますが中身の詰まっている棒(ソリッド)と中空の棒(チューブラー)、小さな振動をより遠くまで伝えやすいのは明らかに中空(チューブラー)の方です。ソリッドはその破断強度の高さを利用してチューブラーでは実現出来ないような細先径化をし、チューブラーではまねの出来ない唯一無二の性能を手に入れています。

ソリッドとチューブラー。その長所と短所を理解して使い分ければ自ずと釣れる数もサイズも増えるはずです。

トータルで見るとデメリットの方が多い気が・・・ww
先生
先生
それでも最近のソリッドは製造技術が進み感度やダイレクトな操作感も向上してきているので、デメリットを感じ難くなってきてますね。

ソリッドティップが有効なシチュエーションとは?

ではソリッドティップがデメリットを凌駕し、有効になるシチュエーションとは一体どの様な状況なのか?簡単にまとめてみました。

バスのバイトが小さくてフッキングまで持ち込めない時

バス釣りをしていると、どうしても反応出来ないバイトというものがあります。何らかの理由でバスがスプーキーになっていたり、タフになっていたりするとその状況やシチュエーションによってはショートバイトが多発してしまい、アングラーの技量だけではどうにもならない状態が発生してしまいます。バスはそこにいて、バイトもあるけれど捉えきれない・・・このような状況ならソリッドティップの小さなバイトにも追従出来るという能力が効果的になるので大いに利点を発揮出来るシチュエーションと言えるでしょう。

シャッドなどの小型ハードベイトで乗せ切れない時にもソリッドティップは有効!

ソリッドティップはチューブラーに比べて食い込みが良いのでシャッドなどの小型ハードベイトでショートバイトが多発してしまうような状況で投入すると非常に有効です。グラスロッド並み・・とまではいきませんがチューブラーよりもはるかにバスを”ノセ”てくれます。特に秋口から冬の一歩手前まで有効なシャッドの速巻きなどのメゾットとはとても相性が良いので是非一度試してみてください。

先生
先生
この時期のシャッドを用いた速巻きメゾットはリアクションの釣りなので、ショートバイトが多発しますが、ソリッドを使用すればかなりフッキング率を上げる事が出来ます。

チューブラーではキャストが困難な軽量、極小リグを扱う時

スモールマウスを狙うような極小、軽量リグをキャストする時もソリッドの柔軟性が役に立ちます。チューブラーではそもそもキャストすらままならないような軽量リグであってもソリッドティップであれば軽い負荷でも曲がり、リグを運んでくれるのでキャスト時のストレスを解消してくれるでしょう。

ソリッドティップのメリットとデメリット まとめ

ソリッドティップでなければフッキング出来ないバイトがあるのは事実。ちょっとしたタックルセッティングが大きく釣果を左右してしまう事も、バスフィッシングには多々あります。

ソリッドティップのメリットとデメリット。簡単にまとめてみましたがいかがでしたか?

中級者の方やエキスパートアングラーの方はすでに使用したことのある方も多いと思いますがソリッドに関しては一部感度が良い、操作感が良いとご認識している方も多いので、今回は改めてソリッドを取り上げてみました。

ソリッドティップはそのメリットとデメリットを良く理解して使えばアングラーを強力にサポートしてくれる心強い相棒になってくれますが、今回ご紹介した通り強烈なデメリットを抱えている事も事実です。しっかりと投入するポイントを見極めて、上手にお付き合いしていきましょう。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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