ライバルは往年の名作であるオールド・ウィグルワート!
マニアックな性能を極限まで高めたワート系クランクの最高傑作!
元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回は数々の実力派ハードベイトを世に送り出し、国内はもちろんの事本場アメリカでも高い評価を受けるテッケル渾身のクランクベイト、ドランカーにフォーカスし、その特徴と実力、使い方を解説していきます。
Contents
テッケル ドランカーのスペック
Length : 50.0㎜
Weight : 9.5g
フローティング
Hook : VMCフック#6×2
カラー :9色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
テッケル ドランカーの構造と外見の特徴
ここではドランカーの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
ドランカーのリップ形状は、まるでスコップの様な独特のスクエアリップ形状をしています。
これぞワート系クランク!と言えるような四角形のリップは、中央に向かってやや窪んでおり、とにかく水を掴みやすい構造で、ワイドなリップは横方向にしか水を逃がす事が出来ず、必然的にロールが抑えられてウォブル方向のアクションのみで味付けされているのが大きな特徴。ボディサイズに対し、やや大振りでしっかりとした幅のあるリップはスナッグレス性能も高く、リップラップやゴロタ周りで驚異的な性能を発揮します。
リップの角度
ドランカーのリップ角度は水平に近いセッティングで、こちらも水を左右に逃がしやすく、よりワイドなウォブルアクションを引き出しやすいセッティング。リップのほぼ中央に位置するラインアイは受けた水圧を逃しにくく、効率良くアクションに変換するのでデッドスローと言えるようなリトリーブスピードでもしっかりとしたキレのあるアクションを発生させます。フロロの10LBラインで3mラインまで到達可能な潜行能力は、活躍するシーズンやスポットをイメージすれば非常に理にかなった作りで、春先に有望と言えるポイントを効率良くサーチする事が可能となっていて、コールドウォータークランクの真髄を体感しやすい設定と言えるでしょう。見た目通りとも言えるような手応えのある巻き心地は、現代のクランキング・ゲームにおいてやや敬遠される傾向にありますが、ドランカーにおいてはその巻き心地こそがルアーの状態を把握しやすく、アングラーが理想とするリトリーブスピードを引き出しやすくしている大きな要因となっています。
ボディ形状
ウィグル系クランクらしくファットなボディで高い浮力を持ち、ハイアピールなタングステンのラトルボールを2個搭載するドランカーは、ワート系クランク特有のボディシェイプと言える扁平なテール形状を持ち、ボディ形状でもウォブルを重視したデザインが採用されています。また、他のクランクと比べ、フラットな面の多いボディ形状は、ボディ全体で水を受けるのでバランスを崩しやすく、一定のリトリーブスピードを超えるとワート系クランク最大の特徴でもあり武器であるチドリアクションを発生させます。少し使う分には使いやすく。ワート系クランクとしては安定感があるように思えるドランカーですが、そのバランスは非常に繊細な部分があり、多くのエキスパートはその限界値を良く理解した上で上手に引き出して釣果アップにつなげています。
テッケル ドランカーの特徴と長所
ウィグルワートと言えば、その実釣性能が認められて今まで数々のフォロワーを生み出して来た名作クランクの1つ。様々なメーカーやビルダーがその再現を目指してリリースを繰り返してきましたが、テッケルのリリースするドランカーは、そう言ったフォロワーベイトの集大成とも言える完成度を誇っています。
ここではドランカーが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
遠くのバスも引きつける!ウォブラーらしいハイアピールアクション!
俗にウォブラーと呼ばれるワート系クランクと言えば、ロールを伴わないワイドなウォブル極振りのアクションが有名ですが、その特性は全盛期のウィグルワートを目指して作り込まれたドランカーにもしっかり受け継がれています。特にオリジナルであるウィグルワートと比べ、ドランカーが優れているのはリーリングスピードに対する対応能力とボトム変化に対するインフォメーション能力の高さ。やや抵抗の強い巻き心地はゆっくり巻いてもボトムの形状や硬さが手に取るようにわかりやすく、本家顔負けのハイレスポンスなボディは、デッドスローでもしっかりとアクションし、バスの密度が低い低水温期のシャローレンジで圧倒的な実釣性能を誇ります。その他にも急な濁りやローライトコンディションなど、バスが目でルアーを追えない様な状況やなどバスがスロー気味でも高いアピール力に好反応を示すようなシチュエーションでは唯一無二の存在となります。
完成度の高いハイバランスなチドリアクション!
ワート系クランクでもう1つ有名な要素と言えば、大きく体勢を崩すようなチドリアクション。特にワート系クランクでは、あえて早く巻けないようにしているのでは?と感じるくらい限界スピードの低い部分が特徴でもあり、このチドリアクションこそが個々のクランクベイトの性能を左右している部分でもあります。特に国産のワート系クランクや現行モデルのウィグルワートでは使いやすさを強調したためか、このチドリアクションを全く伴わなかったり、かなり早く巻いても小さくチドるようなおとなしい設定のモノが多い中、ドランカーはオリジナルを超えるようなスライド幅のチドリとキレのあるアクションが特徴的。「ワート系クランク最大の特徴でもあり、最高の武器とは何なのか?」と言う部分をしっかりと捉え、その性能を磨き上げたドランカーは出しどころが制限されやすい分、その特性をしっかり理解して使えば、内に秘めた圧倒的な実釣性能を存分に発揮してくれます。
リップラップやゴロタに強い破格のスナッグレス性能!
春先の低水温期、ワート系クランクの活躍する場面と言えば、やる気のあるバスがシャローにコンタクトしやすい水深2~3mラインに絡むハードボトム。特にファーストブレイクに隣接するようなリップラップやゴロタなどのロック系ボトムは、この時期の鉄板ポイントとなる反面、根掛かりやラインブレイクなどのトラブルも多く、効率良くサーチするにはアングラー自体のスキルはもちろん、ルアー自体のポテンシャルも必要となってきますが、ドランカーの持つ高浮力なボディとフロントフックをすっぽりと覆うようなスクエアリップは数あるワート系クランクの中でも別格のスナッグレス性能を誇ります。高い浮力とワイドなリップは他のワート系クランクも同じく、物理的なスナッグレス性能はそれほど変わりませんが、ドランカーはウエイトバランスからくるスイム姿勢の小さな違いなどの総合的なボディバランスが優秀であり、アングラー側がそれほど気をつかわなくて障害物をオートマチックに回避してくれるので、結果として釣果につながりやすくなる質の高いクランキングを長時間続けることが出来ます。
テッケル ドランカーの感想と使い方 まとめ
オリジナルのオールド・ウィグルワートは現在、ネットオークション等で3000~5000円程度のプレミア価格が付く人気商品。そんなウィグルワートを目指し、超えるべくして作られたドランカーはオリジナルには無い数々の特性を持っており、その性能はもはや「オリジナルをベースに魔改造されたチューンドクランク」と表現した方がニュアンス的には合っている様な気がします。
ひと昔前までは、その実釣性能こそ知られてはいたものの、実際には一部のマニアックなクランカーが密かに楽しんでいた類のルアーがワート系クランクと言えます。その特徴的なルックスや個性豊かなアクションから、どうしても「春先」や「低水温」といったキーワードの当てはまる時期にしか活躍しないイメージが先行しますが、実は年間を通して活躍する機会の多いクランクであるのも事実。特に霞水系などのマッディシャローレイクではその傾向が強く、急激な水温低下や濁り等でバスがスローな状態では他のクランクでは反応しなくてもワート系クランクではなぜかバイトが多発する・・・といった状況も珍しくありません。最近では国内のメーカーからも似たような特性を持つクランクがリリースされるようになり、その実力や効果を広く認められるようになりました。クセが強く、決して使いやすいタイプのクランクベイトではありませんが、他のルアーを遥か彼方に置いてきぼりにするような爆発力があるのもワート系クランクの大きな魅力。その最たる存在であるドランカーを使わずしてワート系クランクを語る事は難しいでしょう。数々のフォロワーベイトの中で、唯一オリジナルを超えたと評されるその実力と所以を、実際に皆さんのホームフィールドで試してみて下さい。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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