クラストップの使いやすさは活躍する場所を選ばない!
控え目なサイズ感とアクションが釣果を跳ね上げる名作マグナムクランク!!
元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回は、国内マグナムクランクブームの火付け役にして、その実力を知らしめたマグナムクランクの名作、ストライキングのKVD8.0にフォーカスし、その特徴と実力、使い方を解説していきます。
Contents
ストライキング KVD8.0のスペック
Length : 85㎜
Weight : 42.0g(1.5oz)
フローティング
Hook : #1×2
カラー:12色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
ストライキング KVD8.0の構造と外見の特徴
ここではKVD8.0の主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
KVD8.0のリップ形状はオリジナルモデルとなるKVD1.5と同じく、フロントフックをがっちりブロックするワイドなスクエアリップが特徴的。ボディの横幅を超えるようなワイドなスクエアリップは非常にスナッグレス性能が高く、レイダウンやスタンプはもちろんの事、オダやゴロタ、リップラップなど一通りのストラクチャーに対して有効となっています。大柄なボディデザインのため、アクションははややノタノタとした設定となっていますが、巻き抵抗はイメージ以上に軽く、長時間の使用でも使いやすい特性を持っています。
リップの角度
大きくクランクしたリップが特徴的なKVD8.0のリップは、オーソドックスな角度ながらキャスタビリティー性能やアクションなど、クランクに必要とされる様々な要素をバランス良く持ち合わせたセッティングになっています。ラインアイをノーズアイとしたリップ周りは、効率良く水を受けてアクションへと変換しますが、ステディリトリーブでは時折リップが水を掴み損ねて特徴的なチドリアクションを発生。ナイロン16lbでも約3mまで潜行可能なダイビング性能は、オープンウォーターのミドルレンジに点在するストラクチャーや、群生するウィードトップを効率良くサーチしたいシチュエーションでも、その威力を発揮します。
ボディ形状
KVD8.0のボディは、最下部にアクションの軸となる固定ウェイトのみを搭載したシンプルな内部構造。大柄なボディデザインの割に浮力を抑えたセッティングは、オープンウォーターでもバイトに持ち込める控え目なアクションとレスポンスをあわせ持っています。「大柄」と言っても全長85㎜/1.5ozのボディサイズは、マグナムクランクの中では最もコンパクトな部類に入り、通常のタックルでもギリギリ扱えるセッティングはマグナムクランク初心者でも扱いやすいので、入門機種としても最適と言えます。
ストライキング KVD8.0の特徴と長所
ここではKVD8.0が持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
オープンでもカバーでもイケる!少し大人しいアクション設定
オリジナルであるKVD1.5をそのまま大きくしたようなKVD8.0は、オリジナルモデルと同じくキレのあるアクションとハイアピールなウォブルアクションをイメージしがちですが、実際にはややノタノタとした控え目なアクションが特徴的。マグナムクランクらしい存在感をベースとした視覚的アピールと、ヌメヌメとしたアクションは、さながら「スナッグレス性能の高いスイムベイト」といったイメージで、マグナムクランクとしては珍しくオープンウォーターの攻略も得意とします。また、クランクベイト特有の優秀なスナッグレス性能は、カバーやウィード攻略などをよりイージーなものへと変化させ、大きなボディによるトルクフルな水押しと高いアピール力は、カバーやウィード内に潜り込んでいるバスをバイトに持ち込めるだけの引力を持っています。
オリジナル譲りの独特なチドリアクション!
KVDシリーズのシャロークランクと言えば、有名なのは独特なチドリアクションと言えます。ただリトリーブするだけでイレギュラーに発生するチドリアクションは、KVD8.0にも引き継がれており、一定のリトリーブスピードでイレギュラーに発生します。リトリーブするだけで一定の間隔で発生し、オートマチックにバイトを誘発するKVD8.0のチドリアクションは、リップやボディで水圧を受けきれなくなってバランスを崩す一般的なチドリアクション(一般的にワート系クランクのアクション原理はこっち)ではなく、一定の間隔でリップが水を掴めなくなってアクションが抜ける(止まる)ようなアクション変化。少ない移動距離でアクション変化を起こす特性はバスに十分なバイトチャンスを与えながらもトレースコースがズレにくい特徴があるので、カバーやウィード攻略とは抜群の相性を誇るのはもちろんの事、本来クランクベイトが苦手としやすい比較的水の透明度が高いエリアでのバイトトリガーとしても活躍します。
マグナムクランクとしては軽い巻き心地と圧倒的な使いやすさ!
圧倒的なボリューム感とヘビーなウエイトが最大の特徴と言えるマグナムクランクは、一般的にボディとリップに受ける抵抗が強く、巻き抵抗がかなり重くなります。タックル面から見ても通常のタックルでは扱いにくいモノも多く、どちらかと言えば中~上級者向けと言えるマグナムクランクですが、KVD8.0は一般的なタックルでもギリギリ扱える85㎜/1.5ozと言うコンパクトなボディデザイン。他のマグナムクランクよりもひと回り小さなボディはあえてアクションを抑える事で巻き抵抗も少なく、その使いやすさは文句無くカテゴリートップクラスの仕上がりとなっています。クセもなくマグナムクランク特有の性格を引き出しやすい特性は、結果的に釣果として反映しやすく、マグナムクランクの爆発力や実釣性能を体験するのには持って来いの機種と言えます。
ストライキング KVD8.0の感想とまとめ
上:ストライキング KVD8.0 下:ラッキークラフト SKTマグナム
100㎜オーバーが定番化するマグナムクランクの中でも、コンパクトなボディデザインが特徴的なKVD8.0。マグナムクランクらしい特性を引き出しつつも、控え目なアクションなどオリジナリティをプラスした仕上がりは、他のクランクと大きく異なる点と言えます。
一時のブーム以降、爆発的に増えたマグナムクランクも最近では主だった機種を残すのみとなってきました。有名どころではデプス社のイヴォーク4.0をはじめ、ラッキークラフトのSKTマグナム、ノリーズ社のストーミーマグナムシリーズと言ったところが生き残り、定番化を図っています。マグナムクランクは一定の条件下ですさまじいまでの実釣性能を発揮する一方、効果的なシチュエーションが限定的でタックルセッティングにもシビアな事が多いアイテムと言えますが、その中でも今回紹介したKVD8.0は他のマグナムクランクと一線を画した立ち位置にいるクランクベイトであり、様々なフィールドやシチュエーションで活躍しやすい特性を持っています。事実、私が所有するマグナムクランクの中で最もオールマイティーに使えるマグナムクランクがKVD8.0であり、メジャーなビッグフィールドのみならず近所の野池やちょっとした水路などでも多くの実績を残している部分がKVD8.0の大きな特徴であり、他には無い魅力的な要素。マグナムクランク特有の実釣性能を手軽に体験し、その力を自分の引き出しとしたいなら、KVD8.0は避けて通れない存在と言えるでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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