バルサのラパラがミノー界に投じたインジェクションモデル!
つんのめるようなダートが持ち味のグローバルジャークベイト!!
いくらトゥルーチューンしても真っ直ぐ泳がないクセに、そんなルアーに限って良く釣れて困ってしまうちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。そのルアーが持つ特徴的なルアーの構造と形状、実際に使用した感想と独自の解釈でルアーの特徴をひも解き、超個人的な目線でルアーを解説しています。今回はミノーでお馴染みのラパラがリリースするインジェクション・ジャークベイト、ハスキージャークをインプレションしたいと思います。
Contents
ハスキージャークHJ12のスペック
Length : 12㎝
Weight : 13g
公称はサスペンドだけど本当はスローフローティング
Hook :#5×3
カラー :19色
ハスキージャークの構造と外見の特徴
ハスキージャークの外見や内部構造などから、このルアーが持つ本来のポテンシャルを解き明かしてみましょう。
リップの形状
ハスキージャークのリップ形状は標準的な形状ながらも気持ちワイドになっていて、しっかりと水を掴みやすく設計されていますが、ボディサイズに比べてやや小ぶりなため、フロントフックを中心としたロール主体のアクションにウォブルが混ざる控え目なモノになっています。リップの中心部分はくぼみのような小さなアールが付いていて、この独特な形状がハスキージャークのつんのめるようなダートを作り出す要因になっています。
リップの角度

リップの角度はボディに対して気持ち水平に近い角度で取り付けられています。最大到達深度は1.2~2.4mとされていますが、実際には2mも潜りません。
実はハスキージャークの最大の特徴はこのリップにあり、通常のリップより柔らかい素材でできていて、折れにくく、再び力を加えると元に戻るという謎のリップを搭載しています。この様な特徴のリップだからこそ、スピーディーなジャークからスローリトリーブまで対応出来る適応能力を持っていると言われていますが、ハスキージャークのリップはリップを曲げて使うというとんでもないカスタム方法まで可能としており、このリップカスタムは今や有名なチューニング方法として知られています。
当時のコアなアングラーはその性質を利用し、リップをグイグイと押し曲げて様々なアクションを生み出していましたが、その中でも特に有名で非常に効果の高かったチューニング方法としてはリップを90度近くまで曲げて使う方法が知られていました。リップを立たせる事でハスキージャークのアクションはウェイクベイトの様なアクションへ変化し、デットスローリトリーブでサーフェイスを攻略するトップウォータープラグに早変わり。当時はその様な特性のミノーが無かったので非常に高い効き目がありました。興味のある方は「ハスキージャーク リップ」で検索してみてください。
ボディ形状
ハスキージャークのボディ形状はその全長と比較するととても細身のシェイプで、水の抵抗を受けにくい形状をしています。水を逃がすように設計されているので、もちろん引き抵抗が軽く感じますが、特筆すべきは強い流れの中にも負けない非常に高いボディバランスを持っている部分です。小型のハスキージャークはトラウトの世界でも活躍しているルアーですが、流れに負けないボディバランスはネイティブのトラウトを流れの早い源流の中で狙う時に非常に重宝します。バス釣りの世界においても、その特性は流れの強いバックウォーターや流れ込みの流心を狙いたい場合にとても効果的です。
ハスキージャークの特徴と長所
ここではハスキージャークが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになり、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
独特なつんのめりダート
ジャークベイトと銘打っているハスキージャークですが、実はそれほどダートしません。(笑)私達がイメージしている左右へのキレのあるダートというよりは短い移動距離でロールを伴いながら水を押すダートといった感じです。左右だけでなく上方向にもランダムにダートするアクションはまさにイレギュラーダートといったところです。
反則級の裏ワザ、秘奥義リップチューニング
このチューニングについては先ほどのリップ角度の項目で解説しましたが、簡単で手軽にアクションを変えられるこの特性はハスキージャーク最大の特徴と言えます。自分が思い描くアクションを演出させるには経験と慣れが必要ですが、その気になれば誰でも自分だけのオリジナルハスキージャークを作る事が出来ます。
ジャークベイトにしては珍しいシャラシャラ系ラトルサウンド
ハスキージャークには小さなラトルが搭載され、シャラシャラというラトル音を発生させます。通常のジャークベイトは重心移動システムを兼用した大型のラトルボールが採用される事が多いので、ハスキージャークのラトルサウンドはジャークベイトとしてはかなり珍しい音だと言えます。実はこのラトルサウンド、結構効果的なようで、通常のラトル音もサイレントもさっぱりだけど、なぜかハスキージャークには反応するなんてシチュエーションにも度々遭遇します。
ラパラ ハスキージャークの感想と今回のまとめ
ミノーの老舗、ラパラが送り出した初のインジェクションジャークベイト、ハスキージャーク。日本での知名度は低いので、実はこんなルアーがある事を知りませんでした。という方も多かったのではないでしょうか。アメリカやカナダ、ヨーロッパ圏内では非常に優れたルアーとして知られており、バスよりもトラウトやパイクが良く釣れるミノーとして知られています。
一時は老舗のルアーメーカー、ラパラの顔として海外で高い評価を受けていたミノーがなぜ日本ではあまり知られていないのか?と言いますと、実はこのルアー、一度廃盤になっています。設計自体が古い旧式のジャークベイトでイマイチ不器用なハスキージャークは後発で高性能な他社製品のジャークベイトに全く歯が立たないどころか、ラパラ自身もハスキージャークで得たスキルとノウハウを駆使して本格的な次世代型プラスチック製ジャークベイト、X-RAPをリリース。スラッシュベイトと呼ばれる程高い運動性能を持った新型の登場にハスキージャークの居場所と立場はあるはずも無く、人知れず廃盤へと追い込まれてしまったのでした。
ところが、2017年から限定復刻盤が販売し、2018年には完全復活をとげたハスキージャーク。昔の様な爆発的なヒットはありませんが、その性能の高さを知るベテランアングラーからは今でも安定した人気を集めています。
基本性能の高い名作ルアーはいつまでたっても名作であると言ったところでしょうか。
ハスキージャークについてお伝えしたい小ネタはまだありますが、話が散らかりすぎてしまう上に着地地点を見失ったので今回はここで強制終了とさせて頂きます。(笑)
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
※詳細なカラーラインナップや価格は上記のAmazon、楽天のリンクからご確認ください。
ジャークベイトの使い方やオススメのタックルセッティングはこちら!!

