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ロッドテスターがレビューする!エクスプライド 163ML-G実釣インプレッション!!

ショートレングスとハリのあるブランク特性で際どいキャストが決まる!
絶妙なコンポジットでキャストコントロール性を高めたカバークランキングスペシャル!

落ち着いたコスメティックとハイエンドモデルに迫る性能でエキスパートはもちろん、初心者の方にも絶大な指示を受けるシマノのエクスプライドシリーズ。必要な部分にはしっかりとコストと手間を掛け、削れる部分は思いきって削る事で高い性能とコストパフォーマンスを両立させた「絶対性能主義」な作りは様々な面で後発ロッドにたくさんの影響を与え、その後リリースされたロッド達多大な影響を与えました。

今回はそんなエクスプライドシリーズの中でもショートレングスながらファーストムービングにフォーカスした特性で人気の高いエクスプライド 163ML-Gを実釣で使い込んできました。グラスコンポジットモデルとしては珍しいショートレングスと、カーボンの比率を上げたブランクのメリットをロッドテスターの観点から皆さんにお伝えします。

Contents

エクスプライド 163ML-Gのスペック

長さ:1.91cm(6.3ft)
継数:1本
仕舞寸法:191.0cm
重さ:120g
適合ルアーウエイト:5~18g
適合ライン(フロロ・ナイロン):7~14LB
グリップ長:225㎜
テーパー:R(レギュラーテーパー)

先生
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キャスト精度にフォーカスしたショートレングスにハリのあるコンポジットが特徴的なエクスプライド163ML-G。個性的なセッティングには様々な意図が隠されています!

エクスプライド 163ML-Gの外観とデザインの特徴

ここではエクスプライド 163ML-Gが持つコスメティックや、外見の特徴を紹介します。
エクスプライドシリーズではおなじみのコルクとEVAのグリップメイクやガイドセッティングにもそれぞれ意味があり、細部に散りばめられた製作者のメッセージを読み解くことが出来ます。

全体的なデザイン

ブラックをメインに、必要最低限のコスメを施したエクスプライドシリーズ統一の外観は非常にシンプルで引き締まったイメージがあります。良い意味で主張の少ない落ち着いたルックスはどんなリールともなじみ、コルクとEVAをミックスアップしたグリップ周りは、高性能なロッドに不可欠なバランスとコストダウンを高い次元で両立させています。

グリップの長さ

エクスプライド163ML-Gのグリップ長は225㎜。ファーストムービングにフォーカスしたロッドとしてややショートなレングスは、その分グリップも短く、サークルキャストやアンダーキャスト、バックハンドキャスト等のテクニカルなキャストを繰り出しやすい取り回しの良さを持っていますが、トップウォーターのドックウォークやジャークベイトでのジャーキング時はやや長く感じるのも確か。キャスト精度とロッド全体のバランスを上げて、長時間快適に巻き続けるためのグリップレングスを考えるべきでしょう。

ブランク

ロッドの性能を大きく左右するブランクは約60%がカーボン、残りの40%にグラスを使用したコンポジットブランクを採用しています。それをハイパワーXで強化し、グラスとは思えないほどのシャープな振り抜き感と操作性を作り出しているのが、今回紹介するエクスプライド163ML-G最大の特徴と言えるでしょう。適応するウエイト幅が大きなグラスコンポジットながら、MLとしたブランクパワーは、様々なフィールドでメインとなりやすい3/8oz(10g前後)のハードベイトを中心に様々なハードベイトの実力を引き出すセッティングとなっていて、小さな負荷でもしっかりと曲がるレギュラーテーパーは、ややキャストしにい軽めのシャッドプラグでも正確にキャストする事が出来ます。

リールシート

マットラバーコーティングにより見た目にも高級感があるエクスプライドシリーズのリールシートは、シマノ独自の素材CI4+を使用し、どんな人でも握りやすく高強度と軽さ重視したコンパクトデザインで優秀な感度と操作性が印象的。長時間の使用でも疲れにくく、軽く握っても力を入れやすいディテールは油断している時の不意打ちバイトもしっかり対応できる作りと言えます。

ガイド

ロッド自体の性格や性能に大きく関わるガイドはエクスプライドシリーズ統一のステンレスフレーム+SiCガイドの組み合わせでミドルクラスの定番と言えるセッティング。軽量でキャストフィールに優れ、トラブルの少ないセミマイクロガイドを用途やテクニックに合わせた専用セッティングとする事でブランクスの性能を引き出しています。コストパフォーマンスを優先しながらも必要な部分にはしっかりとコストを掛ける所はエクスプライドシリーズがハイエンドモデルに匹敵する最大の要因となっています。

エクスプライド 163ML-G実釣インプレッション

テストしたルアーの一部。ここに写っているモノ以外にも小さめなビッグベイトやディープクランクなど、一通りのハードベイトをテストしています。

エクスプライド 163ML-G & ファーストムービング

低弾性カーボンとグラスのメリットを最大限に引き出したセッティングのエクスプライド 163ML-Gは、非常に幅広いハードベイトにマッチします。特に7~14g程度、ただ巻きで使用する事が前提のハードベイトは何のストレスも無く使えますが、他のコンポジットブランクと比べてカーボン比率を高めたハリのあるブランクは、グラスロッドに不慣れなアングラーさんでもコントロールしやすく精度の高いキャストが可能。ボトムノックや際どいカバークランキングなど、ルアーをストラクチャーにタッチさせる事が多い釣りほど独特のブランク特性が活きるでしょう。ジャークベイトやポッパー、ペンシルベイトなどロッドワークを必要とするハードベイトも扱えますが、かなりレギュラー寄りのテーパーと少し長めのリアグリップは個人的に少しストレスを感じます。3/8oz程度のスピナーベイトやチャターベイトなどのワイヤーベイトではキャストこそ問題ないものの、フッキング時はロッドのパワー不足が目立つので、ディスタンスのあるシチュエーションでの使用には注意が必要です。

エクスプライド 163ML-G & ワーミング

グラスコンポジットであるエクスプライド163ML-Gは、ハードベイトでのスキル向上を狙う中~上級者のアングラーさんが使用するロッドなので、スローダウンゲームをやろうとは思う方はいないと思いますが、このロッドはファーストムービングにフォーカスした特性の強いロッド。ジグやワームの釣りをするなら、まだワカサギ釣りの竿の方が向いていると言えるほどなので、仲間内での罰ゲームや極端なタックル制限で自分を間違った方向に追い込むタイプの変態アングラーさん以外は止めておきましょう。

エクスプライド 163ML-Gの特徴

ここではエクスプライド 163ML-Gが持つ優れた特徴を3つご紹介します。それぞれのロッドが持つ強みを知っているとそのロッドの性能を引き出しやすくなり、より使いやすくなります。

幅広いハードベイトに対応する高いバーサタイル性能

グラスロッドが持つ特性の1つに、幅広いウエイトに対応出来る部分がありますが、エクスプライド163ML-Gはそんなグラスロッドのメリットを最大限に活かして様々なハードベイトにマッチする特性を持たせた1本。コンポジットながらしゃっきり感のあるシャープなブランクは、5g以下の非常に軽量なハードベイトを少しだけ苦手とするものの、ほぼ全てのハードベイトを扱える特性を持ち、これからグラスロッドに挑戦したいアングラーさんにはうってつけのロッドと言えるでしょう。

また、特に持ち運ぶタックル数に限りがあるオッカパリゲームやレンタルボートなどではエクスプライド163ML-Gのハードベイトに対する幅広い適応能力は非常に強力。1本持ち歩くだけで様々なハードベイトのパフォーマンスを引き出す特性は皆さんの「攻めの釣り」を強力にバックアップしてくれる貴重なロッドとなっています。

グラスらしい特性と高いキャストアキュラシーの両立

エクスプライド163ML-G使い込んでみて、非常に印象的だったのはグラスロッドらしからぬハリのあるブランク特性。明確なレギュラーテーパーはしっかりと曲がるので軽いハードベイトでもキャストしやすく、ややショートでシャープなロッドスペックは際どいコースやピンスポットへのキャストも高い精度でこなす事が出来ます。

この特性はロングキャストが絶対的な条件となるメジャーフィールドの広大なオープンウォーター攻略よりもむしろ、野池や小規模フィールドなどのオッカパリやリザーバーのレンタルボートスタイルのようなピンスポット攻略が釣果に直結するシチュエーションでとても有効。グラスロッド特有のネガをカーボン比率を高めて上手に消したブランクはハードベイトによる接近戦でこそ真価を発揮します。

しっかりとバスをコントロール出来るパワフルなブランク特性

カバー際やピンスポットを攻めるハードベイトゲームでは、カバー際でバイトした魚をストラクチャーから引き剥がせるだけのロッドパワーが必要不可欠となります。特に最近のグラスロッドというのはデメリットである自重を軽くするためにパワー不足となっているモノも多く、ここ一番の場面でパワーが足りずにせっかくバイトしたバスをコントロール出来ないロッドがチラホラあるのも事実。エクスプライド163ML-Gは軽いバイトでもしっかりノセるグラス特有のソフトなティップと、掛けた魚とのファイトを常に有利に進め、高確率で取り込めるパワーをバランス良く持ち合わせ、コアなエキスパートクランカーも満足するほどの高い完成度を誇っています。

先生
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エクスプライド163ML-Gはハードベイトによるショートディスタンスでのカバー攻略で威力を発揮するロッド。オープンウォーターではもう少しレングスが長く、よりグラスらしい特性を持ったロッドと使い分けると効果的でしょう。

エクスプライド 163ML-G実釣インプレッションまとめ

エクスプライド163ML-Gはグラスロッドのメリットとカーボンの利点を上手にミックスアップしたロッド。素直で扱いやすい特性は初心者の方にもうってつけのスペックとなっています。

エクスプライド 163ML-Gと相性抜群のリグ&ルアー

・7~20gまでのただ巻き系トップウォータープラグ
・中~小型の羽根モノルアー
・1/2ozクラスまでのただ巻き系ミノー、プロップベイト
・タイニークランクから3mダイバーまでのクランクベイト
・バイブレーションプラグ
・大きめのシャッド

以上がエクスプライド163ML-Gとの相性が光る代表的なルアーになります。

中~小型のハードベイトというのは野池や小規模フィールドなど、比較的プレッシャーの高いフィールドで非常に有効となりますが、幅広いファーストムービングルアーを一本で高次元対応するエクスプライド163ML-Gは本当に頼りになります。グラスながらも特徴的なシャープでハリのあるブランクは操作性も高くピンスポットの攻略を得意とし、軽めのハードベイトでも思い通りにキャスト出来る性格と突発的なバイトへの追従性能はこの手のロッドならでならではと言えるでしょう。しっかりとしたパワーはバイトしたバスに主導権を渡さずコントロール出来るのはもちろん、感度の十分あるので記事内でも触れたようにボトムノックや際どいカバークランキングなど、ルアーをストラクチャーにタッチさせる事が多い攻めの釣りほど有効。ハードルが高いとされるカバークランキングを一気に身近なものへと変えてくれるでしょう。

明確なコンセプトを持ったショートレングスコンポジットの威力。

皆さんもその優位性を、ぜひフィールドで体感してみてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


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