適度なボリュームとアピール力を兼ね備え、スナッグレス性能を生かして厳しいスポットもじっくりと誘えるネコリグ。ライトリグの中では後発の部類になりますが、高い実釣性能を活かした幅広い適応能力と別格の食わせ能力は、私達サンデーアングラーはもちろん、トッププロにとっても無くてはならない存在となりました。
ところがそんなネコリグ、同じワームを使用しても実はセッティング次第で性能や特性が大きく変化するリグであることを知っていますか?
しっかりと作り込まれたネコリグは、すさまじいまでの実力で私達アングラーを強力にサポートしてくれますが、完成度の高いネコリグを作るには豊富な経験と知識が必要不可欠。
今回はそんな反則級ネコリグの作り方から、実釣性能を引き上げるためのセッティングのコツ、実力を発揮させるためのパーツ選び等、ネコリグに対する疑問を一挙に解決できるコンテンツを網羅してご紹介します!
Contents
ネコリグの作り方
ここでは熱収縮チューブを使用したオーソドックスなネコリグの作り方をご紹介します。各セクションをしっかりと丁寧に作り込めるか?がワームを性能を引き出して釣れるネコリグを生み出す秘訣です。
用意するもの
・使いたいワーム
・フック
・シンカー
・熱収縮チューブ
ワームに熱収縮チューブを通す
先ずはワームに熱収縮チューブをセットします。
手でかんたんにセット出来るのでチューブ中央にワームを通し、固定したい場所までズラすだけです。
あらかじめ適当な大きさにカットした収縮チューブをワームに通しますが、ここでは大切なのは収縮チューブをなるべく小さめにカットして使う事です。
収縮チューブは大きすぎると、その分ワームをホールドしてしまい、ワーム本来のアクションをスポイルしてしまいます。しかしながら収縮チューブの強度はそれほど高くもないので、小さすぎるとワームが飛んでしまいます。使用するワームやシンカーによって大きさは変わるので一概には言えませんがおおむね1㎝以内が望ましいサイズと言えます。
収縮チューブの場所を決めたら熱を加えてチューブを固定する
ワームの形状にもよりますが、ネコリグのフックはワームの半分よりやや前方(シンカーを挿入している頭方向)にセットします。この部分は感覚的な部分が多く、言葉で伝えにくいですが、数字に置き換えればワームを10等分した時の4番目の位置が理想となります。
熱収縮チューブは文字通り、熱を加える事で収縮します。自宅であらかじめ用意する場合はドライヤーを、フィールドで用意する場合はライターで軽くあぶるとかんたんにセット出来ますが、あぶりすぎるとチューブの強度が著しく低下し、ワームも溶けてしまうので気を付けましょう。
ワームのヘッド部分(頭部)にネイルシンカーをセットする
次にネイルシンカーをセットします。
ネイルシンカーは真っ直ぐしっかりと差し込む事が大切です。
真っ直ぐ刺さないとステイ中の姿勢やキャスト時の飛行姿勢が乱れ、いちじるしくパフォーマンスが低下します。正確に真っ直ぐ差し込むのは難しいですが、せめて真っ直ぐ刺すように心掛けるようにしましょう。
たまに感度が上がるので・・・という理由からシンカーの先をワームから出している方を見かけますが、あれ、実際にはほとんど効果がありません。シンカーがダイレクトにラインへ触れていれば効果はありますが、ネコリグはその構造上シンカーが受けた細かい振動はワームが吸収してしまいます。ネコリグで多発するシンカー抜け落ちの原因にもなるので、しっかりと差し込みましょう。
フックをセットする
最後にフックをセットして完成です。
フックをセットする際はなるべくうすく刺すようにしましょう。
ここがかなり重要なポイント。
しっかりと刺せばワームをホールドする力も強くなるのでワームも長持ちし、ワーム飛びも最小限に出来ますが、しっかり刺してしまうとワームの自由度を奪ってしまい、ストレートワームが本来持っているなめまかしいアクションや、バイトの引き金となる自発的なアクションを邪魔してしまいます。
この部分はネコリグの使い込み頻度と経験がモノを言う部分となりますが、ワームが飛ばない程度に薄く刺す事を心掛けましょう。
完成!!
しっかりと作り込まれたネコリグは適当に作ったネコリグと比べてアクションもキレイでバスからのバイト数も雲泥の差が出ます。ネコリグを作る時に気を付ける各セクションのコツを意識して、ワームの性能を極限まで引き出した悪魔的実釣性能を発揮する究極ネコリグを皆さんの武器にしてください!!
ネコリグにおすすめのフック
ネコリグには一般的にマスバリが多用されますが、たくさんの種類がリリースされているマスバリは用途も様々。ライトリグの中では比較的ボリュームとのあるネコリグには相性の良いフックが存在します。
ネコリグおすすめフックその1 ノガレス モスキート ヘビーガード
ノガレスのモスキートは、ガード付きマスバリのパイオニア的存在。ファインワイヤーを使用したガード部分は必要なスナッグレス性能を発揮し、細軸のフックはロッドパワーの弱いスピニングタックルでもしっかりとフッキング出来ます。ゲイプの幅も広く、様々なワームにマッチングしますが、作りが繊細な為乱暴に扱うと直ぐにワイヤーガードがダメになったり、フックが折れたりしてしまうので注意が必要です。最近ではガードを強化し、フック自体も太軸にしたワイルドモスキートもリリース。ベイトフィネスで使う場合はこちらをチョイスすると良いでしょう。オリジナルスワンプクローラーには#1がベストマッチ。
ネコリグおすすめフックその2 デコイ ボディーガード ワーム107
関東のリザーバーフリークの意見をとり入れ、関東でのテストを重ねたスモールフック「ボディーフック ワーム23」に、立木周りやガレ場等を完璧にカバーする、強すぎず、弱すぎない絶妙なワイヤーガードを搭載したボディガードは、ストラクチャーへの余計なスタックを解消しつつ、フッキングを妨げないしなやかなガードが特徴。バランスの良い総合性能はネコリグとの相性も抜群で、完成度の高いネコリグ作りを強力にバックアップしてくれます。
スナッグレス性能の高いネコリグ用オフセットフック
ベイトフィネスの登場でカバー攻略に注目が集まるネコリグ。それに伴って近年ではネコリグ用のオフセットフックも多数登場しています。
ネコリグおすすめオフセット ハヤブサ N.S.S.フック
オフセットでセットするスナッグレスのネコリグフックとして、各方面から高い評価をを得ているのがこのN.S.Sフック。通常のマスバリスタイルと比べてワーム自体の動きを制御してしまうのでオープンウォーターでのアクションは硬くなりがちですが、カバーやストラクチャーに対するスナッグレス性能は天下一品。後に多くのフォロワーを産んだ傑作ネコリグフックと言えるでしょう。
ネコリグのフック、刺し方と向き
ネコリグのフックセットで多いのが、タテにセットするのか?ヨコにセットするのか?の問題。永遠に答えの出ないと思われるこのテーマも、しっかりとネコリグを使い込んで行けばそのメリットと使い分けが見えてきます。
ネコリグフックセット方法その1 タテ刺し
フックのタテ刺しはスナッグレス性能が高く、アクションに安定感が出るメリットがあります。ラインアイの位置が上を向くので小さい力でもワームがアクションしやすくなりますが、フックセッティングが少々難しく、しっかりセットしないとワーム本来のアクションが出にくいデメリットがあります。ネコリグの扱いに慣れた中~上級者向けのハイリスク・ハイリターンなフックセッティングと言えるでしょう。
ネコリグフックセット方法その2 ヨコ刺し
ヨコ刺しは、フックをかんたんにセットしやすく、ワーム本来の動きを出しやすいメリットの他、ワーム飛びのリスクを減らせる特徴があります。フックの位置やセット方法をそれほど意識しなくても手軽にワームの性能を引き出せますが、タテ刺しと比べてスナッグレス性能は低め。カバー突破力も弱く、ラインアイの自由度が高いのでアクションが安定しないデメリットもあるので、使う場合はオープンウォーターや地形変化のサーチ、ちょっとした沈み物に限定しましょう。
ネコリグのおすすめのネイルシンカー
ここではネコリグで使用するネイルシンカーのおすすめをご紹介します。各メーカーごとに様々なシンカーをリリースしていますが、ネコリグ用ネイルシンカーで大切なのは抜けにくい事とワームの動きを邪魔しないコンパクトなサイズである事。ワームだけが飛んで行ってしまったり、シンカーが抜け落ちるトラブルを考えれば消耗品ともいえるネコリグにはコストパフォーマンスも大切なファクターとなってくるでしょう。
ネコリグシンカーその1 ダイワ バザーズワームシンカーTGネイル
大手メーカーが手掛けるネイルシンカーは、品質、基本性能、コストパフォーマンス、全てが高次元。プロパックと呼ばれる大容量パッケージでは、他の追随を許さない圧倒的なコストパフォーマンスを発揮しますが、思っている以上に取り扱い店が少ないのがたまにキズ。
ネコリグシンカーその2 レインズTGネイルシンカー
ベーシックな作りで、高い総合性能を持つレインズのTGネイルシンカーはプロの間でも使用率の高い高品質なネイルシンカー。理想のネイルシンカーに迷ったらコレ!と言えるような信頼の性能は強力にアングラーをサポートしてくれます。
ネコリグにおすすめシンカー番外編 ボレアス アノストシンカーTG
ビッグワームを使用する場合やテキサスリグを使うようなぶ厚いカバーを攻略したい時、早い動きでリアクションを狙いたい時などに使用したいのがヘビーウエイトのネイルシンカー。その中でもアノストシンカーはスクリュー状のネイル部分とフットボールジグのようなヘッド形状でヘビーウエイトシンカーに求められる性能を高次元でクリア。マニアックな仕様ながら使いやすい性格が特徴的です。
ネコリグ用シンカーのおすすめの重さ
ネコリグに使うシンカーの重さは使いたいシチュエーションや状況、ワーム自体のサイズによりますが、オッカパリゲームで通常サイズのストレートワーム(4~6インチ程度)であれば基本ウエイトは1.3g(3/64oz)と1.8g(1/16oz)がメインウエイトとなります。
この両者、使い分けはとってもシンプルで、通常は1.8gをメインで使用し、バスのポジションが浅そう(バスが浮いていそう、中層にサスペンドしていそう)なら1.3gにローテーションします。
また、使用するウエイトが軽ければ軽いほどネコリグのアクションはナチュラルになります。1.8gシンカーで思うようにバスからの反応が帰ってこない場合にはネイルシンカーのウエイトを軽くしてみると良いでしょう。
ネコリグ用シンカーが抜けてしまう時の対処法
ネコリグを使い込んでいると良く多発するのがシンカーが抜け落ちるトラブル。発生するとテンションが低下するやっかいなトラブルですが、ひと手間加えるとその確率を大幅に下げる事が出来ます。
シンカー挿入口をライターであぶってふさぐ
最もかんたんで効果の期待できる方法は、シンカーを入れた穴をライターなどであぶってふさぐ手法。上手にやれば高い確率でシンカー落ちを防止出来ますが、ワームの形が変わってしまうとアクションにも影響が出るのでやりすぎには気を付けましょう。
シンカーを挿入したら瞬間接着剤を一滴垂らす
この方法は非常に高い精度でシンカーをホールド出来ますが、接着剤を使いすぎるとワームが固くなってしまいアクションに影響が出ます。
また、タングステンのシンカーは接着剤に触れると化学反応を起こして熱を発するので、接着剤の使用は必ず一滴にとどめましょう。
おすすめネコリグ用チューブ、Oリング、ストッパー
ネコリグにとって一番多いトラブルであるワーム飛び。
完全に自由を勝ち取ったワームが見たこともない飛距離を叩き出して飛んで行く様は見ているだけで強烈な失望感を誘いますが、それらを未然に防ぐチューブやOリング、ストッパーの存在は快適な釣行やメンタル保持のためにも無くてはならない存在です。
ここではそんな影の立役者、チューブ、Oリング、ストッパーのおすすめをご紹介します。
アクティブワッキーチューブ6㎜
ワッキーチューブの利点は何と言っても使いやすさと高い適応能力です。熱を与えるだけで約40%も縮む特性は幅広いワームに使えコストパフォーマンスも抜群!使い方次第で様々な可能性を見出せますが、欠点としては耐久性が低いところと、使い方によってはワームをホールドする部分が大きく、アクションに影響を及ぼす部分があります。
ノガレス ネコリグマスター
ノガレスのネコリグマスターは革新的なコイル式ストッパーを採用し、ネコリグでは使いにくかった自重のあるワームや、身切れしやすいワームでのフルキャストやスキッピングを可能にしたスーパーアイテム。高いホールド力は非常に魅力的ですが、使えるワームとフックの幅が狭く、ネコリグでメインとなる4~6インチのストレートワームには相性が悪いので大きなワームを使ったネコリグで真価を発揮するタイプのストッパーです。
サワムラ ネコリングセッター
Oリング系のアイテムはワームをホールドする部分が圧倒的に少なく、ワーム本来のアクションを大いに引き出せる部分にあります。取り付けもそれほど難しくなく、初心者の方でも使いやすいですが、ワームサイズに対する対応力はそれほど優秀ではなく、ワームの自由度が高くなりすぎるのでアクションが安定しないデメリットを持っています。
G-SEVEN ワームプロテクトチューブ
熱収縮チューブの強化版のような作りで高い安定性を持つプロテクトチューブ。収縮チューブと同じくワームの動きをホールドしやすい特徴がありますが、一度セットしてしまえば決して外れないような作りはとても魅力的。装着には専用のプライヤーが必要でセットするには少し手間がかかるので釣行前にあらかじめ量産していくと良いでしょう。
※この商品は使用時に専用のプライヤーが必要となります。
バスマーク ネコストッパー
特殊形状のワイヤーを使用して圧倒的なホールド力が自慢のネコストッパーは、重いシンカーを使用した渾身のフルキャストにも対応できる新進気鋭のネコリグパーツ。ワームの大きさにもある程度対応し、装着はかんたんですが、ワームをホールドする部分がそれなりに大きく、アクションに影響を与えます。また、一度セットするとワーム本体へのダメージが大きいのもネコストッパーの特徴。ネコリグをどうしても遠投したい場合には強力なアイテムとなるでしょう。
ネコリグの実釣性能を飛躍的にアップさせるとっておきのシークレットチューン
ネコリグを使いこなす一部のコアなアングラーが実践しているシークレットチューンの一つにラトルの追加があります。ライトリグであるネコリグにラトルサウンドをプラスする概念はそれほど定着しているものではありませんがその効果は絶大。特に水が少し濁っている時や増水時、ローライトコンディション、春先のシャローなど、やる気のあるバスはいるけど個体数が少ない状況や、バスがルアーを発見しにくい状況で強烈な実釣性能を発揮します。
作り方はかんたん。ネコリグにシンカーをセットする際、シンカーの前にラトルを挿入してからシンカーをセットするだけ。不格好になりますが、その威力と破壊力はすさまじく、現役のトーナメンターだった私を何度も表彰台に導いてくれた必殺のリグです。
先ずはフック等を差し込んでラトルとシンカーが入りやすくします。
ラトルを先に挿入して(今回のラトルはMサイズを使用しています。)
シンカーを装着
少し不格好ですが、これで完成です。
ネコリグの実釣性能を引き出すタックル(ロッド)
ネコリグはライトリグながら適度なボリュームと自重があるのでスピニングタックルの他に、ベイトフィネスでの使用が一般的になっています。スピニングタックルで通常セッティングのネコリグを使う場合にはL~ML程度のパワーを持ち、操作性の高い繊細なティップを持った6フィート前半のロッドレングスが好ましいでしょう。
ネコリグではリグの正確で繊細な操作が釣果を左右します。オカッパリゲームの場合、広いエリアを効率良くサーチするためにはある程度のキャスタビリティーも必要ですが、通常のネコリグであればL~MLのロッドでキレイに曲がり、キャストする事が出来るでしょう。Lクラスよりもやわらかいロッドではネコリグの強い水押しにロッドが負けてしまい、思い通りのアクションをつけられない可能性があるので注意が必要。地形変化や沈み物をメインにサーチするネコリグでは感度が高めで細かい操作性に優れたファーストテーパーのロッドが使いやすく感じます。ロッドのレングスについてもあまり長すぎる物は繊細な操作をしにくくなってしまうので長くても6.6フィート程度の扱いやすいレングスが良いでしょう。
ネコリグには極めてベーシックなスペックのスピニングロッドがマッチしたりします。
中でもゾディアスの264Lはバーサタイルな性格ながらもネコリグとの相性は抜群。レングスも申し分なく、もう少しティップが硬ければ最高のロッドになっています。
また、ベイトフィネスでは様々なパターンが考えられます。詳しい内容は過去記事にまとめていますのでそちらをご参照下さい。


悪魔的実釣性能を持つネコリグの作り方 最後に・・・
ここまで私が持つネコリグの知識を出来るだけ分かりやすく、かみ砕いてお伝えしてきましたが、皆さんに上手に伝えることができたでしょうか?
実は私のネコリグにも基本を教えてくれた師匠的な存在の方がいます。
ライトリグの使い手としてはかなり有名で、バス釣りをしている方なら誰もが一度は耳にした事のある方ですが、その方から教わった究極のネコリグは私なりのアレンジをプラスされて他の仲間たちに受け継がれていっています。
特にプロフィールページのあの子に真っ先に教えたリグは今回紹介したネコリグ。
それほどまでに私にとって一番の自信作であるネコリグを今度は皆さんの手でアレンジし、すさまじいまでの実力を持ったリグに仕上げて頂ければと思っています。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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