コアなクランカーが高確率で愛用しているグラスロッド。
グラスロッドはクセも強く中~上級者向けのロッドと言えますが、浅いバイトをしっかり掛けるノリの良さや軽いルアーをキャストしやすい特性はカーボンロッドに無いものであり、ハードベイトの実力を引き出すにはうってつけのロッドと言えます。現在ではグラスロッドの実力が見直され、たくさんのモデルがリリースされていますが、使ったことのないロッドを選ぶには選ぶための基準が必要であり、初心者の方にとっては”最良の一本”を選ぶのもひと苦労。何を基準にして選べば良いかわからない方も多いと思います。私自身もグラスロッドを20年以上愛用していて今まで様々なグラスロッドを使い込んで来ましたが、今回はグラスロッド初心者の方に向けて実際にロッドテスターとして私個人が使い込んだ数々のグラスロッドの中で、「これは本当におすすめ!」と言えるグラスロッドを紹介します。
この記事が、皆さんのグラスロッド選びの参考になってくれれば・・・と思います。
Contents
グラスロッドを選ぶ時に注目したいポイント

グラスロッドはお世辞にも幅広いルアーと使い方に対応するマルチなロッドではありません。むしろ一定の条件を満たした時に他のロッドには無い高い実釣性能を発揮する特化型のロッドと言えます。
つまりしっかりとした条件が揃っていないと使いにくいばかりか使い物にならないロッドとなってしまうワケですが、皆さんがグラスロッドを選ぶ時は
・どんなフィールドで使いたいか?
・どんなルアーをメインで使いたいか?
この2点をイメージして選んでみて下さい。
どんなロッドもそうですが、グラスロッドも「メインで使いたいルアーは小型のシャロークランクなのか?しっかり潜るミドルダイバーなのか?クランクベイト以外にもスピナーベイトやバイブレーション、トップウォータープラグもキャストする事が多いのか?よく使うシチュエーションは小規模なフィールドなのか?琵琶湖のようなビッグフィールドなのか?」このような要素で求められるスペックも、理想とするスペックも変わります。
先ずはグラスロッドの性格を大きく左右する要素を3つご紹介します。
それぞれの特徴がどのようにロッドの性格を決めるのか解説しますので、皆さんはグラスロッドに求める理想的なスペックをイメージしてみて下さい。
皆さんが思い描いたスペックに最も近いグラスロッド。それが皆さんにとって、もっとも相性の良いグラスロッドと言えるでしょう。
ロッドのレングス(長さ)
グラスロッドは非常にしなやかで曲がりやすく、決して操作性が高いロッドとは言えません。長いロッド=遠投かしやすいというイメージがあるかもしれませんが、グラスロッドは反発力が低いのでそれほどロングキャストには向いていません。
しなやかで長いグラスロッドというのは正確なキャストをむずかしくしますが、その代わりにトレースコースの幅が増えます。グラスロッドで扱うようなハードベイトでは、ストラクチャーに対してルアーを通す位置や角度で釣果が大きく変わることがあります。
特に足場の限られるオッカパリゲームにおいて、この特性は非常に重要な要素となりますが、フィールドによってはトレースコースよりもキャストの精度を重視した方が良いフィールドもあります。霞水系のゴロタエリアや琵琶湖のウィードなど広いエリア一帯をサーチする事が多い方は長めのレングス、小規模な野池やリザーバーのレイダウンのようにピンスポットを正確に打ち抜くようなキャストが効果的なフィールドでは少し短めのロッドが良いでしょう。
また、メインで使用するルアーによってもベストなレングスは変わります。
クランクベイトやスピナーベイト、バイブレーションなどロッドワークを必要としないハードベイトなら長め、トップウォーターやジャークベイトなどロッドでアクションをつけるようなハードベイトでは短いレングスの方がメリットが多くなります。
対応するルアーウエイト(メインで使用する予定のルアーの重さ)
対応出来るルアーウエイトの幅が広いのもグラスロッドが持つ特徴の1つですが、グラスロッドはしなやかなゆえにルアー自体の重さやルアーが受ける水の抵抗(巻き抵抗)の強さに非常にシビアな性質を持っています。
グラスロッドの最大のメリットはバスのバイトに対する追従性、つまりは”ノリの良さ”ですが、ルアー自体のウエイトや巻き抵抗で曲がり切ってしまっているロッドでは本来の性能を発揮出来ません。
グラスロッドには各モデルによって対応できるルアーウエイトが違います。自身が使用するハードベイトのウエイトや巻き抵抗をイメージしてロッドを選ぶと良いでしょう。
ロッドの硬さ(ロッドのパワー)
最後はロッドの硬さ(パワー)です。
ロッドにはM(ミディアム)やML(ミディアムライト)など様々な硬さ(パワー)がありますが、グラスロッドではこの硬さ(パワー)によって扱いやすいハードベイトがだいたい決まってきます。よく使われるところで言えば・・・
MLクラス
小型のトップウォーター、タイニークランク、大きめのシャッドプラグ、フラットサイドクランクやシャロークランク、1.8m程度潜る巻き抵抗が軽めのクランクベイト(ブリッツやワイルドハンチなど)
Mクラス
3/8ozまでのトップウォーター、シャロー~2.5mくらいまで潜るクランクベイト、3/8oz以下の軽めなチャターベイト、スピナーベイト、バイブレーションなど
MHクラス
1ozクラスのトップウォーター、小型のビッグベイト、スイムベイト、ミドル~ディープクランク、1/2ozクラスのチャターベイト、スピナーベイト、バイブレーションなど
各モデルの特性や性格にもよりますが、それぞれのロッドパワーと相性が良いハードベイトはこの様な形になります。皆さんがどのハードベイトを多用するのかによってロッドを選ぶと良いでしょう。
グラスロッドおすすめ5選
グラスロッドを使ってみたいけど、実際にどの機種を選んで良い分からない。そんな方も多いと思います。ここでは私が実際に使い込み、自信を持ってオススメ出来るグラスロッドを5つ選びました。どれもが非常にロッドバランスが高く、末永く皆さんをサポートしてくれる優秀なロッドになっています。
おすすめ その1 シマノ ゾディアス170M-G
スペック
長さ:2.13m(7.0ft)
重さ:132g
パワークラス:M(ミディアム)
適合ルアーウエイト:7g(1/4oz)~28g(1oz)
適合ライン:8~20LB
テーパー:R(レギュラーテーパー)
手の出しやすい価格帯で人気のゾディアスシリーズでは、170M-Gというグラスコンポジットロッドをラインナップ。7~28gという幅広いウェイトのハードプラグに対応し、クランクベイトなら潜行レンジ4.5mクラスまでカバーする事が可能なモデルで、グラスブランクをハイパワーXで締め上げたコンポジットブランクはカーボンの含有率が低く、グラスの特性を強く残した中~上級者向けの性格をした本格的なグラスロッドとなっています。
※コンポジット・・・グラスとカーボンを混ぜ合わせて作られた材質、または製法のこと。一般的にグラスのメリットとなる良い部分を引き出しつつ、デメリットとなる要素を最小限にとどめる効果が期待されます。
おすすめ その2 ダイワ リベリオン641MLFB-G
スペック
長さ:1.93m(6.4ft)
重さ:109g
パワークラス:ML(ミディアムライト)
適合ルアーウエイト:3.5g(1/8oz)~21g(3/4oz)
適合ライン:6~14LB
テーパー:F(ファーストテーパー)
数あるグラス素材の中でも非常に優秀で高品質とされるUDグラスをグラテック構造(いわゆるコンポジット)でまとめ上げたリベリオン641MLFB-Gは、短めのレングスと取り回しの良さが特徴的なモデル。しなやかでセンシティブなティップはポッパーなどの小型トップウォーターやプロップベイトなど細かいロッドワークを必要とする操作系ハードベイトはもちろん、カバークランキングに高次元で対応し、ウエイトの軽いタイニークランクやシャッドでもしっかりと曲がってピンスポットを攻め込める高いアキュラシー性能を持っています。バイト時には瞬時オートマチックフッキングするグラス特有の性格を持ち、バイトに持ち込んだバスをカバーから即座に引きはがす事の出来るバットパワーを両立させた特性はとても心強く、食い込みの良さ、バラシが少ないという従来のグラスの特性はそのままに、重くて太いというグラスロッドの欠点を克服し、ルアーの対応レンジも格段に広がった641MLFB-Gは、まさに最初のグラスロッドにふさわしいロッドと言えるでしょう。
おすすめ その3 レジットデザイン ワイルドサイド WSC-G66ML
スペック
長さ:1.98m(6.6ft)
重さ:140g
パワークラス:ML(ミディアムライト)
適合ルアーウエイト:7g(1/4oz)~14g(1/2oz)
適合ライン:10~16LB
テーパー:R(レギュラーテーパー)
レジットデザインのピュアグラスクランキングモデルは全4機種をリリース。カーボンコンポジットが主流の中、あえてのピュアグラスブランクはグラスロッド特有のメリットを最大限に体験する事が出来ます。重く、ダルいイメージが強いピュアグラスブランクにもかかわらず、使いやすさを感じるのはガイドセッティングや重量配分等、様々な工夫が盛り込まれているからに他なりません。その中でも今回取り上げたWSC-G66MLは、およそオッカパリゲームで使われる様々なクランクベイトと抜群の相性を持つ一本で、ネガカリ回避性能やバイトへの追従性、掛けたらバラさないしなやかさを、コンポジットロッドや張りの強いグラスとは比較にならないレベルで実現しています。あえてティップのブレを残すことでクランクの自由度を上げ、クランク本来のアクションを最大限に引き出すことが出来る特性は、中層高速クランキングでも薄皮一枚を乗せるフッキング性能と掛けたらバラさないしなやかさをあわせ持ったピュアグラスらしいロッドに仕上がっています。
https://youtu.be/qU21HdoLnBw
おすすめ その4 メガバス デストロイヤー トマホーク F4-66T
スペック
長さ:1.98m(6.6ft)
重さ:140g
パワークラス:M(ミディアム)
適合ルアーウエイト:7g(1/4oz)~28g(1oz)
適合ライン:10~20LB
テーパー:R(レギュラーテーパー)
日本のフィールドで最も使用頻度の高い、3/8~3/4ozクラスのハードベイトを主眼に置いたトマホーク F4-66Tは様々なルアーに高次元対応するファストムービングスペシャル。少しハリの強いブランクはシャープな操作性と使いやすさが特徴的で、オールラウンドなロッドスペックはクランクベイト、バイブレーション、スピナーベイトはもちろん、トップウォーターからチャターベイトまで対応。ハイブリッドグラス特有の粘りのあるブランクは、反発力を活かした高い遠投性能とキャスト精度を両立し、状況を選ばず活躍するハイスペック・ベーシックです。
おすすめ その5 ハイドアップ マッカレッド HUMRC-611MG
スペック
長さ:2.03m(6.11ft)
重さ:127g
パワークラス:M(ミディアム)
適合ルアーウエイト:10g(3/8oz)~21g(3/4oz)
適合ライン:10~16LB
テーパー:F(ファーストテーパー)
グラスロッドとしてはハリのあるブランクで、軽量で感度も高く使いやすさが光るハイドアップのマッカレッド HUMRC-611MGは2.5m前後ダイビングクランクを中心にトップウォーターからスピナーベイト、バズベイトやチャターベイトとのマッチングが優秀な1本。非常にロングキャストしやすい特性は活躍するフィールドを選ばず、最初のグラスロッドとしてはうってつけのスペックとなっています。数あるグラスロッドの中でもグラス特有のデメリットが少なく、グラスのメリットをしっかり感じることが出来る作りはロッドの絶対性能にこだわりのあるエキスパートの間でも評判が良く、この手のロッドとしては後発ながら豊富な信頼と実績を持っています。
グラスロッドおすすめ5選 最後に・・・
グラスロッドと言えば本場アメリカのロッドも非常に魅力的。こちらのセントクロイのモジョバスグラスシリーズは「クランクベイト専用タックルとしての性能を極限まで引き出す」という部分に強烈にフォーカスしたスペックのため少しクセがありますが、コストパフォーマンスも高く”グラスロッド使い”なら一度は手にとってもらいたいロッドと言えます。
グラスロッドは、使えるルアーや効果的なシチュエーションが限られてしまいますが、一度使ってその効果を体感してしまうと、なくてはならない存在になります。ひと昔前まではネガな要素が強くエキスパート向けなアイテムでしたが、最近のロッドは上手にグラスの良いところだけを引き出したモノが多くなりました。良いロッドとの出会いはアングラーのスキルを大幅に引き上げてくれます。皆さんもこの機会にグラスロッドに挑戦してみてはいかがでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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