圧倒的なボリュームとその存在感で、時として凄まじいまでの釣果を叩き出すロングワーム。
結果を重視するエキスパートやトーナメンターの間では、古くからキッカークラスのバスにとても有効なルアーとして使われて来ました。最近ではその実力を広く認められるようになって各社から様々な製品がリリースされるようになりましたが、タフ化が進む国内のフィールドにおいてインパクトの強いロングワームの性能を引き出すには経験と知識が必要と言えるでしょう。
そこで今回は、実績の高いおすすめのロングワームを中心に、有効な時期や釣果を伸ばす使い方をご紹介します。
Contents
ロングワームの有効な時期
ロングワームが威力を発揮するアフターの時期と言えばアジサイやハスの花が咲く時期。蒸し暑さを感じたらビッグシルエットが活躍する季節到来です!
大きなシルエットで存在感のあるロングワームは、どうしても「バスの活性が高いハイシーズンに活躍するルアー」というイメージが先行しますが、実際には年間を通して活躍する機会の多いルアーと言えます。特にバスがアフターとなる初夏(5月頃)から水温が下がり始める秋口(11月初旬くらいまで)はバスが大型のベイトをメインに捕食している事が多く、状況によっては通常サイズのリグよりも数倍以上の破壊力を発揮する事があります。組み合わせるリグや使い方によってはスピーディーにもスローにも誘え、トップからボトムまでオールレンジを探れる特性を考えれば、年間を通して出番のあるルアーと言えるでしょう。
ロングワームの実力を引き出すおすすめのリグ
扱いやすく抵抗感が少ないサイズ感ながら、ロングワーム特有の性能を合わせ持ったゲーリーヤマモトのカットテール6.5インチは、最も実績の高いロングワームの基本。あらゆるリグにマッチする対応力も特徴の1つと言えるでしょう。
数あるワームの中でもかなり個性的な存在であるロングワーム。そのボリュームと存在感を活かすためには、相性の良いリグが存在します。ここではそんなロングワーム特有のメリットを引き出せるおすすめリグを3つご紹介します。
ネコリグ
シンカーを使うことでロッドワークに対する操作性を高めながらも、ロングワームが持つ最大の武器である自発的アクションを引き出しやすいネコリグは、ロングワームとの相性が最も優秀なリグと言えます。ピンスポット攻略から広いエリアのサーチまで使える上にスピーディーな展開を可能とする特性は様々なシチュエーションで活躍する基本中の基本と言えます。
ワッキーリグ
ロングワームの大きなボディを最大限に活かし、少ない移動距離で存在感を放つワッキーリグは、ピンスポット攻略で真価を発揮するスローダウンに特化したリグ。他のリグと比べて非常にナチュラルなアクションはキャストして放置しておくだけでも、トップクラスのバイト誘発力を持っています。
フリーリグ
ボトム変化やストラクチャーに対して効果的となるのがフリーリグ。スナッグレス性能が高くロングワーム特有のナチュラルな自発的アクションをスポイルしない特性は相性も抜群と言えるでしょう。フリーリグの持つメリットを理解し、古くから組み合わせる事の多かったテキサスリグと上手に使い分ける事が出来るエキスパートやベテランアングラーにとっては、ロングワームのデメリットを打ち消してメリットを引き出せる最強の一角となり得るリグとなっています。
ロングワームにマッチするタックルとは?
ロングワームを扱う際、非常に悩ましいモノの代表格と言えばタックルセッティング。使うシチュエーションや組み合わせるリグによって多少変化しますが、ここでは長年ロングワームを使い込んできた私が基本としているロッドとリール、ラインのテンプレートセッティングをご紹介します。
ロッド
ロングワームと言えば、そのボリュームと自重が何よりの特徴。各モデルによって大きさが異なるのでベストなセッティングは多少変わりますが、基本的にはM~MHクラス程度のパワーを持ち、操作性の高いファーストテーパーを持ったロッドが好ましいでしょう。
また、ロッドのレングスについてはあまり長すぎると繊細な操作をしにくくなってしまい、ロングワーム特有のアクションを邪魔してしまうので長くても6.6フィート程度を中心に扱いやすいレングスが良いでしょう。
リール
ロングワームと組み合わせるリールはギア比の高いハイスピードのベイトリールが理想です。
とくにロングワーム最大の武器である自発的なアクションを引き出すにはラインテンションを抜いてフリーにする事が必要不可欠。ロングワームはフッキングのタイミングが重要なため、たるんだラインを素早く巻き取ってテンションを掛けられるギヤ比の高いハイスピードなリールは外す事が出来ません。また、ロングワームは思い通りアクションを引き出し、操れる操作性も大切なファクターと言えます。比較的コンパクトで手のひらへの納まりが良く、軽量な設計のリールがベストとなります。
ライン
ロングワームには、水に良くなじみ、感度も高いフロロカーボンラインがマッチします。シチュエーションによりラインの太さは変化しますが、ビッグバスのバイト率が異常に高い背景を考えると、カバー攻略やストラクチャー周りで使うなら14LB以上、サイトフィッシングやオープンウォーター主体で使うなら12lb前後を基準に選ぶと使いやすいでしょう。細いラインは水の抵抗も少なく、操作性も一気に向上するので、トーナメントシーンやエキスパートの間では10LBメインに使う方も多くいます。
実績で選ぶ!おすすめのロングワーム5選
元祖ロングワームの先駆けと言えばZOOM(現在はZBC)のマグナムトリックワーム。7インチの絶妙なサイズ感と様々なリグで高い実釣性能を発揮する特性は、初心者の方にもうってつけです。
じゃあ具体的におすすめなロングワームはどれ?
文章による理論的な説明よりも、実際に高い釣果を納めている実力重視のロングワームが欲しいと言う実釣第一主義の皆さんのために、ここでは私自身や周りのアングラーが実際に長期間使用し、非常に優秀なパフォーマンスを発揮した実力派ロングワームを5つ取り上げて紹介します。
一誠 スパテラ 7.8inch 10inch
“ドバミミズ” をモチーフにしたとされるスパテラは超ロングでボリューミーなデザインのボディと先端に設けた小さなフラットテールが特徴的なロングワーム。水嚙みが良く、小さな水流でもフレキシブルに動くボディは大きくスローな自発アクションを発生させ、王道のテキサスリグとのマッチアップはもちろん、キャロ、ネコリグでもその実力を発揮します。
イマカツ イールクローラー 7inch 10inch
バスが好むスキニ―なシンプルストレートシルエットをベースに、張り感の強いボディ素材と成型バリのような極薄のフィンが微細な水流をキャッチし「釣れる振動」を生みだしますイールクローラー。固めのマテリアルを採用したボディはシェイキングとの相性が非常に良く、ボトムに落としての一点シェイクはもちろん、少しずつ移動させながらシェイクをさせたり、完全にボトムを切ったシェイキングスイムも可能なほど、ロングワームと思えないほどのリニアな操作性を持っています。トーナメンターやエキスパートの間でも非常に評価が高く、たくさんの実績を納めるその実釣性能はロングワーム随一と言えるでしょう。
ベイトブレス ヴェイン 8inch 12inch
一見シンプルなストレート形状ながらも、ヘッドとテールの細かいディテールの違いから独自の自発的アクションを生み出すベイトブレスのヴェインは数あるロングワームの中でもたくさんのアングラーに信頼され、非常に使用率の高いアイテム。数あるロングワームのなかでも圧倒的な使いやすさはもちろんのこと、ボディ全体で適度に水を受けるセッティングは水中で前後非対称なアクションを生み出し、フォール中に発生させるナチュラルなアピールはタフな状況下でも強烈にバスを引き付ける力を持っています。
O.S.P ドライブクローラー9inch
4インチや5インチといった、レギュラーサイズのワームに見慣れたバスを攻略するために開発されたドライブクローラー9インチは、形状・素材硬度・比重のバランスに徹底的にこだわり、ただフォールさせるだけで生み出す自発的なクロールアクションが特徴的なロングワーム。ロッドアクションに対してもレスポンス良く反応する特性はメジャーなビッグレイクはもちろん、ハイプレッシャーな小場所や、ときに見えバスとの対峙でも非常に有効で、ライブリーなビッグシルエットは、時として百戦錬磨のビッグバスの口をこじ開ける爆発力を持っています。
レイサム メガミキ8inch 11inch
メリハリのあるロングボディと、その形状から生まれる繊細なアクションで琵琶湖を中心にビッグバスの切り札として使用されるレイサムのメガミキは、ナチュラルなアクションが持ち味のオリジナルモデルとアピール力重視のハイフロートモデルが存在します。二段階に倒れ込むような不規則な自発的アクションが持ち味のオリジナルはタフな状況下でのピンスポット攻略が有効であるのに対し、ハイアピールモデルのハイフロートはボトムで浮き上がったテールが強くアピールし周囲のバスを引き付けるほどの強い集魚効果があります。また、兄弟モデルとされる8インチと11インチですが、細身のボディシェイプでナチュラルなアクションが売りの11インチに対し、8インチの方はファットなボディ形状で水押しの強いセッティングであり、8インチと11インチはただのサイズ違いではなく、明らかに別物のワームになっています。状況やバスの活性に合わせて使い分ければ、強力な武器となるでしょう。
ロングワームの実力を引き出す使い方と釣果を伸ばすコツ

使い手によって大きく釣果が変わるロングワーム。もちろん、その特性を理解して扱う事は非常に重要ですが、ロングワームで釣果を爆発的に伸ばすには使い方にコツが必要となります。ここでは有り余るほどの実釣性能を持つロングワームの実力を100%引き出す大切なコツをご紹介します。
基本は大きく動かさない。ピンスポット攻略が吉
水の抵抗が大きく、自発的なアクションが魅力的なロングワームは広いエリアをサーチするより「ここぞ」と感じるスポットに切り札として投入する使い方がベスト。存在感の強い特性は少し離れた場所のバスにも有効にアピール出来る力を持っているので、キャストして放置しているだけでも向こうから近づいてバイトしてくれます。
バイトがあっても我慢。ゆっくり5秒数えてからフッキング!!
ロングワームを使用する上で一番難しいのはフッキングのタイミングでしょう。ハイアピールでナチュラルなアクションのロングワームはタフな状況下でも強烈なバイトが出やすく、ロッドを持っていかれる様なバイトに思わずフッキングをしてしまう事も多々ありますが早合わせは絶対に厳禁。ラインが走っても、ロッドにガツガツと手応えが帰ってきてもワームを飲み込ませるつもりでゆっくり5秒数えましょう。しっかりラインを送ってからフッキングすればロングワームのフッキング成功率は劇的に向上します。バスは数あるゲームフィッシュの中でもダントツにルアーをくわえている時間が長い魚なので焦らなくても大丈夫です。
おすすめのロングワーム5選と実力を引き出す使い方最後に・・・
10インチを超えるロングワームでも30㎝程度のバスがイメージしている以上にバイトしてきます。そのインパクトとボリュームに一番ビビッているのは実のところ人間なのかもしれませんね・・・(笑)
そのインパクトの強さと存在感に、どうしても抵抗感があるロングワーム。どうせ釣れないだろうと、私も使う前はその様な先入観を持っていましたが、ナチュラルなアクションは実に様々なサイズのバスに効果的と言えます。私自身も長年使い込んで来ましたが状況によっては鉄板のライトリグをしのぐほどの高い実釣性能は一度使えば皆さんが持っているロングワームへイメージを180度ひっくり返し、手放せない存在となるでしょう。タフな時こそライトリグよりもロングワーム。そう言い切るエキスパートやベテランアングラーの真意を確かめるためにもロングワームの可能性を皆さんのローテーションの一角に加えてみてはいかがでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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