極度のタフコンディション時やハイプレッシャー時に活躍するライトリグ。
その中でも非常に優秀な食わせ能力を持つダウンショットリグは、現代のタフタイムブレイカーとして高い使用率を誇ります。シンカーの重さとリーダーの長さ、そしてメインとするワームの組み合わせ次第で様々なベイトをイミテート出来る能力はとても使い勝手が良く、どんなフィールドでも効果的な特性はサンデーアングラーからトータメンターに至るまで、どんなレベルのアングラーにとっても「釣れない時の切り札的存在」としてなくてはならないリグの1つと言えるでしょう。
そんなダウンショットリグですが、驚異的な実釣性能がある反面、実は数あるライトリグの中でもひときわ繊細なライトリグ。使用するアングラーさんのスキルはもちろん、ロッドの性能次第でも大きく実力が変化するリグの代名詞となっていますが、本当に適したロッドを探すには実際にフィールドに持ち込んで使い込む必要があり、現実的には莫大な時間とコストが掛かってしまいます。そこで今回は、長年ロッドテスターとしてたくさんのロッドを使い込んできた私が、本当におすすめ出来るダウンショットリグ向けのロッドを5本と、その実力を引き出すために必要な性能をご紹介します。
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ダウンショットリグ用ロッドに必要な性能とは?
ダウンショットリグはシンカーよりもワーム本体がロッドに近いため、リグ全体をダイレクトにアクションさせられることが最大の特徴。まるで指先で操っているかのような繊細でハイレスポンスなアクション武器となりますが、その実力を限界いっぱいまで引き出すには以下のような性能ががロッドに求められます。
・軽量リグをストレス無くキャスト出来るティップのしなやかさ
ダウンショットリグはワームとシンカーの間にリーダーが入るため重心がバラけやすく、どちらかと言えばキャストしにくいリグとなります。また、メインとなるシンカーのウエイトがおおむね1~2g程度(あくまで平均値です。)と軽く、軽量でキャストしにくいリグを快適に扱うには少しの抵抗でもしっかり曲がってリグをはじき出してくれるしなやかなティップセクションが必要不可欠。シンカーのウエイトが1.3gくらいまでならULクラス、1.8~2.5g程度の重めなダウンショットならLクラスのロッドが使いやすいでしょう。
もちろん、シンカーのウエイトだけでなく、使用するワームの大きさもロッドっを選ぶ上でとても大切になる要素。2~3インチではULクラス、それ以上ではLクラスが使いやすいですが、自分が良く使うシンカーのウエイトとワームの大きさ組み合わせをトータルで考えて選びましょう。
ロッドパワー選びの目安(あくまで目安です)
ULクラス・・・シンカーのウエイト1.3g+ワームサイズ3インチまで
Lクラス・・・シンカーのウエイト1.8~2.5g以上+ワームサイズ3~4インチ
・小さなリグを繊細に操れる操作性
ダウンショットリグ一番の利点は何と言ってもワームをはじめとしたリグ全体を繊細に操れる部分です。リグのエンドに取り付けられたシンカーをアンカー代わりに使えばリグをその場にとどめてじっくりと誘い続ける事も可能。ライン上部にセットされたワームはロッドアクションにリニアに反応するためレスポンスが良く、ダイレクトな操作感はより生き生きとワームをアクションさせることが出来ます。卓越したスキルを持つエキスパートアングラーともなるとラインのスラッグやテンションを巧みに操り、リーダーの長さ分だけワームをナチュラルにフォールさせるというような高度なテクニックをも使えるようになりますが、そのためにはロッドの操作性がモノを言います。特にリニアなハンドリングには自重やロッド全体のバランス、取り回しの良さが重要視されますが、ダウンショットリグで大切なのはロッドの長さです。最近では6フィート前後のショートレングスが主流となっていますが、短めのロッドは総合的に自重も軽く、ロッド全体のバランスや取り回しの良さも優秀なものが多い傾向にあるので、ダウンショットリグのロッドを選ぶ際には6フィート前半のものを選ぶと失敗しないでしょう。
・ちょっとした違和感も感じ取れるセンシティブな感度
気難しいバスをバイトに持ち込むためには水中の変化を読み解いたベストなアプローチが大切。タフな状況下でじっくりと誘う事の多いダウンショットリグには、水中の状態がイメージできるほどのちょっとした違和感を感じ取れるほどの優秀な感度が必要となります。ウィードやストラクチャーの有無はもとより、ボトムの地形やマテリアルの変化など細いラインからたくさんの情報を知ることが出来ればその分アドバンテージは大きくなり、次の1匹につながる有効な一手や、状況を打開するための効果的なヒントを得る事が出来ます。

ベストなロッドレングスは使う方の体格はもちろん、フィールドのシチュエーションや状況によっても大きく変わります。厳密に言えば「どの位の重さのシンカーとどのサイズのワームを使うのか?」でも変わってくる部分なので、自分の良く通うフィールドや良く使うセッティングと相談してから選びましょう。
おすすめのダウンショットリグ特化型ロッド5選
上記したようにダウンショットリグが求めるロッドスペックはとても明確と言えます。ここでは私が実際に使い込み、ダウンショットリグと相性が良いと感じたロッドを5つ紹介。専用設計とも言える理想的なスペックは非常に扱いやすく、ダウンショットリグの実釣性能を存分に引き出し、皆さんの釣果を1ステージ上へと引き上げてくれるでしょう。
アブガルシア ホーネットスティンガープラス HSPS-601ULS MGS
レングス:6フィート
パワー:UL
適合ウエイト:1/48~1/8oz
適合ライン:2~5LB
「6フィート ジャスト」のレングスと、思い切った「ショートグリップ」を採用したアブガルシアのHSPS-601ULS MGSは「ロッドワークを必要とするライトリグ」にフォーカスして作られたロッド。まるで自分の手の延長のように操れる操作性は非常に高く、適度にマイルドさを持たせたテーパーデザインはダウンショットリグのみならず様々なライトリグに対応出来ます。今回紹介したモデルの中では最もコストパフォーマンスが高く、初めてダウンショットリグ専用のロッドを選ぶ方にはうってつけのロッドとなっています。
ジャクソン スーパートリックスター STS-511XL-AS
レングス:5フィート11インチ
パワー:XUL
適合ウエイト:MAX1/8oz
適合ライン:MAX4LB
24tのフルソリッドブランクを使用したジャクソンのスーパートリックスター STS-511XL-ASはスモールマウスゲームなどで出番の多い2インチ前後の極小ワームに1/16oz以下の軽量リグを操れるタフコンディション仕様。フルソリッドならではのトルクと粘りはライトラインの使用も安心して立ち回る事が出来ます。自重94gと6フィートを切るショートレングスは非常に取り回しも良く、フルソリッドのデメリットを感じさせない絶妙なセッティングはスモールマウスのみならずリザーバーやハイランドレイクの狡猾なビッグラージにも非常に効果的です。
レジットデザイン WSS-ST61UL “Solid Tip Model”
レングス:6フィート1インチ
パワー:UL
適合ウエイト:1/32~3/16oz
適合ライン:2~5LB
ソリッドとしては高弾性の30tソリッドカーボンティップを採用し、感度と操作性が低下しがちなソリッドティップの中では、極めてセンシティブで操作性に優れた特性を持つフィネススピニング。こちらから仕掛けていけるような攻撃的な味付けは、ブランクの特性を引き出せるガイドセッティングと相まって細身のブランクからは想像出来ないようなパワーとトルクを内包しています。軽さと操作性、しなやかさをバランス良くまとめ上げた高い完成度は繊細さを要求される対スモールマウスやハイプレッシャーなジンクリアレイクのフィネスゲームで最高のパフォーマンスを発揮します。
スミス ツアラーVスペック TVS-60XUL/FS
レングス:6フィート
パワー:XUL
適合ウエイト:1/64~1/8oz
適合ライン:1.5~4LB
「より繊細に、より高感度に、より軽量に」をコンセプトに掲げたツアラーシリーズの中でも、フルソリッドのブランクを採用しライトリグの操作性と感度にこだわったモデルが60XUL/FSです。ダウンショットリグで使用率の高いフロロカーボンラインとの相性を第一に考えた独自のガイドセッティングは、10メートルを超えるディープレンジで操る軽量リグであっても、ボトムの小さな変化や違和感を明確に伝え、アングラーに水中の状況を鮮明にイメージさせてくれます。また、フルソリッドならではのトルク重視のパワーとサスペンション効果は魚の動きやファイトにも瞬時に対応し、ライトラインを使用したハイレベルなフィネスゲームでも非常に頼れる存在となります。
ダイワ スティーズ 6011UL/LXS-SMT 【ファストホーク】
レングス:6フィート1インチ
パワー:UL
適合ウエイト:1/64~1/8oz
適合ライン:2~5LB
日本が誇るトップメーカー、ダイワのフラッグシップモデルであるスティーズシリーズからは、いくつかダウンショットリグ向けのロッドがリリースされていますが、ここで紹介するファストホークは最もとがったスペックを持つロッドと言えます。ティップセクションにはカワハギ用のロッドにも使われる超弾性チタン合金の『SMT(スーパーメタルトップ)』を搭載し、究極のとも言える操作性と感度を実現。スーパーディープの小さなボトム変化はもちろん、タフコンディション時の“キスバイト”さえもアングラーの手元までしっかり伝える高感度特性は、使い手のレベルに合わせてすさまじいほどの実釣性能を誇ります。
ダウンショットリグにおすすめのロッド 最後に・・・
数あるライトリグの中でも最も繊細な部類に入るダウンショットリグは非常に実釣性能が高く、タフな状況の多い現代のフィールドではなくてはならないリグとなっています。
一部のアングラーさんからはたまに「セコイ」などと言われてしまうこともありますが、どんな状況でもバイトに持ち込めるような圧倒的な安定感は本当に貴重な存在。様々なフィールドを転戦するトップトーナメンターのデッキ上に、必ずダウンショットのタックルが並べられる光景を見れば、その実力は火を見るよりも明らかです。トーナメンター時代から現在に至るまで、私自身も様々な状況でバス釣りを楽しんで来ましたが、「ダウンショットリグでは無くては釣れない!」という状況は今までさんざん体験してきました。ダウンショットリグがあるかどうか?で釣果が大きく変わる。それほど重要なリグになら、専用のロッドを用意する価値はあるのではないでしょうか?
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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