ナチュラルで控え目なアクションが作り出す優秀な実釣性能!
タフフィールドに強い特性と使いやすさで高い実績を持つ名作クランク!
クランクの好き嫌いはけっこう激しいちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回はエバーグリーンのリリースする大人気クランクで、非常に面白い特性を持つワイルドハンチの特徴と性能について解説していきます。
Contents
ワイルドハンチのスペック
出典:エバーグリーンインターナショナル様
Length : 52.0㎜
Weight : 9.6g
フローティング
Hook : EGトレブルマジック フロント#7・リア#5
カラー :36色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
ワイルドハンチの構造と外見の特徴
ここではワイルドハンチの主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
出典:エバーグリーンインターナショナル様
ワイルドハンチのリップ形状はラウンドに非常に近い形状をしています。3Dハイパーリップと呼ばれるリップデザインは非常に複雑な形状を持ち、大きい割には水を逃がしやすい特性で、実際に水を受けるのはラインアイ前方の小さなくぼみ部分になります。そのためシャロークランクとしてはかなり控え目なアクションで巻き心地も軽く、大きなシャッドのようなアクションは、結果としてオープンウォーターの中層クランキングでもバイトに持ち込める力を持っています。
リップの角度
出典:エバーグリーンインターナショナル様
ワイルドハンチのリップ角度は通常のシャロークランクよりも水平に近く、リップを抜けた水がそのままボディの背中に流れるような設定となっています。ラインアイは極端なほどリップの前方にあり、これによってシャロークランクには珍しくスイム姿勢が水平に近い態勢となるのでナチュラルなアクションを一層引き立ててくれます。
潜行レンジは1.2~1.6mとなっていますが、水を受けにくいリップ特性と水平なスイム姿勢により潜行能力はかなり低め。設定された水深へ到達するにはかなりのリトリーブ距離を必要とするので、イメージ以上に浅いエリアも長く攻める事が出来ます。
ボディ形状
出典:エバーグリーンインターナショナル様
複雑なボディシルエットを持つワイルドハンチのボディは、ボディ最下部にタングステン性の固定ウエイトを配置し、クランクベイトに大切な浮力と確保。高い浮力と低重心化を両立したボディは太いラインを背負ってもデッドスロー~ハイスピードまで幅広いリトリーブスピードに対応出来る高い安定感を持っています。
また、流れるようなボディデザインは空気抵抗が減り固定重心でも十分なキャスタビリティーと使いやすさを持ち、前後ヨコアイとした上でフロントフックの取付位置を少しリップ側へオフセットし、フック同士の絡みを回避した独自のフックセッティングは、リアのフックを2番手大きくする事でアクションの制御とバラシ軽減に一役買っています。
ワイルドハンチの特徴と長所
ここではワイルドハンチが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
タフコンデションでもバイトに持ち込めるナチュラルアクション!
シャッドのような控え目なアクションと水平に近いスイム姿勢で食わせ能力の非常に高いワイルドハンチは他のクランクと比べてタフコンデションに強く、オープンウォーターをただ巻いてくるだけでもバイトに持ち込める特性を持っています。
この特性は通常のシャロークランクが苦手とする水質が急激にクリアアップした状況やプレッシャーが強く掛かる状況などバスが強いアピールを嫌うような状況でも有効で、現在のフィールド事情には非常にマッチした特性と言えます。中層でバイトに持ち込めるほどのバイト誘発力は、バスのコンディションやフィールドの状況を選ばず、どんな時期でも安定した実力を発揮してくれます。
アングラーのスキルに左右されない使いやすさ
後に名作と呼ばれるハードベイトの必須条件として誰が使っても高い性能を引き出せる使いやすさがあります。
どんなに高性能なスペックを持つルアーでも誰も使いこなせないのであれば意味がありませんが、ワイルドハンチは初心者からエキスパートまでどんなアングラーが使っても使いやすくクランクに求められるキャスタビリティーや適度な巻き心地を高次元で持っています。
アングラーに使いにくさなどのストレスを感じさせず、かんたんに引き出せる高い実釣性能はおのずと長時間の使用につながり、結果としてたくさんの釣果と実績をもたらしてくれます。
どんな巻きスピードでもきっちり泳ぐハイバランスなボディ設定!
バスはコンディションや状況によって反応しやすいリトリーブスピードが変わるので、幅広いリトリーブスピードに柔軟に対応できる能力というのは優秀なハードベイトにとって欠かすことの出来ない性能と言えます。
時として釣果を大きく左右するファクターであるリトリーブスピードですが、ワイルドハンチは固定重心による高いボディバランスでデッドスローからハイスピードまで幅広く対応し、バスのコンディションに合わせてスイムスピードを調整する事が可能。タックルセッティングやラインの太さにも左右されにくく、どのような状況でも幅広く対応出来るスペックは、必然的に出番も増えるので結果として多くの実績を残す事が出来ます。
ワイルドハンチの感想とまとめ

「なんだこれ?」
シャロークランクに詳しい方がワイルドハンチをはじめて見たら、大体の方がこうなると思います。キレの悪いアクションと低いスナッグレス性能、クランクらしくないナチュラルなアクションは、普通に考えればゴミレベルです。
しかしそれは通常のシャロークランクの話。
ワイルドハンチはナチュラルで控え目なアクションとアピール力でタフコンデションに非常に有効な特性を持ったクランクベイトで、水平なスイム姿勢はバイトに持ち込む力も強く、通常のクランクベイトではバイトに持ち込めないシビアな状況でも結果を出しやすいその姿はシャロークランクとシャッドの良い所を足したようなクランクと言えます。
ゴロタやリップラップ、ブレイクなどリップの先端がはじめにコンタクトする地形変化にはある程度スナッグレス効果を期待できますが、大きなリップで物理的にスナッグレス性能を上げたセッティングは思ったよりもスナッグレス性能が低めで、通常のシャロークランクと同様に扱うとけっこうスタックします。タングステンを使ったゴージャスな固定重心の割にはアクションにキレがありませんが、結果として出来上がったシャロークランクらしからぬナチュラルアクションが今のフィールド事情に非常にマッチしたモノになっています。
特にラトルインタイプのモデルは早春の低水温期などで非常に強く、水がクリアな状態であれば元祖コールドウォータークランクのウィグルワートに釣り勝つほどの性能。
日常的にプレッシャーがかかるタフなフィールド状況にマッチしたアクション特性こそがワイルドハンチを釣れるシャロークランクにしている最大の要因と言えるでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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