洗練されたアクションに裏付けされた実釣性能は折り紙付き!
圧倒的な実績で今でも最上級の実力を誇る釣れるクランクの代名詞!!
元トーナメンター兼フィールドテスターのちかみやが、個人的に気になるルアーをテストして、独断と偏見でお送りするルアーインプレッションコーナー。実際に使い込んだ上でそのルアーが持つ特徴や長所などを超個人的な目線でインプレションしています。今回は数々のビッグトーナメントで輝かしい実績を収め、後発のダイビングクランクに様々な影響を与えた名作ダイビングクランク、ボーマーのファットフリーシャッドにフォーカスし、その特徴と実力を解説していきます。
Contents
ファットフリーシャッド(BD7F)のスペック
Length : 76.2㎜(3inch)
Weight : 21.0g(3/4oz)
フローティング
Hook :Xcalibur Tx3 Rotating Treble Hook#2×2
カラー:8色
使いやすさ
実釣性能
おすすめ度
ボーマー ファットフリーシャッドの構造と外見の特徴
ここではファットフリーシャッドの持つ主要なコンポーネントや内部構造などから、このルアーが持つ特徴や本来のポテンシャルをひも解いて行きます。
リップの形状
ファットフリーシャッドのリップ形状は、ダイビングクランクの基本形でもあるラウンドリップをベースにした複雑な変則型リップを採用しています。付け根部分を大胆に絞り込み、受けた水を大きく逃がす構造はダイビングクランクらしからぬ軽快な巻き心地を実現すると共に、直接ストラクチャーにコンタクトするリップの先端部分を扇状にワイド化する事により物理的なスナッグレス性能を大幅に向上させています。
リップの角度
ファットフリーシャッドのリップ角はダイビングクランクらしく、ほぼ水平と言ってしまっても差し支えない角度となっています。ミドル~ディープレンジを主戦場とするこの手のクランクベイトに必須となる高いキャスタビリティー性能やダイビング性能、優秀なスナッグレス性能を追い求めた結果たどり着いたこのリップセッティングは、、高いスナッグレス性能と理想的なスイムアクションを兼ね備え、相反する様々な要素を高次元でまとめ上げています。スイムレンジは約14~18ft(約4~5.4m)となっており、国産ディープクランクと比べてラインの太さに影響を受けにくい性格もこのクランクが持つ魅力的な部分となっています。
ボディ形状
十分な浮力とキャストしやすいボディウエイトを持たせつつも、ややフラットなボディデザインとなっているのがファットフリーシャッドの大きな特徴の1つ。はじめに目標とするルアーとしての性能を設定し、理想的なアクションを追い求める過程でたどり着いたような絶妙なボディ形状は、内部にラトルを搭載して優秀なアピール力と高いレスポンスを持っています。両立させたセッティングとなっています。セミフラットなボディは必要以上に水の抵抗を受けにくく、そのリップ形状にも裏打ちされた軽い巻き心地は、おおよそディープクランクとは思えないほどの使いやすさを実現させています。
ボーマー ファットフリーシャッドの特徴と長所
ファットフリーシャッドは4種類のボディサイズと有効レンジを持つシステムクランクですが、基本的な特性はシリーズ共通となっています。その中でもオリジナルモデルである最大モデルのBD7Fとjrと呼ばれるBD6Fは完成度とトータルバランスが素晴らしく、今でもトップクラスの実力を発揮します。
ここではファットフリーシャッドが持つ特徴を3つご紹介します。
それぞれのルアーが持つ特徴や長所、強み理解していれば、状況に応じて正確にルアーを使い分けられるようになるので、より多くのバスに出会えるチャンスが広がります。
セミフラットなボディが発する独特なウォブルアクション
ファットフリーシャッドと言えば、やはりその独特なアクション設定が大きな魅力。ディープレンジを攻めるダイビングクランクは、ダイビング性能や巻き心地などの合理性から、基本的にロールをメインとするナチュラルなアクションセッティングが大半を占める中、ファットフリーシャッドはややタイトながらもしっかりと水を押してアピールするウォブルアクション設定で、そのアクションを最大限に活かすセミフラットなボディはアピール力とバイトに持ち込める力が強く、特に濁りの入った状況やローライトコンディションなど、何らかの理由でバスのコンディションが変化した時や他のクランクでは一切の反応が無い状況でも唯一バイトを多発させることが多々あります。ディープクランクが有効となる季節は特にその傾向が強く、ファットフリーシャッドの有する個性はまさに唯一無二の存在と言えるでしょう。
特殊なリップ形状と優秀なボディバランスによるハイレベルなスナッグレス性能
非常に独特ながらも洗練されたリップ形状とハイフロートでボディバランスに長けたファットフリーシャッドは、スナッグレス性能も同クラストップの性能を誇ります。ディープクランクが良く対峙する沈みオダやレイダウンなどをはじめとしたカバーに対してはグリグリと男巻きしてしまってもスタックしないほどのほぼ無敵と言える性能を誇るほか、ウィードなどのベジテーションに対してもワイドなリップ先端が先にストラクチャーにコンタクトする事でオートマチックにアクションを弱めて大きく突き刺さる事を回避してくれます。また、軽い巻き心地ながらもワイドなリップはストラクチャーにコンタクトした際の感度も優秀で、水中の状況を事細かに伝えてくれる特性は、1ランク上のカバークランキングを身近なモノにしてくれます。
軽い巻き心地で長時間使用出来る使いやすさ!
アメリカ産ディープクランクと言えば何よりも釣果最優先。巻き心地や使いやすさなど、アングラーの負担に関しては自分達でどうにかしてね!的なスタンスが多い中、ファットフリーシャッドは珍しくアングラーのサポートも考慮したアングラーファーストなクランクベイトで、巻き心地が非常に大きなウエイトを占める国産ディープクランクにも引けを取らない使いやすさは特筆すべき点と言えます。特に広大なエリアをくまなくサーチする事が釣果への近道になるディープクランクにおいては、いかに長時間巻き続けられるか?が勝負の分かれ目になる事がイメージしている以上に多く、軽い巻き心地ながらもしっかりと使用感を残し、水中の状況をアングラーに伝える手ごたえは圧倒的な実績を残すレジェンドグラスのディープクランクにとって欠かせない性能。ファットフリーシャッドの輝かしい功績はそのような必須性能を積み上げた最たるモノと言えるでしょう。
ボーマー ファットフリーシャッドの感想と使い方 まとめ
ファットフリーシャッドをモチーフにしたディープクランクは数あれど、最も有名なルアーと言えば、6th SenseのリリースするクラッシュDDシリーズではないでしょうか?すでに名作と言われたオリジナルのウィークポイントを徹底的に見直し、さらに戦闘力を引き上げたスペックは一見の価値アリです!
ビル・ダンスをはじめとした数人のバスプロと、当時のエクスキャリバー社のデザイナーが細部にまでこだわって一切の妥協無く作り上げたファットフリーシャッド(細かいディテールやアクションと性能を見れば手を掛けて作った事が良くわかります!)は、発売直後の1995年にマークデイビスがアングラー・オブ・ザ・イヤーを獲得したと同時にバスマスタークラシックでもウイニングルアーに輝くなど鮮烈なデビューを飾って以降、ディープクランクにおける今までの概念を覆すような存在となりました。後発するディープクランク全てのベース、あるいはライバルとして認められるだけでなく、25年以上経った今でもフォロワーを生み出し続ける存在が他にあるとすれば現在でも本場アメリカの現役トッププロが大金をはたいて探し回るバグリー社のリリースしていたオリジナルのバルサB位と言えるでしょう。当時リリースを手掛けていたエクスキャリバー社も今は解体され、晴れて母体であるボーマー社の一員となりましたが、悲しい事に国内では年々見かける機会が減少しています。
「私達アングラーにとって、1番重要となるルアーの性能は何なのか?」
それはアングラーによって答えは変わるかもしれませんが、大多数の方は単純に「良く釣れること。」を求めます。
見た目のリアルさや全くストレスを感じないような圧倒的な使いやすさはありませんが、本当に我々アングラーにとって必要な性能をストイックに追い求めた時、いつの日かもう一度、「ファットフリーシャッド」と言う名作の名を耳にする事になるでしょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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