快適な気候でアングラーとしても魚としても過ごしやすくなる秋は、「荒食いの秋」ともいわれ一般的にはイージーなイメージの強い季節。
クランクやスピナーベイトなど、ファーストムービングのハードベイトを主体にアグレッシブなスタイルが定番とされてますが、実際には思っている以上に難しく、釣り方が間違っていると「全く釣れない」なんてこともしばしば。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
確かに秋はバスにとって適した環境になりやすくとてもアクティブにはなりますが、それゆえにバスのコンデションも短時間で変化します。私達アングラーが想像している以上にバス達はセレクティブなのでしっかりとしたルアーセレクトとポイント選びが釣果を伸ばす秘訣になります。
今回はそんな「秋」に誰もがうらやむ釣果を叩き出すためのポイントとコツ、攻略法をみなさんにシェアします。
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バス釣りの「秋」はいつからいつ?
バス釣りで秋といえば個人的に9,10,11月とイメージしています。
9月はまだ夏じゃないの?と思う方も多いとは思いますが、9月は台風も多く、水温が一気に下がります。また、朝夕の冷え込みが厳しくなるのもこの季節。昼間は夏日になることもありますが一度下がった水温はそれほど上がる事は無く、気温は高くても水中の状況は秋になります。
また、12月は上旬こそ秋の釣りが通用しますが、中旬以降はもう一段階水温が下がって水の中は本格的な冬を迎えます。
バスのポジションや反応しやすいルアーもガラッと変化するので、12月は「冬」ととらえるのが妥当でしょう。
しかしながらこの考え方もあくまで目安。フィールドの状況をその目で確認してから判断するのがベストと言えるでしょう。
秋のバス釣りで有効なルアーとパターン
ここでは「秋」という季節を3つに区切ってそれぞれの攻略法やコツ、バスのポジションなどを解説します。この時期は冬に向けて水温が緩やかに下がっていく時期なのでバスのポジションが変わりやすく釣果を残すにはバスの状態とポジションを知ることが何よりも大切になります。
9月のバス釣り ポジションと有効なルアー、釣り方のコツ
ここでは9月に釣果を重ねるためにねらうべきスポットや有効なルアーを紹介します。フィールドの状況やシチュエーションによって違いはありますが、私が良く通うフィールドでは毎年この様なパターンになっています。
9月のバス釣りで狙うべきポイントとバスのポジション
9月の上旬は気温の高い日が続く事もありますが、中旬には空も高くなり、朝夕の冷え込みを感じるようになります。水温も一気に下がり、一日を通しての水温変化が大きいのもこの時期の特徴で、水温の低下を感じたバス達は沖目のブレイクや水深のあるハードボトムなど水温変化が起きにくいポイントに一気に移動します。そのため少し水深のあるブレイクがらみのポイントでサイズよりも数が釣れるようになる傾向が強く、条件の良いポイントを見つけることが出来れば秋らしい「荒食い」を体験する事が出来ます。
9月のバス釣り 釣り方のコツ
この時期のバスは、「場所」と「ルアーサイズ」が非常に重要。
サマーシーズンはややボリューミーなベイトが好反応でしたがこの時期のバスは、ベイトのサイズにとてもシビアでやや小さめのシルエットに好反応を示します。ノーシンカーのフォールやトップウォーターなど水面を基準とした釣りがメインだった夏と比べ、9月はボトム基準の釣りがとても有効。晴れた日はブレイク周りのダウンショットやキャロライナが有効となります。

9月のバス釣り おすすめルアー
9月のバスは様々なコンデションのバスが混在するため、マキモノに好反応を示す時もありますが、暑かった夏の疲れの影響か、私個人のイメージとしては通常時(ローライトコンディションなど、特にプラスな外的要素が無い場合)シルエットの小さく、スローなモノに反応が良くなり、そのような手法やリグで誘ってあげる方が釣果が安定しやすくなります。
具体的には3インチ程度のワームを使ったダウンショットやキャロライナ、などが個人的には高実績。

また、9月は雨も多い季節。ローライトコンディションでは一日を通して水温も安定しやすくバスもアグレッシブに活動します。このような状況ではシャッドやフラットサイドクランク、スピナーベイトなど水押しは強くないけれどアピール力のあるルアーが強くなり、シャローの一等地といったお手本のようなポイントでお手本のような反応が帰ってきます。
シャッドさながらのナチュラルなアピール力とクランクに近い使用感が特徴的なリズィーはこの時期非常に効果的なルアーの1つ。シャッドとクランクの特性を上手に取り入れたこの手のルアーは一定の条件下で高い実釣性能を発揮します。
10月のバス釣り ポジションと有効なルアー、釣り方のコツ
10月に入ると朝夕の冷え込みも一層厳しくなっていよいよ本格的な秋を迎えます。
地域によっては下旬になると水温と気温差が大きくなってターンオーバーも発生しやすくなります。釣り自体の難易度も高くなるのでしっかりとした知識が必要となります。
10月のバス釣りで狙うべきポイントとバスのポジション
10月に入ってもバスのポジションはほとんど変わらず、基本は少し水深のあるブレイク周辺で釣れることが多いですが、10月のバスは9月よりもさらに広範囲に散らばってつかみどころがないイメージが強くなります。
また、下旬に差し掛かる頃には場所によって朝夕の冷え込みと水温の影響で悪名高いターンオーバーを引き起こします。10月はおだやかな天候が多く、平地では風も吹きにくいので水が動きにくい特徴があるので釣れるエリアと釣れないエリアの差が大きく、ターンオーバーによる水質悪化の影響が少ないエリアを探すことが何よりも大切となります。
10月のバス釣り 釣り方のコツ
この時期のバスはいるところといないところがハッキリしてきます。
先述したようにまずは水の良し悪しを見極めることが最優先となり、水面に水泡が残る場所や、明らかに水が動いていない場所は避けるようにしましょう。
また、9月に引き続き10月のバスはさらにセレクティブ。
1つのベイトやアクションにだけ反応しやすくなり、ちょっと違うだけでもで全く反応しないことも多くあります。どちらかというとシルエットが小さめで横に早く動くモノに反応しやすく、シャッドやミノーの早巻きが効果的になります。まずはどんなルアーに反応するのか様々なルアーをローテーションし、試すことが釣果を重ねるコツとなります。

10月のバス釣り おすすめルアー
10月は小型のハードベイトに好反応を示す機会が多くなります。
具体的にはシャッドやタイニークランク、小さめのミノー、プロップベイトなどがありますが、この時期のバスには巻きのスピードもかなり重要となるので個人的にはシャッドがおすすめです。
また、水の動きが弱かったり、風が吹いていない状況ではバスはやや浮き気味でスローになるのでステルスペッパーなどのプロップベイトも有効。ルアーのサイズにこだわりながらも状況に応じて様々なルアーをローテーションすると結果を出しやすくなるでしょう。
使い手を選ばない使いやすさと高い基本性能で非常に優秀なシャッドとして知られるハイカットシリーズ。数あるシャッドの中で「どれか一つ」と言われたら個人的にはハイカットが一番オススメです!
11月のバス釣りポジションと有効なルアー、釣り方のコツ
11月は肌寒く感じることが増えますが、中旬以降は気温も水温も安定しやすくなるので10月と比べて釣りやすくなります。しかしながらイージーに釣れる個体数はハイシーズンよりも劇的に少なくなってしまうのでバスのポジションと動向を捉え、狙って釣ることが大切になります。
11月のバス釣りで狙うべきポイントとバスのポジション
11月になると気温、水温ともグッと下がります。
気温と水温が逆転しやすい上旬はターンオーバーの影響が続きますが、中旬以降は水温が安定しやすくなるので気温と水温の関係で発生するターンオーバーの影響も受けにくくなります。(地域や季節の進み具合によります。)多くのバス達は本格的な冬に向けて水深があり、水温が安定する場所へ移動します。
小さくて、体力の無いバスほど早くディープレンジに落ちる傾向がありますが、体力があり、アグレッシブな大型のバスはシャローフラットのちょっとした変化やストラクチャーに単発でつくことが多くなるので数は釣れないが釣れればグッドサイズなゲームが展開出来ます。
11月のバス釣り 釣り方のコツ
この時期の朝夕は冷え込みが厳しいですが日中は意外と暖かく、1日の中で大きな気温差が発生します。冬型の気圧配置になる比率も高いので、気温の上下が激しい朝夕は風が吹いているタイミングが増えます。
特に朝マズメは薄暗い時間帯にシャローに上がり、単発で一等地に居つくグッドサイズのバスを狙える絶好のチャンス!9月や10月と比べて様々なルアーにも反応しやすいので風が吹きやすい朝マズメはしっかり釣り込むようにしましょう。

11月のバス釣り おすすめルアー
本格的なウィンターシーズン直前の11月は、ボリュームがあってスローに誘えるルアーが非常に効果的。具体的にはテキサスリグやラバージグがありますが、その他にもネコリグなどアピール力の高いライトリグも有効なリグの1つ。
また、シャッドやディープクランクも実績が高く、このあたりのルアーがおすすめなルアーとなっています。
個人的にこの時期におすすめなリグはジャンボグラブの5gテキサスリグ。
絶妙なボリュームは広大なシャローをスローに効率良く探ることが可能で、バイトに持ち込む力も強く、サーチと食わせをハイバランスで兼ね備えた万能型のテキサスリグと言えます。
秋のバス釣り 有効なルアーとパターン まとめ
かんたんに釣れる!と言われる秋バスですが、実は年間を通して見ても難易度はやや高め。バス釣りを長く楽しんでいるベテランアングラーになればなるほどこのイメージは強いのではないでしょうか?
適水温だからこそ様々な状態のバスが入り混じり、様々な場所にバスがいます。
「秋は広範囲にバスが散る」と言われるのもそのためで、他の季節と違ってパターンを活かした固め釣りが成立しにくいのも秋の特徴。その日その日で目まぐるしく状況が変化する秋だからこそ、ちょっとしたフィールドの変化を見抜くアングラーのスキルや知識が釣果を伸ばすために必要となってきます。
難易度が高いからこそ価値がある秋バス。
今回の記事が皆さんの秋バス攻略の手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。


